カテゴリー別アーカイブ: 倉敷ニューロモデュレーションセンター

倉敷ニューロモデュレーションセンターにおける言語聴覚士の関わりについて

倉敷ニューロモデュレーションセンターでは、多職種が連携し1人1人の患者様に対してよりよい治療、訓練を提供させていただいています。

言語聴覚士は、DBS(脳深部刺激療法)を受けられる患者様や、すでにDBSを受けられている患者様を中心に、認知機能や飲み込み、話すことに関する検査・訓練を行っています。
DBSの適応となった患者様の発話や嚥下機能の詳細な検査は、術後、治療効果を見る上で大変重要となってきます。また検査に加え食事、会話などの生活場面においてもチームで情報共有し、より適した治療につなげています。

パーキンソン病の患者様の中には話にくさ(構音障害)や、飲み込みにくさ(嚥下障害)を訴えられる方が多くおられます。パーキンソン病の患者様の発話特徴としては声量の低下や発話の短いとぎれ、発話速度の異常、声の高さや大きさの単調化などがみられます。また嚥下機能としては、口腔機能の運動低下により口から流延が出る、食べ物が口の中に残ってうまく飲み込めない、食事中に咽るなどの症状がみられます。このような症状を認める患者様に対して検査以外に、積極的なリハビリ介入をさせていただいています。

入院中のリハビリも重要ですが、退院後も機能を維持していくためには継続したトレーニングが必要です。口腔運動機能や呼吸発声などその方にあった自主トレーニングの方法を退院時にお伝えさせていただいています。お伝えしたトレーニング内容を術後のフォローアップの入院の際にも積極的に実践していただいている方々の姿をみると大変嬉しく思います。

今後も治療が発展していく中で、新しい情報を取り入れチームで共有しながら患者様に適した言語療法が提供できるよう取り組んでいきたいと思います。

倉敷ニューロモデュレーションセンター 言語聴覚士

倉敷ニューロモデュレーションセンターでの、脊髄刺激装置埋込術(SCS)がテレビ取材を受けました

このたび、1月某日に、Aさん(50代・男性、脳梗塞後遺症)が脊髄刺激装置埋込術(トライアル)を受けられた様子がテレビ番組の取材を受けましたのでご報告いたします。

脊髄刺激療法(SCS)は体内に設置したリード(刺激電極)で脊髄を電気刺激することにより、痛みを緩和させる治療法です。
本埋込の前に、トライアル(試験刺激)をすることにより、電気刺激の種類をいくつか試したり、どの程度の効果がみられるかを試すことができます。リードの埋込は局所麻酔で実施され、実際に患者さんに刺激の効き具合を確認しながら行われます。また一般的にトライアルは1週間程度となっています。

Aさんは5年前に脳梗塞を発症され、以来、左上下肢、手指、足肢の痛みを訴えられておられました。痛み止めの薬を飲んでもなかなか効きが悪く。また、薬のせいで食欲低下がみられたり、ぼーっとして意欲低下がみられることなどもあったとのことです。
特に寒い時期などは痛みを強く感じ、またエアコンの風などでも痛みを感じられることがあるとのことで、今回のトライアルとなりました。

トライアルの期間中は、ご自身にて患者用プログラマを操作して、刺激を調節し、痛みをコントロールしていただきます。
コントロールの方法は大変簡便で、Aさんは当日より強さを変えたりされていました。また、操作方法については、専属の臨床工学技士などがご指導いたします。Aさんは、1週間の間に、3種の刺激を試されたとのこと。
ご退院前日には、「しびれは少し残るものの、痛みがとれてうそのようだ。本当に良かった。本埋込については、いったん退院してから考えてみます」と語ってくださいました。
現在、疼痛治療の番組制作について取材協力をしています。放送日等が決まりましたら、改めてご案内いたします。

秘書広報課

 

「脊椎脊髄ジャーナル」(三輪書房)の特集「脊髄ニューロモデュレーションの現状」に上利崇倉敷ニューロモデュレーションセンター長の論文が掲載されました。

脊椎脊髄ジャーナル31巻1号」(2018年1月25日発行・三輪書房)では、「脊髄ニューロモデュレーションの現状」を特集しており、その中で、上利崇倉敷ニューロモデュレーションセンター長らが執筆された「疼痛疼痛に対する脊髄刺激療法―胸腰髄留置法に対する脊髄刺激療法―胸腰髄留置法」が掲載されましたのでご案内いたします。
脊髄刺激療法(spinal cord stimulation)は、難治性慢性疼痛に対して、脊椎硬膜外腔に電極を留置し、電気刺激を行うことで、疼痛の緩和を図る治療法です。近年、電極や刺激装置等のデバイスの進歩や、手技の向上により、従来のSCSとは異なった鎮痛効果を発揮し、更なる治療効果が期待されています。

ご興味ある方は是非ご一読下さい。
【月刊】脊椎脊髄ジャーナル 31巻 1号
■特集:脊髄ニューロモデュレーションの現状

 疼痛に対する脊髄刺激療法―胸腰髄留置法・・・上利 崇, 他

 

秘書広報課

第57回日本定位・機能神経外科学会参加報告

2018年1月19・20日の両日に奈良春日野国際フォーラム 甍~I・RA・KA~にて第57回日本定位・機能神経外科学会に上利センター長をはじめ6名が参加しました。

この学会はニューロモデュレーションにおいて一番大きな学会となります。上利センター長はランチョンセミナーとシンポジウムの演者として、DBS・SCSにおける最新の治療について講演されました。さらに看護師、臨床心理士、理学療法士、臨床工学技士がそれぞれの専門分野の内容に沿った発表を実施しました。

倉敷ニューロモデュレーションセンターか設立して10カ月となり、今学会にてこれまでの成果を発表することができました。

演題発表後には当院の取組を参考にしたいと話す先生方と情報交換を行うことができました。さらにニューロモデュレーションにおける最新の知見を勉強することができ、充実した2日間となりました。
これからも学会等にて発表を続けて、倉敷平成病院 倉敷ニューロモデュレーションセンターを多くの方々に知ってもらえるよう、チーム一丸となって活動していきたいです。

次回は2019年1月25・26日に東京で開催されます。それまでに研究等を続けていきたいです。

倉敷ニューロモデュレーションセンター ME T

スウェーデンよりブロムステッド教授が倉敷ニューロモデュレーションセンターを視察、手術手技向上に向け交流を深めました

平成30年1月19日・20日の両日で、奈良春日野国際フォーラムにて開催された、第57回日本定位・機能神経外科学会へ参加するために来日された、 スウェーデン ウメオ大学 脳神経外科 ブロムステッド・パトリック教授が、1月22日倉敷平成病院を視察され、当院倉敷ニューロモデュレーションセンター上利医師が行うDBS(脳深部刺激療法)手術の見学と意見交換がなされました。

ブロムステッド教授は、午前中のDBS手術の様子を見学されて
「皆さんが大変、段取り良く、効率的にチーム医療をされている点に大変驚きました。視覚的標的をもとに手技を構築されて、早く正確な手術をされていることに感激致しました。全身麻酔による手術が受けられる環境が整えられています。高齢者や体力的弱者は全身麻酔により、より心地よく手術を受けられると考えます。日本以外だと、このDBS手術は全身麻酔によって施行される場合が随分増えてきていますが、日本ではまだまだ少ない現状です。
技術的にも、視覚的標的をもとに全身麻酔で電極の埋込術を実施することは、より侵襲性が少なく、患者さんにとっても大変よいことだと考えます」と語ってくださいました。

ブロムステッド教授(Patric C.Blomstedt  ;Department of Neurosurgery University Hospital of Umeå)は第57回日本定位・機能神経外科学会にてシンポジウムⅠ「振戦の治療戦利略」において「振戦の治療戦略(Recent progress in tremor surgery)」と題する基調講演をされ、また、ランチョンセミナー「ニューロモデュレーションにおける最新の知見」では、上利医師と共に講演されるなど、機能的脳神経外科手術の領域では世界的に活躍されておられます。
昨年秋には、上利医師がスウェーデンウメオ大学を視察訪問し、それ以来親交を深めています。

今後も患者さんのQOL向上に向け、倉敷平成病院、ニューロモデュレーションチーム一丸となって取り組んでまいります。

秘書・広報課

倉敷ニューロモデュレーションセンターでの医療秘書の役割

今回は、ニューロモデュレーションセンターでの医療秘書課が担当している仕事を紹介させて頂きます。
私たちの正式名称は「医師事務作業補助者」といいます。字の如く、医師の事務作業軽減の為の役割を担っています。私たちは医師の指示があれば医師に代わって患者さんの記録を代行入力する権限があります。

そこで、倉敷ニューロモデュレーションセンターでの私たちの仕事ですが、医師の病棟回診へ同行し回診記録の代行入力、情報提供書・紹介返事・退院サマリーの代行作成、医師のスケジュール管理等を行っています。

私たちはニューロモデュレーションセンターの患者さんと直接接することはありませんが、医師の負担軽減をめざし、医師が患者さんに接する機会が増えることを望んでいます。
病棟回診時、上利先生の傍でメモをとっている私たちを見かけましたら、頑張っているんだなと微笑みをかけてください。

医療秘書 R

倉敷ニューロモデュレーションセンターを岸和田徳州会病院循環器内科医師御二人が来訪されました

 昨年の12月11日(月)に大阪府岸和田市の医療法人徳州会岸和田徳州会病院循環器内科部長藤原昌彦先生と森下優先生が倉敷ニューロモデュレーションセンターをご来訪くださいました。当日は、手術を見学され、その後上利センター長の講義とシュミレーターを使用してのSCS手術模擬が行われました。
今回のご来訪の目的は、重症下肢虚血(CLI)対するSCSの治療についてです。
CLIとは、末梢動脈疾患が重症化したことを指します。末梢動脈疾患は主に足の動脈に動脈硬化が起こり、狭くなるか詰まるかして足に流れる血液が不足することよって、痛みを伴う歩行障害がおこる病気です。CLI患者さんは足を切断しなければならないこともあります。SCSにて刺激を行うことにより血流を増加させ痛みを低減し、足の切断を回避することも可能となります。「CLIに対して有効な治療の一つとして循環器内科領域の治療と併用して行っていきたい」とお言葉をいただきました。
 SCSは痛みに対して行われますが、下肢虚血の治療としても有効です。今回、SCS治療が多くの現場にて活かされることになると感じました。このような交流の場を今後も活用していきたいと思います。

また、当院のフットケア外来等との連携も将来的には可能と考えられます。倉敷ニューロモデュレーションセンターでの治療がより多くの患者さんの助けとなるよう、我々も研鑽を積んでまいりたいと思います。

倉敷ニューロモデュレーションセンター ME

九州SCS治療研究会参加報告

12月7日(木)に福岡県福岡市TKPガーデンシティ博多にて「九州SCS治療研究会」が開催されました。当院からは上利センター長と臨床工学技士、理学療法士、臨床心理士の4名が参加しました。

この会の趣旨は2017年6月よりSCS(脊髄刺激療法)の新しい刺激であるBurstDR刺激の治療について、臨床実績が特に多い当院と宮崎県にある潤和会記念病院にて講演を行い広く普及することです。
潤和会記念病院の講演後、上利センター長にて「脳神経外科で診る疾患でのBurstDR臨床成績」について講演がありました。倉敷ニューロモデュレーションセンターの役割からチーム医療の必要性、BurstDR刺激に関する当院の治療実績、今後の展望について講演を行いました。

次に当院の臨床工学技士にて「BurstDR刺激の設定方法」について症例を交えて講演を行いました。参加者はペインクリニック専門医をはじめ、Burst刺激を今後実施したい施設の医師や関連機器メーカーなど多くの方が聴講されました。

脊髄刺激療法は末梢神経障害性疼痛や脳卒中後疼痛などの慢性難治性疼痛に有効な治療です。BurstDR刺激は今までの脊髄刺激療法では治療できなかった患者にも有効な治療ですが、全国でも実施する施設や臨床実績が少ないです。倉敷ニューロモデュレーションセンターはBurstDR刺激を全国に先駆けて実施し、治療実績も全国トップクラスとなっています。

今回の講演はBurstDR刺激の治療と当院の取組を多くの方に知って頂く機会となりました。今後も治療実績を増やし、痛みに悩む患者に有効な治療を提供できるよう努力し、院内外に広く普及していきたいと思います

臨床工学技士 T

倉敷ニューロモデュレーションセンターでの便秘対策

パーキンソン病の患者さんには便秘が多いと言われています。
便秘は運動機能が低下することによる運動不足や、食事、薬の関係からも起こります。実際、パーキンソン病の患者さんの6~7割の人が便秘を自覚しているという報告もあります

パーキンソン病に多い便秘の原因として、

〇自律神経のはたらきの低下
パーキンソン病になると脳から体へ指令する神経の伝達速度の遅れに加えて、腸の動きを管理する自律神経のはたらきも低下させてしまうため大腸の蠕動運動が低下して便秘につながります。

〇食事量の減少
食欲がなく、普段より食事量が減ると便の量も少なくなり、腸の蠕動運動に働きかけることが減り、合わせて水分摂取量も減ると便が硬く、出しにくくなり便秘につながります。

〇身体を動かさなくなり、運動量の低下
動作が緩慢になったり、筋肉が硬直したりするため、体の筋肉を維持することが難しくなります。筋力が落ちると腸の蠕動運動を助ける腹筋も弱まり、排便する力が落ちるので便秘につながります。また、動きが遅くなることで尿意や便意をもよおしたときにトイレに駆け込むのが難しくなることで排便習慣が乱れやすくなります。

〇肛門括約筋の亢進
外肛門括約筋の衰えにより、スムーズな排便ができなかったり、排便のサインを送るセンサーの機能低下により肛門括約筋が締まったままになり便秘につながります。

〇抗パーキンソン病薬の副作用
パーキンソン病の治療薬には抗コリン薬の成分もあり、その副作用として大腸の蠕動運動が抑えられ、便秘につながります。

便秘になると、食事として摂取した食べ物に含まれる栄養素をスムーズに吸収することが出来なくなります。栄養素を吸収できないので痩せてしまったり、薬の吸収も悪くなり、効果も薄くなっているのではないかとも言われており、便秘といえどもあなどれません。
本来なら速やかに排出されるべき便が、便秘になり長く腸内にとどまっていると悪玉菌が増殖してしまいます。腸内環境を安定させて消化吸収を促進する働きをもつ善玉菌を、悪玉菌に負けないくらい増やしておかなければなりません。常に善玉菌が多い腸内環境にしておくには、善玉菌が好む栄養をとる必要があります。

そんなわけで、当院では便秘対策の一環として食事や内服薬の調整に合わせてオリゴ糖を利用し始めています。オリゴ糖は善玉菌である乳酸菌やビフィズス菌のえさになり、善玉菌を増やします。善玉菌の多い腸内環境では、栄養や薬の吸収も良くなり免疫力もアップすることが期待できます。何より便秘解消すると気持ちもスッキリするのではないでしょうか。その効果がどのように出てくるのか、経過を見ながら進めていきたいと思っています。

倉敷ニューロモデュレーションセンター 管理栄養士 A

倉敷ニューロモデュレーションセンターにおける理学療法士の関わり

倉敷ニューロモデュレーションセンターが開設されて早7ヶ月が経ちます。

DBS(脳深部刺激療法),SCS(脊髄刺激療法)を受けられる方もしくは すでに受けておられる患者様と多く関わらせて頂いています。
理学療法士は,主に手術前・後の運動機能検査,入院中のリハビリテーション(以下リハビリ) などを行っています。
運動機能検査結果は手術の適応,治療効果,治療方針などを判断する材料の1つとなります。正確な検査が行われなければ,適切な治療も行えません。
そのため,正確な検査結果を上利センター長を始めとするチーム全体に伝達する 必要があります。 検査の際には患者様の症状を注意深く観察,疾患の特徴,これまでの経過など多くの情報を 統合し評価することを意識しています。
リハビリは刺激装置植込み手術前・後,刺激調整,刺激装置交換時などに実施しています。 手術の効果は劇的であることが多いですが,その効果をさらに高める,持続させるためには リハビリが大切だと考えています。
入院中ほとんど毎日,それぞれの患者様の状態に合わせた,運動療法を行っています。
また,運動は継続することが重要なので,必要に応じて退院後行う自主トレーニング方法 などについてもお伝えしています。

DBS,SCSを受けられる患者様は,なんとかしたい,よくなりたい,という想いが強い 方が多い様に感じます。そのためリハビリも懸命に取り組んで下さる方が多いです。
自分が担当させて頂いた患者様が,治療に満足し笑顔で退院される時は,とても幸せを 感じる瞬間です。 DBS,SCSは新しい機器も導入されており,さらに進歩している様です。
その中で,DBS,SCSを受けている方に対する理学療法も今後さらに発展させていく 必要があると考えています。 より質の高いチームアプローチが行えるよう,日々研鑽を積んでいきたいと思います。

倉敷ニューロモデュレーションセンター PT