カテゴリー別アーカイブ: ヘイセイ鍼灸治療院

初秋に多発する筋肉痛の鍼灸治験

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春先及び秋口、寒暖交替の時期によく急性筋痙攣による強い筋肉痛の患者さんは鍼灸院に訪れます。今年も何人かこのような患者さんはいました。
発生する部位は様々、頚部、肩甲骨の内側部、脇腹、腰背部、大腿部、下腿部などがよく見られます。

多くの場合、症状は急に発生し、最初は僅か一部の筋肉が痙攣して強く痛み出しますが、徐々に範囲を広げて、広範囲の筋肉痛になります。殆どの患者さんは強い痛みによって運動が制限されて、日常生活の動きにも困難が感じます。

このような患者さんに対して、鍼灸院では筋肉痛の部位にあるツボに鍼を刺したうえ、モグサをつけてお灸を行い、更に痛い部位に関連する経絡のツボに鍼をすれば、筋痙攣が緩和され、痛みがすぐ改善できます。

ある30代の女性、飲食業に勤めていますが、9月下旬に仕事中、急に脇腹に強い痛みを感じ、暫く体が動かなくなりました。
近所の整骨院や鍼灸院で治療を受けましたが、改善されないため、知り合いの紹介で発症後の三日目に当院に来られました。その時、右側の脇腹に強い痛みを感じ、治療のベッドに上がることも大変困難でした。
これに対して、強くこわばっている筋肉部に鍼とお灸(灸頭鍼)を実施し、関連する経絡のツボに鍼を刺して暫くそのまま休みました。そして、鍼を取り、スムーズにベッドから起きて動いてみたら、痛みはかなり緩和され、随分楽に歩けるようになりました。
このまま一日おきに三回治療した後、症状は消え、仕事に復帰しました。

このような筋肉痛は急性発症で、症状もかなり強いですが、診断と治療が適切に行われると症状の改善も早く、早期に回復できます。

ヘイセイ鍼灸治療院 甄立学

膝の手術後の鍼灸治療について

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今回は膝の手術後に対しての鍼灸治療のお話をしたいと思います。

この患者さんは膝に人工関節を入れるため手術を受けました。しかし手術後に腫れが出てきたので鍼灸での対応を行いました。


元々、別の症状でご来院されていたのですが、人工関節を入れて、長く歩けるようにするため手術を受ける決意をしました。当然、僕も応援する内容でしたし、リハビリが終わったら、再来院していただく予定でした。

しかし、手術後に腫れが出るのは解っていましたが、リハビリから3カ月ほど経ってもひかず、思ったより治りが遅く困っておられました。何か手立てが無いかということで、早く良くなるように鍼灸院に来院していただきました。

今回の治療としては、人工関節の部分は一切触らずに、その周囲から少し離れた4隅に灸頭鍼を行いました。温かさが感じられるまで灸頭鍼を行い、シンプルですがそれだけで様子をみました。

週1回のペースで、3回目の施術で腫れ、血色とてもよくなり歩きもスムーズになりました。患者さんも僕もとても喜んだのをおぼえています。

この経験は他の手術後の患者さんにも、良い効果が期待できるかもしれないですね。

鍼灸治療院 shima

慢性腰痛の鍼灸治験

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20歳代の女性が腰痛症状で来院されました。2か月前から前屈みの姿勢や長く座っていると腰仙部に電気が走るような痛みが現れ始め、症状が徐々に悪化し日常生活に支障が出るようになりました。また患者さんの自覚症状で手足の冷えは感じますが、その他はとくに症状はないとのことでした。冷え性もあったことで症状の改善が遅れたようです。

治療は局所の循環改善を目的に腎兪(じんゆ)、関元兪(かんげんゆ)、上仙穴(じょうせんけつ)に鍼灸を行い、経絡巡行を考え風府(ふうふ)、大杼(だいじょ)、委中穴(いちゅうけつ)に鍼を行いました。
1回の治療で電気の走るような痛みはなくなりましたが、軽い腰痛症状は残ったので、数回治療して症状はほとんど治まりました。患者さん自身の体力もあったので、比較的早く症状が改善してくれたように思います。

ヘイセイ鍼灸治療院 MK

片側顔面痙攣の鍼灸治験

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患者さんは60代の女性、「片側顔面痙攣」で令和2年1月末に当鍼灸院に訪れました。
1年前に発症、まず右眼の下方に痙攣が発生、その後次第に右顔面部全体に痙攣が広がりました。病院の眼科を受診し、脳のMRI検査を実施しましたが異常無しとのことでした。ボトックス療法(手足の拘縮などを和らげるA型ボツリヌス毒素を薄めたものを顔の筋肉に少量注射し、筋肉を麻痺させて痙攣を起こりにくくする治療法)を受けて3か月間は症状が緩和しましたが、その後再発。鍼灸治療を試してみたいと思い、当院に来られました。

片側顔面痙攣の原因に関して、現代医学の認識では、顔面の運動を司る「顔面神経」の付け根に血管が圧迫することが直接的な原因だと考えられています。また血管の圧迫を起こす原因は、ストレスや疲労などに関係があるといわれています。

漢方と鍼灸医学の理論から原因を分析してみると、筋痙攣は「肝風内動」の症状ですが、肝血虚や肝気鬱滞が「肝風」を生じる原因になっています。
肝血虚を起こす原因は様々ありますが、眼精疲労や睡眠不足などがあげられます。
一方、肝気鬱滞を起こす原因は、精神緊張などのストレスが多く関与していると考えられます。
このように比較してみると、現代医学の認識と鍼灸医学の認識とは部分的に一致しています。

ただ顔面部は主に陽明胃経が分布している区域であり、胃と脾は腑と臓の表裏関係なので、顔面部の痙攣が陽明胃経や太陰脾経にも関係していると鍼灸医学は考えています。
まとめて言えば、顔面痙攣に対する鍼灸医学の診断は「肝気鬱滞」、「肝脾不調」だと言います。

この患者さんの体質から言えば、既往歴に胆石の手術を受けた以外、特に問題はなかったそうです。事務仕事で、パソコン使用が多いので、目の疲れを感じます。顔の表情はやや硬いですが、精神的なストレスは特にないと訴えられました。

関連症状から「肝気鬱滞」、「肝脾不調」の証を立証できるものはあまりないので、治療は理論分析に基づいて行いました。

肝気鬱滞に対して、膻中(だんちゅう)、気海、期門、内関、肝兪などのツボを使い、肝脾不調のために足三里、三陰交、曲池、合谷、脾兪、胃兪などのツボを使いました。顔面の局部に人中、承漿(しょうしょう)、地倉、頬車(きょうしゃ)、下関、糸竹空(しちくくう)などのツボを使いました。

以上のツボを使って週1回程度の治療を始めてから、顔面の痙攣が次第に軽減し、4月の中旬まで計15回の治療が終わってから、痙攣の発作は殆どなくなりました。顔の表情も前よろ柔らかくなり、治療は一旦中止し、様子を見ることにしました。

これは漢方(鍼灸)医学の理論に基づいて治療を施した症例です。
原因判断が難しい時には、病症の特徴から理論分析を通じて治療方針を定めることもできます。

ヘイセイ鍼灸治療院 甄立学

光明

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寒い日が少なくなり、だんだん過ごしやすくなりつつありますが、皆さまは元気でお過ごしでしょうか。今回は「明るい」ツボの事を紹介したいと思います。

明るいと言ってもツボの名前が「光明(こうめい)」でして、このツボが光って見えるワケではありません。しかし、目の見え方が、光が射し明るく見えるようになる効果があるツボなのです。

さて、このツボがどこにあるのかというと、なんと足にあります。足で目に効果が出るなんて思いもしないですが、実際昔からよく使うツボなのです。以前のブログにも書いた気がしますが、今の春の時期には、肝症状が現れて目に影響が出てきます。乾燥したり痒くなったり、赤みが出たりすると目が見えにくくなり困りますよね。そんな時に「光明」が役に立つのです。他のツボとも合わせて施術しますが、春の目の症状は肝臓のツボが良い効果を期待できます。では、「光明」も肝臓のツボなのかというと、実はこのツボは肝臓のツボではありません。肝臓のツボと連絡を取り協力する事で効果を発揮してくれています。

この事により全身のツボが繋がっていて、協力しながら効果を発揮しているのがよくわかります。今の新型コロナウイルスもツボの効果のように、我々みんなで協力して乗り越えていきたいですね。1日でも早い光明があることを願います。

ヘイセイ鍼灸治療院 shima

 

舌痛症(ぜっつうしょう)の鍼灸治験

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舌の痛み を訴えた50歳台の女性が来院されました。
1年前に喉のつまり感が現れ、舌の左側にピリピリと痛みが走るようになりました。症状が現れる頃から、環境が変わり常に気が張った状態で寝ても疲れが取れないなど慢性的な疲労感やストレスもあったそうです。既往歴で、10年前に左顔面麻痺を罹ったことがあり今も軽度の麻痺が残っています。また子供のころから胃が弱かったそうです。舌質は淡紅色で、舌体には白苔があり、脈は弱く、腹部は全体的にガス音が強いので、この患者さんの体質は「脾気虚」と「気滞」があると考えました。

漢方医学の理論では、体内の気血が滞りなく運行することで体の健康状態を維持していると考えます。舌は五臓六腑の栄養を受けており、とくに血絡が豊富で、血脈を主る「心」と気血生化の源である「脾胃」が密接に関係しているので、臓腑・気血の病変が舌に反映されます。また「心」は精神活動を担っている臓器でもあるので、過度なストレスが「心」に影響を与えることもあります。
この患者さんの場合は、脾胃が弱く気血の生成が不十分で、長期的なストレスにより気の運行が滞って舌を栄養できず、もともと麻痺が残っていた左側の気血循環の弱いところに症状が現れたと考えました。

これに対して、膻中、期門、中脘、天枢、気海、足三里、地機、豊隆、合谷、胃兪、脾兪、心兪などのツボで、脾胃の機能を改善し、気の巡りを促すようにしました。
施術を開始して数回ではあまり効果は現れませんでしたが、週1回の施術で1か月経つ頃には症状に変化が現れ、半年経つ頃には症状がない日も増えてきました。ただストレスを強く感じる時は違和感が現れることもありますが、現在も治療を続けてくれています

ヘイセイ鍼灸治療院 MK

ヘイセイ鍼灸治療院 電話:086-427-6688

高齢者の耳鳴りと難聴の鍼灸治験

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72歳の女性方で、半年前から両側の耳鳴り、難聴が同時に発生し、耳鼻科にかかりましたが、「特に治療法はない」と言われたため、当鍼灸院に相談に来られました。

この患者さんの体質状況はかなり複雑でした。以前に甲状腺ガンで手術を受けておられ、現在は慢性甲状腺炎があり、甲状腺のホルモン剤を服用しています。さらに緑内障、蕁麻疹、胃の不調などの慢性疾患もあります。

所見では、舌体はやや大きく、縁に歯痕があり、舌質は淡紅、苔は薄白潤、脈は緊、胃脘部に抵抗が強いことがわかりました。
患者は高齢であると同時に、複数の慢性疾患があり、体質は非常に複雑です。舌と脈から「中焦痰飲」の証が見られ、かつ中焦(脾胃)は気血生化の源であり、後天の元ですから、まず中焦の機能を改善することを目指しました。

これに対して、中脘、天枢、陰交、曲池、下廉、内関、合谷、足三里、陰陵泉、三陰交、瞳子髎、聴宮のなどのツボを取って鍼灸の施術を実施しました。
初診から週1回のペースで治療し始めてから3か月後に、耳鳴りの音がかなり小さくなり、聴力も改善されました。「運転中にウインカーの音が聞きとれなかったが、今は聞こえるようになった」とのことでした。

高齢者の耳鳴りと難聴は難治性のパタン―が多く、現代医学では主に神経系の問題として考えられていますが、漢方(鍼灸)医学では、主に臓腑陰陽の虚実と経絡気血の通滞、内外邪気の有無から体質状況(証)を判断し、治療します。

耳は五臓の腎に属しますが、経絡循行では手足の少陽経とのつながりが密接であります。故に耳鳴りと難聴などの症状を一般的に「腎経と少陽経の問題」として治療します。

一方、「頭痛耳鳴、九竅不利、腸胃之所生也」という古典の記載があります。これは「耳鳴りは胃腸(陽明経)の問題により起こるものもある」ということです。
以上の理論を踏まえて、この患者さんは、「中焦痰飲」の証を呈していますから、手足陽明経のツボを中心にして治療を行いました。

もちろん、患者さんは高齢なので、「肝腎不足」の問題もありますが、まず気血生化の源の「脾胃」の問題を改善してから、肝腎の問題を治療しようとしていましたが、幸い、中焦(脾胃)の問題を治療しているうちに、症状は改善されたので、あえて肝腎のツボをあまり取りませんでした。

ヘイセイ鍼灸治療院 甄 立学

ヘイセイ鍼灸治療院 電話:086-427-6688

明けましておめでとうございます

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明けましておめでとうございます。新年初鍼灸院のブログになります。今年も読まれている方が楽しめる内容の記事を心掛けていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

さて、年末年始たくさん食べ過ぎてお腹が苦しい。そんな方が多いのではないでしょうか。僕もその一人で、毎年気をつけようと思ってもついつい欲望に負けてしまいます。すると、身体に起こるのが、消化不良や倦怠感です。これに対して有効なツボがありますのでご紹介しましょう。

 まず、有名なのが足三里(あしさんり)です。胃腸の症状に効果抜群、万能のツボです。自分でも刺激しやすいツボですし、おススメです!!疲労回復、お腹の張り、痛み、代謝アップなどにも効きますから、お腹の症状に足三里!!ちなみに、僕は毎日このツボを使って施術しています。

次に中脘(ちゅうかん)です。お臍とみぞおちの間、丁度胃の辺りに存在するツボです。

こちらも、胃のツボで胃腸症状に大変よく効きます。更に水分代謝やガスの代謝にもよく効きますので、むくみや、ポッコリ腹にも使えます。なかなか自分では出来ないかもしれませんが、お灸が良く効きます。ですから、興味がある方は、ヘイセイ鍼灸院でお灸を受けてみるのが良いと思います!!火傷しない優しいお灸を使いますので安心ですよ。

最後に、他にもたくさん胃腸に関するツボはあります。他にも知りたい方や、今回紹介したツボを詳しく教えて欲しい方は、ヘイセイ鍼灸治療院までご連絡ください!!それでは、お腹の調子を整えて、今年も一年頑張りましょう!!

ヘイセイ鍼灸治療院 shima

下肢のしびれの鍼灸治験

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下肢のしびれを訴える60歳代の女性が来院されました。症状は半年前から、当時はしびれと電気が走るような痛みで歩けなくなりました。整形外科で撮ったレントゲン、MRIなどには異常はなく、整 骨院で施術を受けて痛みは落ち着き歩けるようになりましたが、下肢のしびれは残りました。歩いていても座っていてもチクチク刺すようなしびれがあり、最近では寝ていてもしびれ出すので、ゆっくり休むこともできないという状態でした。

体質判断の情報として、腰臀部に筋緊張、腹部と下肢は冷えがあり、舌は大きく舌色は青く白苔があることから『寒湿停滞』の体質であると判断しました。
下肢のしびれは腰部からの神経症状だと考えますが、この患者さんの場合は腰臀部の筋緊張で神経症状が現れ、さらに冷えと水分の停滞により腰下肢の血行不良が起こり症状の悪化を招いていると考えました。

治療は、腰部の血行改善を目的に腰陽関(こしようかん)、腎兪、次髎、委中、飛陽、陽陵泉、絶骨(ぜっこつ)などのツボを使い、冷えの改善に陰交、関元、三陰交、水湿の改善に水分、天枢、復溜(ふくりゅう)、陰陵泉などのツボに鍼と温灸をしました。

症状の変化はゆっくりでしたが、治療を始めて数回で、夜が眠りやすくなったと教えてくれました。姿勢によって症状は現れますが以前よりもしびれの強さも軽減していき、5か月後には安定し、発症してからは諦めていた旅行にも行けるようになったと喜んでくれました。

 

鍼灸院 MK

多発性硬化症に鍼灸の挑戦

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最近、50代の男性患者が腹筋のこわばり、右下肢の動きが鈍い、筋肉の引きつりなどの症状で当鍼灸院に訪れました。
詳しく聞いてみたら、20年前に過労の末、多発性硬化症に罹り、今でも治療し続けており、5年前に下腹部の筋肉のこわばりが現れ、2年前から更に右足の筋緊張、膝周りの拘縮、下腿筋肉の痙攣、歩行しづらいなどの症状が現れました。
担当医がこれらの症状はすべて多発性硬化症の関連症状だと考えられているそうです。

多発性硬化症(たはつせいこうかしょう)とは中枢性脱髄疾患の一つで、神経のミエリン鞘が破壊され脳、脊髄、視神経などに病変が起こり、多様な神経症状が再発と寛解を繰り返す疾患で、日本では特定疾患に認定されている指定難病であり、完治はできない病気だと考えられています。

神経系の難病である多発性硬化症の鍼灸治療は、私にとって初めての症例です。
どこまで効果が得られるか、まったく検討はできません。かつ、この患者さんは当院に来られる前にすでに他の鍼灸院で治療を受けていましたが、効果は得られなかったそうです。
幸い、患者さんは自分の病状に対して十分に理解しており、治ることを考えておらず、ただ症状の緩和や進行の緩和を少し助けることが出来れば良いと言われました。それならば、挑戦してみるしかないと私は思いました。

漢方医学の理論からでは、肉の病気は脾に関与し、筋の病気は肝に関与します。
この患者さんは神経系の病気ですか、症状は筋と肉に現れているから、肝と脾に問題があると考えられます。
さらに筋肉の拘縮は湿の邪気によるものが多く、慢性的な筋肉の痙攣は血虚によるものが多い。
湿は脾の運化によって代謝され、血は肝に蓄えるから、症状の表現からでも、脾と肝の関連が強いと考えられます。
また、患者さんの舌体はやや大きく、苔は白膩(はきぎ)、脈は緩、顔色は黄などの症候から、脾の機能が弱く、湿の停滞があると見られます。
総合的に見れば、この患者さんは「肝脾不足、血虚湿滞」という体質だと考えられます。

この判断に基づいて、肝脾の機能を改善し、血を補い、湿の代謝を促すために、厥陰経と少陽経、太陰経と陽明経のツボを取って治療し始めました。
一回目治療した後、腹部のこわばりの範囲が縮小し、下肢の痙攣が軽減し、歩行しやすくなりました。
さらに2回治療した後、久しぶりにゴルフを楽しくできました。筋肉の痙攣やこわばりがまたありますが、いずれも軽減する傾向が見られました。

この神経系の難病に初めて挑戦する私は、早く効果が見られたことに患者さんよりも喜んでいるかもしれません。今、また治療を継続しており、今後の進行状況に予測しにくいですが、医療関係者として、少し患者さんに希望を与えることが出来れば、努力し続けて行きたいと存じます。

ヘイセイ鍼灸治療院  甄立学