栄養科通信vol.107『世界共通ベジタリアン』

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「ベジタリアン」という言葉を1度は耳にしたことがあると思います。一口にベジタリアンと言っても、様々な種類と特徴があります。
ベジタリアニズムを実践する人の事をベジタリアンと言い、ベジタリアニズム(vegetarianism)とは、健康、道徳、宗教等の理由から動物性食品を排する手技・思想のことを言います。日本語では菜食主義と訳されています。
今回は様々なベジタリアンを紹介したいと思います。

●ビーガン(Veagan):純粋菜食者、完全菜食主義者
乳製品、蜂蜜も含む動物性食品を一切摂らず、皮製品等食用以外の動物の利用を避ける人々。ビーガンは、20世紀半ばになってVeg(etari)anを短縮してつくられた造語。

●ダイエタリー・ビーガン(Dietary Vegan)
ビーガンと同様に、植物性食品の食事をするが、食用以外の動物の利用を必ずしも避けようとしない。日本語の菜食主義者のイメージはダイエタリー・ビーガンに近い。

●オリエンタル・ベジタリアン(Oriental Vegetarian):東洋系の菜食主義者
菜食主義であるが、五葷(ごくん:にんにく、にら、らっきょう、葱または玉ねぎ、生姜など)を摂らない。食用以外の動物の利用を必ずしも避けようとしない。

●フルタリアン(Fruitarian):果食主義者、果物常食者
収穫しても植物自体を殺さないという考えに基づいて食物を食べる人々。果物、トマト、ナッツ類等、木に実り植物自体の生命に関わらない部分を食べる。より厳格に熟して落ちた実しか食べない人々もいる。

●ラクト・ベジタリアン(Lacto-Vegetarian):乳菜食者
牛乳やバター、アイスクリーム等の乳製品を食べる人々。チーズは乳製品であるが、牛を屠殺して胃をとり出して消化液を集めたレンネット(凝乳酵素)を使用して作成されたものは食べない。

●オボ・ベジタリアン(Ovo-Vegetarian):卵菜食者
卵も食べる人々。鳥や魚、甲殻類等種類は問わない。卵は無精卵に限る人もいる。

●ラクト・オボ・ベジタリアン(Lacto-ovo-Vegetarian):乳卵菜食
乳製品と卵も食べる人々。

日本ほど世界各国の本格的な料理を食べることができる国も珍しいようですが、そんな日本もベジタリアン対応のお店がとても少ないのが現状です。
原因の1つにベジタリアンのイメージが「野菜しか食べない、あっさりしている」と思われているからではないでしょうか?必ずしも野菜だけを食べているわけではないですし、ボリュームもあり、味付けもしっかりしています。ベジタリアン対応のお店を見つけたら、1度はチャレンジしてみるとベジタリアンのイメージが変わると思います。また、多くの方が機内食は「チキンorフィッシュ」だけだと思っていませんか?航空会社によって違いはありますが、様々なベジタリアンに対応した機内食があります。事前に申し込みが必要ですが、飛行機の中から異国を感じる事ができるのでおススメです。しかも、1番に持ってきてくれます!
2020年には東京オリンピックにより世界各国の旅行者が日本を訪れることでしょう。旅行者が安心して食事ができるよう、ベジタリアン対応のお店が増えるといいですね。

管理栄養士 S.N