カテゴリー別アーカイブ: 倉敷ニューロモデュレーションセンター

良い声をだすために~言語聴覚士(ST)と行う「声」のリハビリ~

例年より遅い梅雨があけ、いよいよ夏本番となりました。
皆さん、熱中症対策や脱水対策をしっかりして今年の夏も元気に乗り切りましょう。

さて、今回はニューロモデュレーションセンターに関わるSTから「声」のリハビリについてお届けしたいと思います。
「声が小さくなった」「声がかすれる」「カラオケがうまく歌えなくなった」。
ニューロモデュレーションセンターでSTとして働いているとこんな悩みをよく耳にします。
パーキンソン病では病期の経過中90%程度に音声・構音障害が出現するとされています。特徴としては小声、声の高さや大きさの抑揚の乏しさ、不正確な構音、かすれ声(気息性嗄声)、ガラガラ声(粗造性嗄声)などが代表的です。これは実はパーキンソン病の特徴である筋強剛や固縮、姿勢異常などが影響しており、胸郭の運動範囲の制限に伴う肺活量の低下や呼気の圧力の低下が「声」の出しにくさに関係しています。
では、よい声を出すためにどんなことをすればよいのか?

まずは体の準備をすることが1番重要です。
①まず姿勢を整えます。(姿勢異常がある方はまず2019/5/5のブログもぜひご参照ください)
椅子に深く座り、骨盤を起こし背筋を伸ばしてあごを引きかかとは床につけます。
②首の体操:前屈・後屈・左右運動をおこなった後、ぐるりと回す。
③肩の体操:すくめる-おろす、回す、息を吸いながら両手を上に伸ばしてゆっくり息を吐きながら両手を下す、などがあります。

体が柔らかくなったら次は呼吸の練習です。
①深呼吸
②呼気訓練:口をすぼめて出来るだけ長く息を吐く、ティッシュを吹きとばす、巻き笛やストローの水を吹くなど負荷を変えて行います。

ここまで出来たら実際に「声」を出していきましょう。
リハビリでは呼吸を意識しながら「アー」と声を出したり、構音訓練と組み合わせてパタカラ体操や文章の音読、歌唱などを行っています。大きな声を出そうとすると、喉に力が入ってしまい喉を絞めつけたような声になる方が多いのですが、良い声を出すためには呼吸を意識しながら喉ではなく腹部を使って声を出すことが重要です。
姿勢と呼吸が意識できれば、家族や友人とおしゃべりを楽しんだり大好きなカラオケを楽しみながら機能を維持することが出来ます。皆さんもぜひお試しくださいね。

倉敷ニューロモデュレーションセンター 言語聴覚士 K

【第13回パーキンソン病・運動障害疾患コングレス参加報告】

令和元年7月25日(木)~27日(土)に東京都港区浜松町コンベンションホールにて第13回パーキンソン病・運動障害疾患コングレス(Movement Disorder Society of Japan: MDSJ)が開催されました。

当院から理学療法士(PT)、臨床心理士(CP)、臨床工学技士(CE)の3名が参加し、ポスター発表を行いました。
発表者は倉敷ニューロモデュレーションセンターでの脳深部刺激療法(DBS)や脊髄刺激療法(SCS)における各々の活動や実績について発表を行いました。学会参加者は脳神経内科や脳神経外科の医師がほとんどであり、会場から質問もあり、活発なディスカッションを行うことができました。


MDSJはパーキンソン病においては日本神経学会に次いで大きな学会となります。この中で発表をしたことはとても貴重な経験となりました。ニューロモデュレーションについての発表も多いですが、まだ知られていないところもあり、進歩が続く分野となります。今後も参加を継続できるよう、日々の業務に取り組んでいきたいです。

倉敷ニューロモデュレーションセンター ME T

【第22回日本臨床脳神経外科学会参加報告】

令和元年7月20日(土)・21日(日)に第22回日本臨床脳神経外科学会が岡山コンベンションセンターで開催されました。当院からは医師・看護師・医療ソーシャルワーカー(MSW)・医療秘書・臨床工学技士(CE)の5名が参加しました。

上利センター長と倉敷ニューロモデュレーションセンターコーディネータである田辺副師長は「パーキンソン病診療における医療連携」のシンポジウム演者として講演を行いました。
上利センター長は「パーキンソン病に対する多職種連携による神経刺激療法」として、地域連携や当センターにおける活動について講演を行いました。
田辺副師長は「ニューロモデュレーションセンターにおけるPDナースの役割」として、コーディネータ業務や事例を紹介し患者や家族との関わりについて講演を行いました。MSW・医療秘書・CEは一般演題にて、事例を紹介しながら各々の活動について発表を行いました。

日本臨床脳神経外科学会は多職種が参加し、日々の業務や研究等を発表する場です。発表後はそれぞれの専門について勉強することができました。
今回、多くの方々に当センターでの活動を知ってもらう貴重な機会となりました。これからも学会発表を通じて、倉敷ニューロモデュレーションセンターを知っていただき、模範となる施設として活動を続けていきたいです。

倉敷ニューロモデュレーションセンター ME T

東海大学医学部脳神経外科講師馬場先生が倉敷ニューロモデュレーションセンターを視察され、手術見学と意見交流をされました

7月22日(月)、東海大学医学部脳神経外科馬場胤典(たねふみ)先生が、倉敷平成病院を訪問され、上利崇センター長が行うDBS手術(パーキンソン病に対する脳深部刺激療法)の見学と意見交流がなされました。
馬場先生より「レコーディング無しで実施するDBSですが、より早くより正確な手技に驚きました」とのコメントをいただきました。

東海大学医学部脳神経外科は機能的脳神経外科領域において、日本のトップリーダーの一つに数えられる施設となっています。

このような交流を持てたことに心より感謝し、今後も意見交流で得られたことなどを診療の充実に活用してまいりたいと思います。馬場先生ありがとうございました。

ニューロモデュレーションセンター スタッフ

【倉敷ニューロモデュレーションセンター専用サイト、8月下旬にオープン予定です】

現在、倉敷ニューロモデュレーションセンターでは専用サイトの作成を行っています。脳深部刺激(DBS)療法や脊髄刺激(SCS)療法についての説明だけでなく、手術までの流れや当院で可能な他の治療法についても分かりやすく・見やすく・伝わりやすいようなサイトを目指しています。
5月にサイト制作会社さんによる写真撮影を行いました。添付の画像は撮影時の様子です。先日も制作会社さんと当院の広報課との打ち合わせに参加しまし、デモサイトを確認しましたが、当院のチーム医療についても記載があり、当センターの特徴がよく分かるサイトだな、と思いました。
サイトの中には上利センター長からのメッセージはもちろん、当センターでのチーム医療の取り組みに参加する、多職種のスタッフ紹介もあります。
サイトのオープンは8月下旬を予定しています。サイトが出来上がりましたら、皆さん是非ご覧ください。
ニューロモデュレーション療法はまだまだその名前が知られていない治療法ですが、このサイトを通じニューロモデュレーション療法を多くの方に知っていただければと思います。

倉敷ニューロモデュレーションセンター 医療秘書 M

世界パーキンソン病学会およびInfinity Users Meeting参加報告

令和元年6月4日(火)~7日(金)、京都府京都市の国立京都国際会館にて第5回世界パーキンソン病学会(WPC2019)が開催されました。
パーキンソン病の研究者や医療従事者、患者が集う非常に大きな国際会議であり、アジア初開催となります。

当院の上利崇倉敷ニューロモデュレーションセンター長が参加し講演を行いました。
講演内容は「効率的なディレクショナルリードのプログラミング」です。
脳深部刺激療法(DBS)の刺激する部位は繊細であり、刺激電極は高度化しているため、刺激の調整が重要となります。
6月1日よりアボット社のDBSシステムのバージョンアップにて、プログラミングソフト「InfomityTMシステム」が使用できるようになりました。
海外から半年遅れでの導入ですが、DBSの刺激調整において高い評価を受けています。
上利センター長はInfomityTMシステム使用の必要性や刺激電極ディレクショナルリードについてデュセルドルフ大学脳神経内科Groiss先生と講演を行いました。

さらに、6月8日(土)にヒルトン大阪でInfinity Users Meeting が開催され、国内でDBSに関わる医師や当院スタッフが参加しました。
上利センター長よりWPC2019の内容と当院でのDBS治療成果ついて講演を行いました。ご来場の方にも非常に関心をもって聴講していただきました。

 

その後、InfomityTMシステムの使用方法についてスタッフも講義を受けました。
当院ではDBSを受けた患者さまは術後3ヵ月目に入院して刺激調整を行います。
InfomityTMシステムはとても使いやすく、刺激電極の状況が細かくて分かりやすいです。
治療効果がある刺激部位の選択はDBSを受けた患者さんにとって生活をする上でとても大切です。

ニューロモデュレーションは日々進化を続けています。
最適な治療が提供できるよう、今後も治療や活動に積極的に関わり、情報発信していきます。

倉敷ニューロモデュレーションセンター ME T

当院の脳神経外科専門医3名が日本定位・機能神経外科学会機能的定位脳手術技術認定を受け、全4名になりました。

倉敷平成病院では2017年4月に機能的脳神経外科領域を専門とする「倉敷ニューロモデュレーションセンター」を開設し、DBS(脳深部刺激療法)を実施しております。
以前より、センター長の上利崇医師は技術認定を受けておりましたが、このたび、高尾聡一郎医師、篠山英道医師、重松秀明医師の3名が技術認定を受け、技術認定医が全4名となりました
2018年に引き続き、施設認定も継続しており、一層の専門強化。精度の高い手術の実施に努めてまいります。

※日本定位・機能神経外科学会では、技術認定委員会および理事会の決定により、過去3年間の機能的定位脳手術症例登録数が18例以上の施設を機能的定位脳手術技術認定施設とし、そこで一定数の症例の手術に関与した者に対し、技術認定を行うことを決定しております。

※画像は一部加工してあります。

秘書広報課

第12回日本ニューロモデュレーション学会指定講習会 ニューロモデュレーションサポートプロバイダー(NMSP)コース参加報告

令和元年5月11日(土)に東京都千代田区都市センターホテルにて第12回日本ニューロモデュレーション学会指定講習会が開催されました。当院からは看護師1名、理学療法士1名、臨床心理士1名、臨床工学技士1名、計4名が参加しました。

この講習会は脳深部刺激療法(DBS)と脊髄刺激療法(SCS)を受ける患者様に質の高い医療を提供するために開催されていました。今回より指定講習会受講後、試験に合格すると「ニューロモデュレーションサポートプロバイダー(NMSP)」の学会認定となります。今までは医療機器メーカ向け講習会のみでしたが、この治療をチーム医療として行うべきとして、医療従事者をメインの対象とした認定制度となりました。

講習会はSCSやDBSに関わる解剖、手術手技、各メーカの機器特徴などニューロモデュレーション治療の医師より講義を受けました。難しい内容もありましたが、とても勉強になりました。
受講した4名とも試験に合格して、後日認定を受けることができました。今後はNMSPが在籍し、専門知識を活かして治療に携わります。ニューロモデュレーションを必要とする患者様によりよい治療を提供できるよう体制を強化していきます。治療について興味がある方はご連絡ください。

 

倉敷ニューロモデュレーションセンター ME T

 

機能的脳神経外科領域の専門書『ここが知りたい定位脳手術・電気刺激療法Q&A』に上利崇センター長が著書で協力いたしました

 このたび、中外医学社より岡山大学大学院医師薬学総合研究科脳神経外科教授 伊達勲先生が編者をつとめられた専門書、『ここが知りたい定位脳手術・電気刺激療法Q&A』がが出版されました。

この著書はの機能的脳神経外科分野で行われる定位脳手術や電気刺激療法についての専門書となっており、この分野へ取り組もうとする脳神経外科医にQ&A方式で情報を提供し、参画を期待するものです。

岡山大学では50年以上前からこの分野に取り組まれており、その歴史や、近年MRIが高性能になり電気刺激の電極を埋め込む位置が極めて正確に同定できるようになったこと、実際の手術に必要な器材(フレーム、ワークステーション、鍼電極、記録装置など)の詳細について、実際の手術や術後管理等が記されています。
こちらのリンクから冒頭数ページご覧いただけます

大変名誉なことに、当院 倉敷ニューロモデュレーションセンター上利崇センター長と倉敷平成病院臨床心理士 若森孝彰さんがこの専門書へ著者として協力させていただいております。

機能的脳神経外科を体系的に学びたい方には最適な一冊だと思われます。ご興味のある方は是非ご一読下さい。

秘書広報課

脳とあぶらの関係~倉敷ニューロモデュレーションセンターより~

「脳はあぶらでできている」って聞いたんだけど本当かしら?という質問を受けたので調べてみました。

私たちの脳は、40%がタンパク質、60%が脂質でできています。脂質のうち50%は神経細胞を保護するコレステロール、残り50%は神経組織を活性化させ、情報伝達をスムーズにするリン脂質やDHAです。脳の大部分を占めるあぶらですから、いいあぶらをとった方がいいんじゃないかと注目を集めている油についておさらいです。

その中で今回はココナッツオイルについて深めていきましょう。
ココナッツオイルの特徴として、すぐエネルギーになる中鎖脂肪酸を多く含むので、蓄積されず太りにくい。肝臓で分解されてケトン体を作る。という点があります。

このケトン体がポイント。通常、脳はブドウ糖をエネルギー源としてはたらきます。しかし、アルツハイマー病になるとブドウ糖をうまく使うことができなくなり、脳はガス欠のような状態になります。ブドウ糖を使えずエネルギー不足になると脳細胞は休眠し、はたらきが悪くなります。しかし、脳がブドウ糖だけではなくケトン体を使って活動することができることが分かりました。アルツハイマー病の脳ではブドウ糖は使えませんがケトン体を使うことはできるので、中鎖脂肪酸の摂取により体内でケトン体が作られれば、脳のエネルギー不足が解消され、はたらきがよくなり、認知機能が改善するというわけです。神経細胞の死滅がそれほど進んでいない段階までであれば、ケトン体補充による認知機能改善効果が期待できるとして現在も研究が進んでいます。ケトン体が作られるためには1日に大さじ2杯分のココナッツオイルが必要です。加えて、砂糖と一緒にとってはケトン体が作られにくくなるそうです。もとは油なので、すでに脂質異常がある方、肥満の方はとり過ぎないよう気をつけましょう。

このように、脳に関係すると言われる食材についての質問なども、随時受け付けています。食事面からニューロモデュレーションセンターのサポートが出来るよう、管理栄養士も頑張っていきます。

管理栄養士 A子