カテゴリー別アーカイブ: 認知症疾患医療センター

認知症とは?①

ブログに上げたこれまで全5回の話題としては、認知症疾患医療センターの5つの役割についてこれまでお話してきました。①各種検査データや事前相談など多くの情報を元に鑑別診断、②診断にもとづく適切な治療方針の決定、③内科的異常の早期発見・治療、④かかりつけ医、福祉施設、地域、行政など関連機関との連携、⑤認知症に関する教育・啓発活動
今回からは、そもそも認知症とはどのような疾患なのか?という話題に入っていきたいと思います。まずは認知症を疫学的視点から見てみましょう。
認知症に関する厚生労働省の統計では以下のデータが示されています。

なんと、全国でおよそ462万人もの方々が、認知症に罹患していると予測されています。これは65歳以上の高齢者の約6人に1人の割合となります。上の図に軽度認知機能障害という言葉がありますが、これはさらに、最近の報告では60歳代→70歳代→80歳代別に発症率をみると10歳年齢を重ねると認知症の発症率は二倍になる、とわれています。つまり80歳代の方では60歳代の方よりも4倍ほど認知症を発症しやすくなる、ということです。
これを倉敷市の人口に当てはめて考えると以下のようになります。

みなさんからみて、この16600人という数字は多く感じられますか?それとも少なく感じられますか?これからも少子高齢社会は加速していきます。この数字は今後さらにふくれあがっていく可能性が高いでしょう。つまり、認知症は特別な疾患ではなく、誰でもなりうる「ありふれた病(common disease)」であるといわれています。
将来、自分自身が認知症を患ったときに、辛いことはできるだけすくなく、楽しいことはできるだけ多く、自分らしく生き続けていけるよう、今ここから、医療福祉を、隣近所、地域や行政を、少しづつ変えて行くための一歩を皆で踏み出すことが必要でしょう。
「もの忘れ」は早期発見・早期治療が重要であり、診断・治療のためには地域のかかりつけの医師との情報共有が非常に重要です。ご家族や身近な方、またはご自身のもの忘れが気になるという方は、まずはかかりつけの医師にご相談下さい。

認知症疾患医療センター相談室 直通電話番号:086-427-3535

認知症疾患医療センター CP阿部

第7回認知症予防学会にて浦上賞受賞

平成29年9月22日~24日、岡山コンベンションセンターにおいて、第7回認知症予防学会が開催されました。岡山大学大学院脳神経内科学・阿部康二教授が大会長を務められ、地元岡山開催ということもあり、当院からも認知症関連業務に携わる多くの職員が参加し、全仁会からもシンポジウム2演題、口頭一般6演題の発表が行われました。

薬剤部から、「認知症せん妄対策における薬剤師の多職種連携についての取り組み」という演題発表を行い、栄えある「第7回認知症予防学会 浦上賞」を受賞することができました。今回の内容は、2016年度の第25回全仁会研究発表大会で取り組んだ、認知症せん妄対策チームと病棟薬剤業務の連携によるチーム医療推進に関する発表で、認知症せん妄対策チーム担当薬剤師の藤野優菜さんが中心に行った研究成果です。

今回の受賞は、倉敷平成病院において、神経内科・涌谷陽介先生を中心に、他の医療機関に先駆けて2013年に活動を始めた「認知症・せん妄サポートチーム(DST)」が、全国レベルでも先進的な取り組みを実施していることの証明であると思います。DSTや認知症関連業務に関わっている多くの皆さんの成果であり、自分たちのチーム医療・職種間連携に自信を持ち、更なるレベルアップに繋がるものであると思います。また、院内研究発表大会の質が上がっていることの証明でもあり、全仁会で毎年取り組んでいるQC活動が、全国レベルに通用することの証明でもあるかと思います。

薬剤部としても、自分たちの日々の業務に自信を持ち、今後、「認知症・せん妄サポートチーム(DST)」以外の分野でも、全国に発信できるような質の高いチーム医療推進に貢献したいと思います。

(※第7回認知症予防学会では18演題が浦上賞を受賞しました)

薬剤部 部長 I

認知症疾患医療センターの役割について⑤

カテゴリー: 認知症疾患医療センター | 投稿日: | 投稿者:

認知症疾患医療センターには5つの役割があります。①各種検査データや事前相談など多くの情報を元に診断を行い、②診断にもとづく適切な治療方針を決定し、③内科的異常の早期発見・治療し、④かかりつけ病院との情報共有を行い、連携して治療にあたります。また、地域や行政など、関連機関などの部門とも連携し、よりよいケアの方法を患者様、ご家族の方々と共に考えていきます。また、⑤認知症に関する教育・啓発機関として機能することも、患者様と患者様の援助に携る方々を総合的にフォローしていくために、とても重要な役割となります。
今回は役割⑤:認知症に関する教育・啓発機関についてご説明します。
認知症に関する教育・啓発機関
厚生労働省が定める、認知症施策推進5ヶ年計画(オレンジプラン) では、認知症になっても本人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域の良い環境で暮らし続けることができる社会の実現を目指す、となっています。自助・互助の観念のもと、認知症疾患医療センター、かかりつけ医、介護施設、地域包括支援センター、家族会、地域自治体、行政など多くの機関が連携し、「その人がその人らしく生きていく」を支援していく社会がだんだんと整備されつつあることを前回ご説明しました。シームレスな連携を実現するためには、今回のブログテーマである認知症に関する教育、啓発活動が極めて重要になってきます。
認知症疾患センターでは医療の専門職だけでなく、一般の方々に対して、公開講座、セミナーや講演を行っています。倉敷平成病院では、一般の方々を対象に(専門職も含む)認知症セミナー、認知症公開講座、のぞみの会、神経セミナー、もの忘れ予防カフェや、もの忘れフォーラム(川崎医科大学付属病院と合同開催)等々認知症に関する教育・啓発・支援活動を実施しています。
また専門職向けとして、岡山県西部認知症懇話会や、川崎医科大学附属病院認知症疾患医療センター及び倉敷市高齢者支援センター(地域包括支援センター)と合同で、認知症事例検討会を実施しています。
家族や介護者だけでなく地域全体を含めた多くの人々が認知症に関する理解を深めることは、介護を行う方だけでなく地域全体の、認知症を患う方を支える力の向上につながり、認知症を患う方々の日々の生きにくさを軽減することにつながります。

「もの忘れ」は早期発見・早期治療が重要であり、診断・治療のためには地域のかかりつけの医師との情報共有が非常に重要です。ご家族や身近な方、またはご自身のもの忘れが気になるという方は、まずはかかりつけの医師にご相談下さい。
認知症疾患医療センター相談室 直通電話番号:086-427-3535

認知症疾患医療センター CP阿部

認知症疾患医療センターの役割について④

カテゴリー: 認知症疾患医療センター | 投稿日: | 投稿者:

認知症疾患医療センターの役割について④
認知症疾患医療センターには5つの役割があります。①各種検査データや事前相談など多くの情報を元に診断を行い、②診断にもとづく適切な治療方針を決定し、③内科的異常の早期発見・治療し、④かかりつけ病院との情報共有を行い、連携して治療にあたります。また、地域や行政など、関連機関などの部門とも連携し、よりよいケアの方法を患者様、ご家族の方々と共に考えていきます。また、⑤認知症に関する教育・啓発機関として機能することも、患者様と患者様の援助に携る方々を総合的にフォローしていくために、とても重要な役割となります。
今回は役割④:かかりつけ病院、地域や行政など、関連機関との連携について説明します。
地域自治体認知症疾患医療センターで診断が確定し、治療方針が定まると、患者様のかかりつけ医師や地域の認知症サポート医に情報提供をおこない、連携をとりながら治療にとりかかっていきます。また薬物的な治療のほかには、デイケアなど介護施設での脳トレや有酸素運動などのリハビリを行うことでも認知症の進行を遅らせることができるといわれており、リハビリ、生活習慣や生活環境の調整が必要になります。これらの調整のために地域包括支援センターや高齢者支援センターなどの外部機関との連携をとり、ケア、介護状況の調整をしていきます。
また、厚生労働省が定める、認知症施策推進5ヶ年計画(オレンジプラン) では、認知症になっても本人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域の良い環境で暮らし続けることができる社会の実現を目指す、となっています。自助・互助の概念のもと、認知症疾患医療センター、かかりつけ医、介護施設、地域包括支援センター、家族会、地域自治体、行政など多くの機関が連携して「その人がその人らしく生きていく」を支援していく社会がだんだんと整備されつつあります。
認知症疾患医療センターでは高度な専門性と他機関、地域との連携をおこなって、患者様、ご家族を一緒に支えていきます。

「もの忘れ」は早期発見・早期治療が重要です。ご家族や身近な方、またはご自身のもの忘れが気になるという方は、まずはご相談を!
認知症疾患医療センター相談室 直通電話番号:086-427-3535

認知症疾患医療センター CP 阿部

認知症疾患医療センターの役割について③

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認知症疾患医療センターには5つの役割があります。

①各種検査データや事前相談など多くの情報を元に診断を行う
②診断にもとづく適切な治療方針を決定する
③内科的異常の早期発見・治療する
④かかりつけ病院との情報共有を行い、連携して治療にあたったり、地域や行政等の関連機関の部門とも連携し、よりよいケアの方法を患者様、ご家族の方々と共に考える
⑤認知症に関する教育・啓発機関として機能する
こういったことは患者様と患者様の援助に携る方々を総合的にフォローしていくために、とても重要な役割となります。

今回は役割③:内科的異常の早期発見・治療、についてご説明します。

③内科的異常の早期発見・治療

認知症を患う方は判断力や記憶力の低下のため、衣・食・住・病にかかわる自身の日常の体調管理・環境調整に支障をきたすことが多く、それに伴う内科的な異常の早期発見・早期治療が非常に重要です。例えば上記のような生活習慣のコントロールが、脳の機能維持のためにはきわめて重要になってきます。認知症の進行を遅らせることに寄与するだけでなく、認知症の危険増悪因子は妄想、幻覚、興奮、といった精神症状の併発にも強い関連があります、その症状を引き起こしている原因を注意深く観察し、環境を調整したり、薬剤を調整することによって症状を軽くする、または症状の発現を未然に防ぐことができます。この生活習慣の改善や維持をどのように行うのかといった点に関して、次にお話しする④関連機関との協調・連携によるサポートをおこなっていきます。

「もの忘れ」は早期発見・早期治療が重要です。ご家族や身近な方、またはご自身のもの忘れが気になるという方は、まずはご相談を!

認知症疾患医療センター相談室 直通電話番号:086-427-3535

(執筆者;CP阿部)

認知症疾患医療センターの役割について②

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認知症疾患医療センターには5つの役割があります。①各種検査データや事前相談など多くの情報を元に診断を行い、②診断にもとづく適切な治療方針を決定し、③内科的異常の早期発見・治療し、④かかりつけ病院との情報共有を行い、連携して治療にあたります。また、地域や行政など、関連機関などの部門とも連携し、よりよいケアの方法を患者様、ご家族の方々と共に考えていきます。また、⑤認知症に関する教育・啓発機関として機能することも、患者様と患者様の援助に携る方々を総合的にフォローしていくために、とても重要な役割となります。
今回は役割②:適切な治療方針の決定、についてご説明します。
②診断にもとづく適切な治療方針の決定
もの忘れに関して鑑別診断を行った後には治療方針を決定します。
治療可能なもの忘れ、認知症のタイプ、生活習慣や体質によっても選択される治療方針が変わります。認知症専門医により、適切な治療方針を立てていきます。
ひとことに認知症といってもたくさんの分類があることは、前回に詳しく説明いたしました。では、認知症に対する薬物治療についてはどのような選択肢があるのかというと、現在本邦では、塩酸ドネペジル(商品名:アリセプト、ドネペジル塩酸塩)、ガランタミン(商品名:レミニール)、リバスチグミン(商品名:イクセロンパッチ、リバスタッチパッチ)、メマンチン(商品名:メマリー)といった4種類のお薬があります。
先ほどご紹介した4種類のお薬は、認知症のタイプ、進行度、体質や持病によって選択が変ります。単剤でもちいることもあれば2種類のお薬を併用する事もあります。いずれにしてもお薬の効きぐあいや副作用の出かたには個人差が大きく、おひとりおひとりの身体に合った治療薬の種類、量の選択に慎重に取り掛かっていきます。そのためには、通常お世話をしてくださる方の観察によってもたらされる日常生活上の気付き、変化といった情報は、治療を進めていく上で、きわめて重要なものとなります。これらのお薬はいずれも、認知症の進行の速さを遅くするという作用があります。現在では、いまだ根治薬はありませんが、世界中で認知症の治療薬の研究が盛んに行われており、有力なお薬の候補も段々と発見されてきています。
進行の速さを遅くするといったお薬のメリットとは何か、それは認知症を患う方の今、現在の日常生活能力の水準をなるべく長い期間維持するということです。このことはご本人自身の自尊心の維持、ご家族を含め周囲の援助・介護にまつわる負担感の増大防止に直結する、極めてメリットの大きな治療となります。
また、妄想、幻覚、興奮などといった行動・心理症状(BPSD)に関しては、その症状を引き起こしている原因(内科的異常の早期発見・早期治療は特に重要です。次回に詳しく説明いたします)を注意深く観察し、環境を調整したり、薬剤の調整を行うことによって、症状を軽くすることが可能です。なにより医師や介護の専門家に相談し、一緒により良いケアに向けて考えていくことが大切です。
「もの忘れ」は早期発見・早期治療が重要です。ご家族や身近な方、またはご自身のもの忘れが気になるという方は、まずはご相談を!

認知症疾患医療センター相談室 直通電話番号:086-427-3535

認知症疾患医療センター CP 阿部

認知症疾患医療センターの役割について

カテゴリー: 認知症疾患医療センター | 投稿日: | 投稿者:

認知症疾患医療センターには5つの役割があります。①各種検査データや事前相談など多くの情報を元に診断を行い、②適切な治療方針を決定し、③内科的異常の早期発見・治療し、④かかりつけ病院との情報共有を行い、連携して治療にあたります。また、地域や行政など、関連機関などの部門とも連携し、よりよいケアの方法を患者様、ご家族の方々と共に考えていきます。また、⑤認知症に関する教育・啓発機関として機能することも、患者様と患者様の援助に携る方々を総合的にフォローしていくために、とても重要な役割となります。
まず、今回は役割①:鑑別診断について、ご説明します。
①鑑別診断
もの忘れを引き起こす原因には様々なものがあり、数十種類もの疾患が、もの忘れを引き起こすことがわかっています。

かならずしも脳の問題とも限らず、ビタミンB群の欠乏であったり、甲状腺の機能低下であったり、服用している薬剤による影響や、肝臓、腎臓など臓器の働き具合によっても、二次的に脳の働きが影響を受けることがわかっています。原因と考えられる疾患が多数存在するために、種々の専門的な検査や、もの忘れ専門医による問診など、さまざまな情報をもとに、患者様のもの忘れの原因を鑑別することが、認知症疾患医療センターの重要な役割の一つとなっています。
「もの忘れ」は早期発見・早期治療が重要です。ご家族や身近な方、またはご自身のもの忘れが気になるという方は、まずはご相談を!
認知症疾患医療センター相談室 直通電話番号:086-427-3535

認知症疾患医療センター CP阿部

認知症のタイプとBPSD

カテゴリー: 認知症疾患医療センター | 投稿日: | 投稿者:

前回は、支援する人の負担に繋がりやすいとされる、認知症に伴う行動・心理的症状(BPSD)に関してお話ししました。認知症における心理・行動症状(BPSD)は、さまざまな要因が複雑に絡み合って生じる副次的な症状であるというお話をしましたが、今回は認知症の種類に由来する(疾患の中心的な症状ともいえる)心理・行動症状について少しお話したいと思います。
まずはおさらいから。認知症という単語は、認知機能障害を生ずる疾患の総称を意味しています。下の図ではこの認知症状を引き起こす代表的な病気・病態を示しています。

今回は、上の図のさまざまな認知症を引き起こす疾患のなかでも、レビー小体型認知症について、その特徴とBPSDについて取り上げてみたいと思います。下の図はレビー小体型認知症に特徴的な症状を示しています。

レビー小体型認知症を有する方が、これらの症状すべてを必ず伴うというわけではありませんが、アルツハイマー型認知症の症状とは実に異なる様々な症状がレビー小体型認知症ではみられます。さらに、上記の症状が記憶障害よりも先行して現れるケースが多いことも、アルツハイマー型認知症とは大きく異なる特徴と言えます。 今回のお話では特に、認知症の範囲で分類されているアルツハイマー型認知症とレビー小体型認知症をBPSDの側面から比較してみてみましょう。下の図をご覧下さい。

アルツハイマー型認知症のBPSDは、これまでお話してきた記憶障害+α(前回のお話をご参照ください)に基づくことが多いものの、レビー小体型認知症のBPSDでは、視覚認知機能障害(何がどのように見えるか、という脳の情報処理の障害)に基づくことが多いようです。つまりそこにはないものが見えないものが見えたり(幻視)、ある物を見た時に別のものに見えたり(誤認妄想)するような症状はレビー小体型認知症におけるBPSDの大きな特徴の一つと言えるでしょう。

上の2つの図は、レビー小体型認知症の幻覚とそれに伴う妄想の一部の例を紹介しています。レビー小体型認知症を有する方が感じる幻覚には、非常に強い現実感を認識され、同時に恐怖や不安な気持ちを伴うケースが多いようです。
つぎに、睡眠に関してもレビー小体型認知症では特徴的な症状があります。
一般的に人は、一晩の睡眠の中でも、からだの睡眠と脳の睡眠が交互に複数回入れ替わっています。専門用語では「レム睡眠」「ノンレム睡眠」といいますが、テレビなどでお聞きになったことがある方も多いのではないでしょうか。レビー小体型認知症では、レム睡眠の状態にあるときに寝言や大声、何かの行為様の動作などがみられるケースが多くあります。

今回は認知症のタイプとBPSDについて、レビー小体型認知症を例にお話しました。アルツハイマー型認知症を有する方のご家族の負担と、レビー小体型認知症を有する方のご家族の負担の質は大きく異なることが多いと言われています。(他の認知症のタイプにも同様のことが言えます)家族の介護にまつわる負担・悩みの共有(ピアカウンセリング)などの機能を持つ家族会などのコミュニティに関しても、近年では、認知症のそれぞれのタイプに応じた会の細分化が進みつつあるようです。
「もの忘れ」は早期発見・早期治療が重要であり、診断・治療のためには、地域のかかりつけ医師との情報共有が非常に重要です。ご家族や身近な方、またはご自身のもの忘れが気になるという方は、まずはかかりつけ医師にご相談下さい。
認知症疾患医療センター相談室
直通電話番号:086-427-3535
認知症疾患医療センター CP 阿部弘明

本日放送のNHKニュース7放映されます

先週、3月12日からの道路交通法改正について涌谷認知症疾患医療センター長が取材を受けましたが、この内容が本日19時~放映の「NHKニュース7」にて放映されるとのことです。是非ご覧ください。
※明日の夕方のNHK岡山のニュース「もぎたて!」でも放映予定です。
秘書広報室

中核症状と周辺症状について

カテゴリー: 認知症疾患医療センター | 投稿日: | 投稿者:

前回は、支援をする人の負担についてお話ししました。今回は、支援する人の負担に繋がりやすいとされる、認知症に伴う行動・心理的症状(周辺症状)に関してお話したいと思います。まず中核症状とは何かというと、認知症という病気の核となる症状を呼びます。これまでお話ししてきた、脳の認知機能の障害(見る・聞く・話す・わかる・記憶する・注意する・判断する・按配する等の障害)による日常生活上の不自由さを指します(詳しくはブログの過去の記事をご覧下さい)。
この認知機能の障害を背景に、元々の性格や身体の不調、おかれている環境の不快さ、服用しているお薬による影響など、さまざまな誘因が積み重なった結果起こる副次的な症状(例外もあります。次回に詳しく)のことを周辺症状と呼びます。

この周辺症状のことを専門用語ではBPSD(認知症に伴う行動と心理症状)と呼びます。周辺症状には下の図に示すような症状があります。まずは心理的な症状と行動面の症状に分けてみましょう。

さらに具体的に、認知症の周辺症状(BPSD)を下の図で見てみましょう。具体的な症状の説明に関してはまた別の機会に。つぎは周辺症状の誘因と対応についてお話します。

周辺症状への対応を考えるには、副次的症状である周辺症状にどのような誘因が関与しているのかということの探索・対処が極めて重要になってきます。(上の図でいうと黄色四角) つまり、認知症を有するご本人への医療・福祉・周囲の方々のアプローチしだいで症状の重さが大きく変わることが多くあります。
対処の原則としては、不快な状態を快い状態に変えることです。(例外的に、周辺症状の一部には、ご本人にとっては苦痛をあまり伴わず、周囲の人々が苦痛を感じるものもあります。これも次回以降にお話します)
・環境面の快・不快
眩しすぎる、暗すぎる、狭い、広い、色彩、大きすぎる雑音、暑すぎる、寒すぎる、不快な臭い・心地よい香り等々
・身体的な苦痛・不快感
視える・聴こえるに関する不具合、持病のコントロールの不具合、体の痛み・痒み、食べる、出す、寝ることの不具合
・周囲の人の声かけやかかわりによってもたらされる快・不快
いわゆるストレス。ご本人の不自由さに対して、図らずも矛が突き刺さってしまうような声かけ・かかわり。自尊心の傷つき。
・薬剤の調整
周辺症状発症原因の約30%は薬剤が関与しているとも言われています。一般的にご高齢の方であれば、薬剤の身体への影響も大きくなります。また、もの忘れを有する方が服薬を自己管理する場合、薬の飲みすぎ、飲み忘れなどにつながる危険性も高くなります。治療・薬剤や服薬管理に関しては、認知症専門医、かかりつけ医や薬剤師に相談してみましょう。

次回は、認知症の種類自体に由来する周辺症状について少しお話したいと思います。
「もの忘れ」は早期発見・早期治療が重要であり、診断・治療のためには、地域のかかりつけ医師との情報共有が非常に重要です。ご家族や身近な方、またはご自身のもの忘れが気になるという方は、まずはかかりつけ医師にご相談下さい。

認知症疾患医療センター相談室 直通電話番号:086-427-3535
認知症疾患医療センター CP阿部弘明