カテゴリー別アーカイブ: 薬剤部

インフルエンザについて

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11月に突入し、本格的に冬が近づきますます肌寒くなってきました。みなさん体調管理はしっかりできているでしょうか。今回は、毎年秋から冬にかけて流行を迎えるインフルエンザについてお話します。

一般的な風邪は1年を通してみられますが、インフルエンザは季節性を示し、日本では例年11~12月頃に流行が始まり、1~3月にピークを迎えます。一般的な風邪は様々なウイルスによって起こり、その多くはのどの痛み、鼻汁、くしゃみや咳などの症状が中心で、全身症状はあまり見られません。発熱もインフルエンザほど高くなく、重症化することはあまりありません。一方、インフルエンザはインフルエンザウイルスに感染することによって起こり、高熱を伴って急激に発症し、頭痛、関節痛、筋肉痛、全身倦怠感、食欲不振など全身症状が現れます。併せて一般的な風邪と同じように、のどの痛み、鼻汁、咳などの症状も見られます。お子様ではまれに急性脳症を発症し、ご高齢の方や免疫力の低下している方では肺炎を伴うなど、重症化することがあります。

2018年、インフルエンザ治療薬として8年ぶりに「ゾフルーザ」という薬が新しく発売されました。従来の「タミフル」、「イナビル」、「ラピアクタ」といったインフルエンザ治療薬は、細胞内で増殖したウイルスが細胞外に広がるのを防ぐことで効果を示します。一方、「ゾフルーザ」は細胞内でウイルス自体の増殖を抑制することで効果を示し、1回服用するだけで治療が完了するなど、これまでのインフルエンザ治療薬とは異なる作用を有しているのが特徴です。

当院では、10月上旬からインフルエンザの予防接種が開始となりました。ワクチンを接種して抗体ができるまでは2週間ほどかかり、一度できた抗体による免疫の持続期間は5ヶ月ほどです。インフルエンザは、咳やくしゃみによる飛沫や接触によってウイルスが体内に侵入することで起こります。ワクチンによる抗体でウイルスの侵入そのものを阻止できるわけではないため、感染を完全に防ぐことは出来ません。しかし、重症化を抑え、比較的軽症で回復することが期待できるため、ワクチンを接種しておくことは大いに意味のあることです。 特にご高齢の方や基礎疾患をお持ちの方は、流行する前に毎年受けることを推奨します。

今年もあと2ヶ月となり今後ますます寒い季節となりますが、普段から十分な栄養、睡眠をとり免疫力を高めておくことが大切です。手洗い・マスク着用を基本とし、しっかりと予防を心がけましょう。

薬剤部 KF

便秘薬「酸化マグネシウム」について

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こんにちは、10月も終わりに近づいてきました。朝晩寒くなってきましたが体調は崩されていないでしょうか。

さて、“○○の秋”と聞くと、読書の秋や食欲の秋など様々なものが思い浮かびますよね。みなさんは今年の秋はどのような秋を過ごされていますか?“
○○の秋”で一番に思い浮かぶのは食欲の秋ですね。味覚の秋。秋の食材には、たくさん美味しいものがあります。
しかし、便秘だと美味しいものもたくさん楽しめませんよね。
そこで今回は、テレビCMでもよく見かける便秘薬「酸化マグネシウム」についてお話ししたいと思います。

便秘解消には水分摂取、食物繊維や発酵食品を取り入れた食事、運動などが大切だとされていますが、それでも解消できない場合に便秘薬を服用されている方も多いと思います。
「酸化マグネシウム」は、腸内に水分を引き寄せ、硬くなってしまっている便を軟らかくします。
水分を吸収するため、便のかさが増大しその刺激により腸の運動が活発になり排便を促します。腸を直接刺激する刺激性便秘薬とは異なり、習慣性が少ないことも特徴です。
水分を吸収するため、「酸化マグネシウム」はコップ一杯の水で飲むようにし、こまめに水分摂取を心掛けてください。

比較的安全性の高い薬として「酸化マグネシウム」は昭和25年から広く使用されています。お近くの薬局やドラッグストアでも簡単に購入できるようになりました。
しかし、「酸化マグネシウム」は医薬品です。特に病院で腎臓が悪いと言われた方、高齢者の方、病院で「マグミット」や「酸化マグネシウム」を処方されている方は、注意が必要です。
個人の体質や間違った飲み方により高マグネシウム血症など副作用が起きることがあります。
高マグネシウム血症の初期症状として吐き気・嘔吐、口渇、血圧低下、徐脈などがあります。また、他のお薬との相互作用もあります。

便秘に悩まれている方、市販の「酸化マグネシウム」を飲まれている方は今飲んでいるお薬との相性なども確認させていただきますので、ぜひ医師や薬剤師にご相談ください。

 

薬剤部 MN

倉敷平成病院 市川薬剤部部長のコラムが週刊薬事新報(9月26日号:第3116号)に掲載されました。

 

出会いと運に恵まれて

社会医療法人全仁会倉敷平成病院 市川 大介

私は「出会いと運に恵まれている」と強く感じます。鳥取県立倉吉東高校時代は,足羽英樹監督に率いられて2 度の甲子園出場を果たしました。初出場の時は,部員16名の最弱チームという下馬評を覆して2 勝を挙げる快挙でした。私はベンチ控えで出場機会はありませんでしたが,監督やチームメイトに恵まれて運が良かったのだと思います。3 年間の厳しい部活をやり遂げたことは大きな自信です。足羽監督から伝えられた「素直に,謙虚に,常に挑戦者であれ」というチームの教訓で,いつも周囲の人々に支えられているという謙虚さをないがしろにしないよう心掛けています。
岡山大学薬学部に推薦入試で運よく進学し,土屋友房教授に巡り合いました。土屋先生には1 年生の時からサークル活動などでお世話になり,教室員でもないのにゼミ旅行にも同行させていただきました。
土屋先生が推薦入試導入を主導されたことは後で知りました。4 年生の時には,土屋先生の「微生物薬品化学教室」への配属を希望し,津田正明助教授のもとで,遺伝子発現を足掛かりにした神経機能の解明に関する研究に取り組みました。修士課程を含めた3 年間,良き先輩や同僚にも囲まれて,研究の厳しさと楽しさを学びながら研鑽を積みました。土屋先生は,「余計な枝葉を切り落として幹を見極めなさい」という教えで,卒業生に毎年「ハサミ」を贈られる慣習がありました。研究だけでなく,管理職としての日常の業務でも,どこが重要かを考える努力をしています。
その後,万有製薬つくば研究所に就職し,ノシセプチン受容体(ORL1)の低分子アンタゴニストを最初に報告した尾崎諭司さんに出会い,一緒に研究プロジェクトに関わる機会に恵まれました。研究所には憧れる優秀な上司や先輩もたくさんおられ,チームで協力して目標に挑戦するという経験をしました。ある日の面談で,尾崎さんから「他部署との調整が上手い」と褒められたのが,今でも自分の励みになっています。現在は,倉敷平成病院で薬剤部長として働く日々ですが,様々な専門職が働く病院という組織でも力を発揮できるよう努めています。今後も,これまでに出会った方々との縁を大切にし,その背中を追いつつ,教えを実践していきたいと思います。

 

この度、当院の市川大介薬剤部長のコラムが、週刊薬事新報(9月26日号:第3116号)の35ページ「人と人」に掲載されましたのでご紹介いたします。
当院の薬剤部は女性が多いのですが(女性比率85%)、笑顔が絶えない雰囲気になのは、きっと市川部長の人柄によるところも多いのだなぁと感じずにはいられませんでした。

秘書広報課

 

夏バテって夏が終わってからくることもあります

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今年の夏も非常に暑い日が続きました。少し涼しくなってきましたが、まだ蒸し暑い日が続きそうです。体調を崩された方もなんとか乗り越えられた方もいらっしゃると思います。ぜひ、みなさま、9月中も夏バテに気をつけていただきたいです。そこで、漢方の考え方を用いながら夏バテについて解説したいと思います。

夏になると、私たちの体は「暑い夏を乗りきろう!」と張りきり、体全体を元気に動かすパワー「気」をたくさん消費します。とても暑い日が続くと、「気」を消費しすぎて不足し、気虚(ききょ)という状態になります。なんとなく調子が悪い、元気が出ない・・・そんな状態の時が気虚であり、だんだん食欲も減ってきます。これは「気」が不足して胃腸を十分に動かす元気もなくなっているからです。夏バテの方は気虚という状態になっています。食欲が出ずご飯が食べられない日が続くと、栄養分が不足します。すると、血を十分に作れなくなるので血が不足し、血虚(けっきょ)という状態になります。血虚は血が少なくなった状態で、貧血(血液が薄くなった状態)よりも広い意味を持っています。血虚になると体の様々な部位に症状が現れます。例えば、顔色が悪い、髪につやがない、めまいや動悸、不安や不眠、疲れ目などがあります。

そして、暑い日は汗をかき、のどが渇きます。水分をこまめに取らないと、体中の水分が不足します。すると、血の水分も減り、血がドロドロとして流れが悪く滞る瘀血(おけつ)という状態になります。瘀血でも体の様々な部位に症状が現れます。例えば、肩こり、頭痛、胸が苦しい、ひどい生理痛、顔のくすみなどがあります。夏が終わると気温が下がってきて、涼しく感じるようになります。じつは、その涼しさによって全身の血管がほんのわずかに収縮します。暑い夏を過ごした方で瘀血の状態になっている方は、このわずかな血管収縮によって血栓(血の塊)が血管に詰まってしまう恐れがあります。

ですから、9月中も夏バテに気をつけていただきたいです。ぜひ、食事と水分をほどよく取って健康で過ごし、寒く乾燥した冬に備えましょう。

薬剤部 KK

来年の春は快適にお花見!今から始める「花粉症治療」

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こんにちは、暑い日が続いていますがみなさんいかがお過ごしでしょうか。
冷たいものが美味しくなってきました。日中の水分補給はしっかりとして熱中症対策に努めましょう。

さて、今回は春の花粉症を少しでも軽くするために今から始めるお薬のお話です。「今から花粉症治療?」と思われる方も多いと思いますが、この治療はスギ花粉が飛んでいない時期に治療を開始します。これを「免疫療法」といいます。
そもそもアレルギーとは、抗原(アレルゲン)が体に入って過剰に反応することです。その抗原にダニ、スギなどがあります。その抗原を少量から体内に投与して体を慣れさせる(体質改善)のが「免疫療法」になります。以前は注射でされていましたが、近年、ダニとスギに対して口腔内(舌下)に投与することが可能になり、病院でなく、自宅で服用できるようになりました。
この治療方法はスギあるいはダニによるアレルギー症状を治したり(根治)、症状を抑える可能性のある治療法です。しかし実施するにあたりご理解していただく点が6つあります。
① 長期間(3~5年)に渡って行う治療です。
② 即効性はありません。根気強く続ける必要があります。
③ 長期間頑張っても全員に効果が出る訳ではありません。
④ スギ、ダニに対しての治療です。その他の抗原に対するアレルギーには効果は期待できません。
⑤ 抗原を投与するので局所や全身にアレルギー反応が生じることがあります。
⑥ 1ヶ月に1回の受診が必要になります。

正しく治療が行われると、初めてのスギ花粉飛散シーズンから効果が期待され、年単位で継続することでより効果が得られると報告されています。くしゃみ、鼻水、鼻づまり、涙目、目のかゆみの改善、アレルギー治療薬の減量、生活の質(QOL)の改善が期待できます。
2020年、オリンピック前に花粉症を気にせずお花見が楽しめるかもしれません。気になる方は、舌下免疫療法を検討してみてください。

参考:よくわかるスギ花粉症の舌下免疫療法(鳥居薬品株式会社)

薬剤部 MM

くすりができるまで

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『3万分の1』
この数字が何を意味しているか分かりますか?

この数字は創薬(=新しい薬をつくる)の成功確率を意味しています。
つまり、薬の候補となる3万個の新しい化合物のうち、実際に薬として世に出るのはたった1個ということです。

そして、このたった1つの薬の誕生には9~17年といった膨大な時間と、200~300億円といった膨大な費用がかかると言われています。

長い歳月と莫大な費用がかかり、やっと新しい薬が誕生しても、ここで終わりではありません。
薬が世の中に出た後も、実際に患者さんに使用される中で生じた副作用などの情報収集を長期にわたって行い、より安全な使用方法が追求されていきます。

このように、薬をより安全で効果があり、使いやすいものへと育てていく過程を「育薬」と呼びます。
育薬の主役は患者さんです。
薬の量や飲むタイミング・決められた使用方法を守って服用すること、副作用が現れた場合の報告や効き目に関する意見などを医師・薬剤師に伝えることも育薬につながります。
生まれた子供を大切に育て、未来の可能性を切り開くように、新しく誕生した薬を大切に育て、より患者さんの治療に役立てていくために、皆さんのご協力よろしくお願いします。

 

<くすりができるまでの流れ>
① 基礎研究(2~3年):将来くすりとなる可能性のある新しい物質(成分)の発見や、科学的に作り出すための研究を行い、候補物質のスクリーニングを行います。
② 非臨床試験(3~5年):薬物の有効性や安全性を確認するため、毒性や薬物の動態、薬効等の生物学的試験研究を、動物を用いて行います。
③ 臨床試験(3~7年):薬物の人での有効性と安全性について試験を行います。この試験を「治験」といい、通常「第Ⅰ相試験」、「第Ⅱ相試験」、「第Ⅲ相試験」の3ステップで進められます。
④ 承認申請・製造販売(1~2年):医薬品医療機器総合機構にて、承認審査が実施され新薬の有効性や安全性が確認されると、製造・販売が許可されます。
⑤ 製造販売後調査(6ヶ月~10年):治験では得ることのできない日常診療下での医薬品の有効性や安全性を確認するため、適正使用についての調査や試験が行われます。

参考:製薬協ホームページ日本SMO協会ホームページ

薬剤師 N.H

芸術作品

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私事ですが、先日、念願だった鳥取砂丘へ行ってきました。
とても風が強い日で、砂がサラサラと舞っていました。

近くにある、砂の美術館にも行きました。
素材が砂であるとは思えないような、繊細な彫刻作品たちが展示されていました。あんなにサラサラしていた砂が、固められ、整形され、芸術になっている・・・

そう、薬も同じです。
最もメジャーな剤形である錠剤。今回は、製錠についてのお話です。

製錠法はいくつかありますが、最も一般的に用いられている、湿式顆粒圧縮法という方法について紹介します。
① まず、原料粉末を粉砕して大きさを揃え、整粒して形を揃えます。すると、サラサラとした粉薬である散剤となります。
② 次に、賦形剤(扱いやすくするもの)や崩壊剤(有効成分の放出を助けるもの)、結合剤(接着させるもの)など必要ものを添加したり、混ぜたり練ったりした後に、乾燥させ、形を整えます。すると、粒状の顆粒剤となります。
③ さらに滑沢剤(流動性や滑沢性を与えるもの)を加えたものを混ぜ合わせ、打錠(一定の形状に圧縮する操作)を行うと、待望の錠剤の出来上がりとなります。

しかし、ここで終わりではありません。お手持ちの薬があれば見ていただきたいのですが、表面がツルツルしていたり、マークや薬の名前が書いてあったりしませんか。
薬をコーティングすることで、においや味の改善、見た目の改善、薬の成分の保護、薬の効果時間の調節など、いろいろな働きを与えることができます。
また、薬に施されているマークや名前のことを印字と言いますが、印字は、その薬が何なのかを教えてくれます。

たくさんの知恵が詰まったその一粒、ぜひ薬効も思い返しながら、正しく飲んでくださいね。

 

薬剤部 P

世界高血圧デー

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みなさん本日の血圧はいくらだったでしょうか?
また、日頃自分がどのくらいの血圧で過ごせているご存知ですか?

5月17日は「世界高血圧デー」です。このブログをご覧のみなさん、本日の血圧を測定してみましょう。

高血圧(140/90 mmHg以上)は、日本人の三大死因のうちの二大疾患である脳卒中や心臓病など、生命に関わる病気を引き起こす最も主要な原因となっています。しかし、高血圧はサイレント・キラーと呼ばれるように、自覚症状がないために、現在、日本に約4,000万人と推定されている高血圧患者のうち実際に治療を受けているのはわずか2割の約800万人といわれています。

日本高血圧学会の松岡博昭理事長(獨協医科大学循環器内科教授)は、今回の「高血圧の日」制定について、「高血圧が脳卒中などの重篤な疾患を引き起こすことについて、一般の方の認知が極めて低いことに危機感を覚えています。5月17日は我々も加盟している 世界高血圧リーグが制定した世界高血圧デーです。日本でも同じ日を『高血圧の日』と定め、学会としても日本高血圧協会とともに、各方面の協力を得ながら、一般の方への啓発活動を積極的に進めていきたいと思います。そして、少しでも血圧に不安を感じた方が、医師に相談をしていただけるようになることを期待しています」と述べています。
(日本高血圧学会 一般のみなさまへの情報より)

2019年4月に、高血圧治療ガイドラインが5年ぶりに改訂されました。新しいガイドラインで示された高血圧の基準値は従来通り、診察室血圧が140/90mmHgで、家庭血圧が135/85mmHg。正常高値血圧(120~129/80mmHg未満)以上のすべての者は、生活習慣の修正が必要で、高リスクの高値血圧者および高血圧者(140/90mmHg以上)では、生活習慣の修正を積極的に行い、必要に応じて降圧薬治療を開始することが推奨されました。降圧目標は、診察室血圧が130/80mmHgで、家庭血圧が125/75mmHg。糖尿病患者、CKD患者(蛋白尿陽性)、抗血栓薬服用中の患者などの降圧目標も、従来通り130/80mmHg未満(家庭血圧は125/75mmHg未満)になりました。ただし、75歳以上の高齢者の降圧目標は140/90mmHg未満とより強化され、さらに併存疾患などによって降圧目標が130/80mmHg未満とされる場合、75歳以上でも忍容性があれば個別に判断して130/80mmHg未満への降圧を目指します。

 

前述でも述べたように高血圧は自覚症状があまりありません。そのため日々の生活習慣の見直しや、血圧測定をこころがけ、合併症の予防に繋げていきましょう。

血圧が基準値になると安心して服用するのを忘れてしまいがちですが、医師に定められた量を毎日服用することが大事なので自己判断で中断せずに気になることがあれば医師や薬剤師に相談してください。

薬剤師 AAA

授乳と薬

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授乳中に薬を服用するのは赤ちゃんへの影響が心配だから授乳をあきらめた方がいい?それとも薬を服用するのを我慢した方がいい?悩むお母さんも多いかもしれません。しかし、実は薬を服用しながら授乳できる場合も多くあります。

薬の母乳移行について
お母さんが服用した薬は、母乳中に分泌され、それを飲むことで赤ちゃんに移行します。しかし、多くの場合、ごくわずかしか移行しないため、赤ちゃんに影響を及ぼす可能性は少ないと考えられます。一部、抗がん剤や放射性ヨウ素、抗不整脈薬、抗てんかん薬、抗うつ薬、抗不安薬、医療用麻薬などに、授乳中には使用できないものや、授乳中の使用を慎重に検討すべきものがありますが、多くの薬は心配することなく使うことができると考えられます。

母乳栄養のメリット
母乳は、感染症を予防するための免疫成分や、神経の発達を促す成分など、赤ちゃんの成長や健康を促進するために大切な成分が多く含まれており、赤ちゃんにとって最高の栄養源といえます。また、授乳することによって子宮収縮を促し、お母さんの乳がんや卵巣がんの発症リスクの減少や糖尿病などの予防につながることもわかってきています。母乳は一度やめてしまうと、お母さんのホルモンの状態が変化し、再開することが困難な場合もあるので、可能であれば続けておきたいです。

お母さんが健康であることが赤ちゃんのためにも大事
「母乳を続けるためにつらい症状を我慢して薬を服用しない方がいい」と考える方もいるかもしれませんが、お母さんが治療をせず放置し、病状が悪化してはただでさえ大変な子育てができなくなってしまいます。お薬を飲んでお母さんの体調を安定させることが、赤ちゃんの健康にもつながることもあります。

以上のことから、一人一人のお母さんの病状や薬の選択肢を考え、できるだけ母乳を続けたまま治療ができる方法を選択することが推奨されています。授乳中に薬の服用が必要になった場合は、自己判断せず、まずは医師・薬剤師に相談してください。国立成育医療研究センターの「妊娠と薬情報センター」のホームページでは、「授乳中に安全に使用できると思われる薬(99種類)」と「授乳中の治療に適さないと判断される薬(4種類)」、授乳中のお薬についてのQ&Aが公開されています。ぜひこちらも参考にしてみてくださいね。

薬剤師 こだ

GI療法について

カテゴリー: 糖尿病療養指導士, 薬剤部 | 投稿日: | 投稿者:

みなさんGI療法をご存知ですか?知らない方も多くおられるかと思いますが、GI療法はグルコース・インスリン療法の略です。グルコース・インスリン療法と聞くと、血糖を下げるような治療法を想像しますが、実はそうではありません。インスリンの働きを利用してカリウム値を下げる治療です。

なぜカリウムが関係あるの?と疑問に思う方も多くおられるかもしれないので、本日はGI療法について少しでも知って頂けたらと思います。

まずカリウム値が高くなるとどのような症状が起こるのでしょうか。血液中のカリウム値が5.5mEq/Lを上回ると高カリウム血症といわれます。症状としては、吐き気、筋力低下、頻脈、不整脈などが起こります。そして極めてカリウム値が高くなると心停止を起こす可能性もあります。そのためカリウム値が高値の患者さんはカリウム値を下げる治療を行います。その一つがGI療法です。

ではインスリンとカリウムの関係性について説明します。インスリンは血中のブドウ糖を細胞内に取り込むことによって血糖値を下げる働きがあります。そして、ブドウ糖が細胞内に取り込まれる過程にあたり、血中のカリウムもチャネルを介して細胞内に取り込まれているのです。そのためインスリンを投与することで、血中のカリウムが減少するといった現象がおこります。

ただ、この治療をする際は血糖値に十分注意が必要です。GI療法はインスリンを使用しカリウム値を下げる治療法ですが、血糖値が正常な患者さんにももちろん行われる治療法であり、低血糖症状が起こらないようにブドウ糖の補充が必要になります。そのため、GI療法を行っている患者さんに対しては随時カリウム値と血糖値をモニタリングし安全な治療が行えるように勤めています。

糖尿病でもないのにインスリンが投与されている。それはブドウ糖と一緒であればもしかするとGI療法かもしれません。飲んでいる薬や投与されている点滴が何か知ることはとても大事な事です。何か不明なことがあれば遠慮なくスタッフへご相談下さい。

糖尿病療養指導士 薬剤部 AAA