カテゴリー別アーカイブ: 医療福祉相談室・メディカルソーシャルワーカー

医療ソーシャルワーカーの仕事とは

だんだんとジメジメした雨の日も増えてきましたが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。

私は当院にて医療ソーシャルワーカーとして働いています。
“医療ソーシャルワーカー”と聞くと、どんな仕事をしている人だろう?と思われる方も多いかもしれませんが、外来・入院に関わらず患者さんやご家族の相談対応をさせていただいています。なかなか“医療ソーシャルワーカー”という言葉自体が浸透していないため、自己紹介の際には“相談員”とお伝えしていることが多いかもしれません。

医療ソーシャルワーカーは、保険医療機関等において患者さんやご家族の相談にのり、社会福祉の立場から経済的・心理的・社会的問題の解決、調整、社会復帰を支援する専門職です。

相談と言ってもどんなことを相談したらいいのだろう?と思われる方もいらっしゃると思います。病気や怪我で治療が必要になった際に、患者さんやご家族だけでは解決できない問題が起きる場合があります。

介護が出来るか分からない、
自宅での生活が難しいかもしれない、
退院後の生活が不安・・・、
介護保険について知りたい、
医療費や生活費など経済的なことが不安・・・、
転院について相談したい、
など

患者さんやご家族の話を聴き、問題解決に向けて必要な制度の活用ができるようお手伝いさせていただいたり、今後の生活についてご本人やご家族とともに一緒に考えさせていただきます。

安心して治療や日常生活が送れるようサポートできたらと思いますので、相談のある方はお気軽にお声かけください。

地域医療連携センター 医療ソーシャルワーカー M

※画像はイメージです(写真AC)

五月病

新年度が始まって一ヶ月が経過しました。新しい仲間が加わり、フレッシュな風が舞込んだり、環境が変わった部署もあったかと思います。新入職員が新しい職場に少しずつ慣れてきた頃ではないでしょうか。そんな中GWもある5月でよく口にされるのが「五月病」というワードです。
五月病と言われ始めたのは、1961年にアメリカの医師会が、入学から一ヶ月ほど経過した大学生に見られる無気力、無関心など軽いうつ症状を報告したことから始まるそうです。ストレスが原因となって肉体的・精神的に様々な不調が起こります。新生活を始めて落着いてくる5月あたりに発症することから一般的に「五月病」と呼ばれています。

誰にでも起こり得るものですが、日常的なセルフケアによって予防することも可能です。ストレスを溜め込まないよう、リフレッシュする時間を設けることも大事になってきます。
地域医療連携センターにも新たな仲間を迎えることができました。先輩職員として仕事でのフォローや声掛け等も行いながらサポートできたらと思っています。地域医療連携センターには1年目からベテランの社会福祉士まで、入院外来を問わずご相談に対応させていただきます。お気軽にお声かけください。

地域医療連携センター A

イラスト:イラストACより

市民公開講座 第22回もの忘れフォーラム開催報告

市民公開講座 第22回もの忘れフォーラム(主催 倉敷平成病院認知症疾患医療センター、川崎医科大学附属病院認知症疾患医療センター)が、令和7年3月8日(土) 155名の方々にご参加いただき、くらしき健康福祉プラザで開催されました。

第1部講演は京都府立医科大学大学院医学研究科 精神機能病態学 成本迅先生による『認知症になったときに備える資産管理のポイント―安心できる未来のために―』、

第2部講演は岡山県立大学 保健福祉学部 現代福祉学科 竹本良志人先生による『認知症の診断後から始める社会保障制度の利用―療養生活を経済面から支える方法―』。

第3部はシンポジウムを行いました。

成本先生には認知症発症に伴う経済活動のトラブルや備える対策等について、竹本先生には認知症と診断された方とその家族が住み慣れた地域で安心して生活を送るために診断後から利用できる制度等についてお話いただきました。
シンポジウムには、株式会社 中国銀行の方にもご登壇いただき、会場からの質問も交えながらそれぞれの先生のお立場から意見が交わされました。

今回は“これからのお金について”をテーマとさせていただきましたが、認知機能が低下する前にできる対策、診断後に利用出来る制度等について皆様と勉強することで、改めて自分自身が今できることを考えていただく良い機会となったのではないかと思います。
私自身も竹本先生の“経済問題は命にかかわる問題である”というお言葉で、専門職として経済支援の大切さを改めて痛感しました。

今後も認知症について正しく理解していただき、認知症の方やその家族の方をはじめ、誰もが住みやすい地域にしていくために、このような会を開催できるよう努めていきます。

最後にはなりましたが、今回のもの忘れフォーラムにかかわってくださった全ての皆さまに御礼申し上げます。

精神保健福祉士  A

第21回もの忘れフォーラム開催報告

新年度に向けて

気がつけば3月も終わりに近づき、新しい年度が始まろうとしています。
新年度には新たな仲間も迎えることとなります。
新入職のソーシャルワーカーは毎年法人内の施設や他部署で研修を行い、法人内の施設やサービスについて知る機会を設けています。

全仁会には「救急から在宅まで、何時いかなるときでも対応します」という理念があり、その各ステージで求められるソーシャルワークも多岐にわたるため、どんな部署があり、どんな患者さん・入所者さん・利用者さんに対応しているのかを知ることを目的としています。
ソーシャルワーカーが行う相談援助や多くの調整には、社会資源の知識が不可欠になります。今後業務を行っていく中で、見て学んだものを相談者の方に説明できるようになってもらえるよう10年以上前からこのような研修が行われています。

私自身も入職時に研修があり、ドキドキワクワクしながら研修に参加したことを今でも覚えています。その後も相談者の方に施設やサービスの説明をする際に、研修で見聞きしたことをイメージしながら話を行えたこと、またソーシャルワーカーの業務の多くが多職種との連携も大切となるため法人内の各部門との顔つなぎという意味もあったのだと業務を行う中で感じました。

新人だった頃から月日はたちましたが、あの頃の気持ちは大切に、知識や多職種との連携を円滑に行いながら相談者の方によりよい支援が提供できればと思います。

地域医療連携センター T

イラスト:イラストAC

【明日3/8(土)午後開催。当日参加OK!「もの忘れフォーラム」で一緒にお金について学びを深めましょう】

超高齢社会を迎える日本の課題の一つとして、認知機能が低下した高齢者の経済面をどう支援していくかという課題があります。わたしたちが日常生活を送る上でお金は切り離せない大切なものです。
昨今では、「金融老年学」という学問を広く普及しています。認知機能低下に伴い浮かびあがる経済面の課題、「これからのお金について」一緒に考えてみませんか?

日時 2025年3月8日(土)13時15分~16時
場所 くらしき健康福祉プラザ 5階プラザホール(倉敷市笹沖180)

講演 「認知症になったときに備える資産管理のポイントー安心できる未来のために―」
京都府立医科大学大学院医学研究科 精神機能病態学 教授 成本 迅 先生

講演「認知症の診断後から始める社会保障制度の利用-療養生活を経済面から支える方法-」
岡山県立大学 保健福祉学部 現代福祉科学 教授 竹本 与志人 先生

シンポジウム
京都府立医科大学大学院医学研究科 精神機能病態学 教授 成本 迅 先生
岡山県立大学 保健福祉学部 現代福祉科学 教授 竹本 与志人 先生
倉敷平成病院 認知症疾患医療センター センター長 涌谷 陽介 先生
株式会社中国銀行 コンサルティング営業部 担当者

参加費無料 当日受付でもご参加いただけます。
今、困られている方、そしてこれからのために知識として知っておきたい方、是非ご参加ください。

お問い合わせ 倉敷平成病院 認知症疾患医療センター ☎086-427-3535

第22回もの忘れフォーラムちらしPDF

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免疫力の大切さ

お正月も終わり、日常生活が戻ってきました。皆さん、体調等崩されていないでしょうか。
世間ではインフルエンザが流行していますが、普段から免疫力を上げておくことで防げる体調不良もあるかもしれません。
免疫力を高める方法は大きく分けて食生活の改善、運動、睡眠、ストレス管理の4つがあります。三食バランスの取れた食事を心掛け、抗酸化作用のある栄養素を多く含む緑黄色野菜やヨーグルト等の発酵食品、タンパク質(肉・魚等)を摂取することで免疫力を高める効果が期待できます。
自分に合った運動を習慣化し、運動によって体を温めることで、免疫細胞が活性化されます。また質の高い睡眠も免疫力を高める要因になります。後はストレスを溜めない、ストレスを発散させることが大事になります。ストレスは免疫力を低下させる大きな原因になるため、自分に合ったリラックス方法を見つけて実践していきたいです。
私は休日に子供とサッカーをして体を動かしたりして、ストレスを発散させています。まだまだ寒い時期が続きますが、免疫力を高めて感染症にかからず、元気に過ごしていきたいです。
イラスト:イラストAC

地域医療連携センター A

 

MSWの実習生受入

2024年11月9日(土)、当院の救急棟4階にて、岡山県医療ソーシャルワーカー協会主催、第2回指導者コース研修が開催されました。

テーマは「大学における社会福祉士養成課程~教育内容と現場への期待~」
岡山県立大学 保健福祉学部 現代福祉学科 竹本 与志人 教授をお招きし、MSWを目指す学生(実習生)の受入についての講義、ディスカッションが行われました。
私が社会福祉士の資格を取得してはや20年。大学で学ぶ内容や、実習そのものに対する考え方もずいぶん変わっており、まさに眼から鱗でした。

当院では、ほぼ毎年、MSWを目指す実習生の受け入れをしていますが、受け入れる現場側のバージョンアップも重要な要素になってきていると感じました。

これからも学びを深め、フレッシュな実習生さんたちの頭脳に負けないように努力していく必要があると、心に誓うのでありました。
魅力ある仕事MSWを目指す若者がどんどん増え、一緒に働ける仲間が増えることを心から願います。

 地域医療連携センター PN 蒼いザリガニ

イラスト:イラストACより

初めまして!新人ソーシャルワーカーです!

9月になりましたが、まだまだ暑い日が続いています。皆様いかがお過ごしでしょうか?

私事ですが、4月に就職し5ヵ月が経ちました。医療ソーシャルワーカーになりたいと思い、社会福祉士の国家資格を取得し医療ソーシャルワーカーとしてスタートすることができました。入職してから疾病、社会資源、制度など全てに知識不足を感じ、調べたり先輩に教えてもらいながら、早く皆様のお役に立てれるようになりたいと思って勉強しています。
この5ヵ月間を振り返ると、医療ソーシャルワーカーにどのような視点が必要なのか考える場面が何度もありました。患者様・ご家族様が退院後どのようなことに困り、生活するうえで何が必要か、地域で生活する人の立場になって考える「生活者」の視点が重要であると考えています。
また、医療ソーシャルワーカーは、患者様の自己決定を尊重しその想いを他職種に伝えていく役割を担っており、伝わる伝え方が重要だと改めて感じています。そのためには、ご家族様やケアマネジャーから情報収集し、患者様の生活、価値観などを知ったうえでその人の生活背景を想像して他職種に伝えることが重要です。患者様やご家族様の想いを一番に考え、希望する生活へと繋いでいけるように他職種と連携しながら皆様の生活を支える一員になりたいと日々思っています。
私の目指す医療ソーシャルワーカーは、患者様・ご家族様に寄り添い続けることのできる医療ソーシャルワーカーです。今の私は、まだまだ知識・技術ともに不足しており、日々勉強しています。指導者にアドバイスをもらいながら、皆様のお役に立つことができるように精進していきます。

地域医療連携センター Y.S

地域医療連携センター

地域医療連携センターでは令和5年度2500件以上のご紹介を医療機関・施設からいただきました。たくさんのご紹介、ご受診いただきましてありがとうございます。

病院の内外から緊急性のあるものも含め様々なご相談をお受けしています。
内部からの連携依頼も多く、時には外来受診の患者さんの変化に気づき、相談してきてくれるケースも有ります。
患者さんの困り事に気づいた外来スタッフから相談を受け、ソーシャルワーカーへ繋ぎ、福祉関連の支援等、問題解決や不安軽減に繋がったケースもあります。

内容によって何処にどう繋げることが患者さんにとって最善なのか、その橋渡しとしての役割として様々な内容に真摯に向き合い、スムーズな連携が図れるようスタッフ一丸となって取り組んでまいりますので、よろしくお願いします。

地域医療連携センター NY

 

イラスト:イラストACより

倉敷ニューロモデュレーションセンターパーキンソン病患者説明会 開催報告

5月11日(土)14時~倉敷ニューロモデュレーションセンターパーキンソン病患者説明会が開催されました。

倉敷平成病院救急棟4階会議室を会場にZOOMとのハイブリット開催とし、会場には66名の方が参加され、オンインでは約80名の方が視聴され、150名近い方がご参加下さりました。

医師、看護師、理学療法士、言語聴覚士より実演を含めた講演がなされました。
牟礼英生センター長は、【パーキンソン病の外科的治療について医師の立場から】というテーマでご講演されました。パーキンソン病は高齢化と共に患者さんが増加傾向になること、治療の基本は薬物療法であるがデバイス補助療法(DAT)を併用することで、日常生活を介助無しで過ごす期間を長くすることができること。DAT療法の中でも、DBS(脳深部刺激療法)について、利点やマイナス面も含めてわかりやすく講演いただきました。

 藤高副主任は、看護師の立場から日常生活の工夫について、パーキンソン病のかたが日頃から苦労されている、嚥下面の問題や便秘の問題など様々な生活場面での工夫や対処法などを、わかりやすく講演されました。
またリハビリの新免理学療法士と和田言語聴覚士主任より、歩行練習と発声練習について具体的な運動や発声方法を取り入れた講演も行われ、日常生活ですぐに取り入れることが可能な内容となっており、皆さん熱心にメモを取りながら聞かれていました。


 会の終盤の質問コーナーでは、事前に寄せられた質問に公認心理士など各専門職が回答させていただき、会場から質問が多数上がっていました。時間の関係で全ての質問にお答えできなかったこと、申し訳ございませんでした。会場から「もっとこのような勉強の場を開いてほしい」などの声も寄せられましたので、定期開催も視野に検討して参ります。


今回、初めて、地域医療連携センターで説明会運営を担わせていただきましたが、様々な職種からの支援をいただき、運営面でも倉敷平成病院のチーム力を感じました。また、たくさんの方々にご参加いただき、パーキンソン病がより身近な疾患になっていることやそれぞれの患者さんが深刻な悩みをお持ちであることに改めて気づくことができました。
牟礼センター長が閉会のあいさつで述べられたように、これからも当院のニューロモデュレーションセンター職員一同、患者さんに寄り添う診療活動ができるようにチーム一丸となって取り組んで参ります。

※会の様子は5月20日(月)の山陽新聞メディカに掲載される予定です。是非ご覧ください。

地域医療連携センター Y