カテゴリー別アーカイブ: 薬剤部

手術の前に服薬をお休みする可能性のある薬剤

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お薬の中には手術の前に服薬をお休みする可能性のあるものがあります。
血液をサラサラにする作用のあるお薬や、血栓のリスクのあるものなどが対象となります。
実際に手術の前にその薬を中止するかどうか、中止する場合いつから中止するのかは、それぞれの患者さんの状態に合わせて個々に医師が決定します。
手術を安全に受けていただくために大事なことは、手術の際に中止を検討する薬を服用しているかどうか、患者さんご自身が日ごろから把握しておくことです。対象のお薬を服用しているかどうかかかりつけ薬剤師と一緒に確認して、手術が決まったら手術を予定している医療機関の医師に伝えられるようにしおきましょう。

倉敷市内の保険薬局では、『手術・検査前に要チェック!お薬お知らせカード(休薬確認カード)』の配布が始まっています。手術が決まったら、お薬手帳と一緒にこのお薬お知らせカードも医療機関に持参し、医師や薬剤師に確認してもらいましょう。

薬剤部 こだ

真夏以外でも紫外線対策を

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5月に入り、初夏の風が吹く季節となりました。紫外線の量は5月から急激に増え始めるそうです。紫外線は1年中降り注いでおり、真夏以外でも紫外線対策は必須です。

日焼け止めに使用されている紫外線防止成分には、大きく分けて「紫外線吸収剤」と「紫外線散乱剤」があります。
紫外線吸収剤」とは・・・紫外線を熱エネルギーに変えて放出する成分です。無色透明なので白浮きがなく、製品に配合したときの塗り心地もなめらかです。人によっては肌に刺激を感じることもあります。
紫外線散乱剤」とは・・・肌を均一に覆って紫外線を肌表面で反射、散乱させて紫外線の影響を防ぎます。肌への刺激は少ないですが、白浮きしやすい、べたつきやすいといったデメリットがあります。

紫外線吸収剤として使われている成分:
メトキシケイヒ酸オクチル
ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸オクチル
ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル
t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン
オクチルトリアゾン
パラメトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル など

紫外線散乱剤として使われている成分:
酸化チタン
酸化亜鉛 など

日焼け止めには吸収剤のみが入っているもの、散乱剤のみが入っているもの、両方入っているものがあります。両方入っていれば紫外線のブロック率も高くなりますが、敏感肌や乾燥肌の方は刺激が少ないものを選ぶことが大切です。

薬剤部 KF

 

スーパーミラー

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先日、録画していた映画を見ました。
少女が、なりたいものに変身できる鏡を手に入れるお話でした。少女は大人になって、慣れないヒールを履いて、躓いて、大きく飛んで転んでしまいました。映画だったので、「いたーい!」で済みましたが、現実はそうはいきません。捻挫や骨折をしていたかもしれません。

このような痛みに対して、内服薬としては、主に以下のような鎮痛薬が使用されます。

・非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)…ロキソニン、セレコックスなど
末梢で、シクロオキシゲナーゼ(COX)を阻害して、発痛増強物質のプロスタグランジンの生合成を抑制したり、発痛物質のブラジキニンの感受性を低下させたりして、鎮痛効果をもたらします。ただし、プロスタグランジンには胃粘膜保護作用もあるため、胃腸障害などの副作用に注意が必要です。

・アセトアミノフェン製剤…カロナールなど
中枢へ働きかけて鎮痛効果をもたらすと考えられています。NSAIDsよりも胃腸障害や腎障害の副作用が少なく、NSAIDsが使用しにくい患者さんへも適しています。

・オピオイド鎮痛薬…トラマール、ワントラムなど
中枢神経内に広く分布しているオピオイド受容体に結合して、痛みの刺激が伝わるのを抑制します。慢性疼痛などに使用します。吐き気、眠気、便秘などが起こる可能性があるため注意が必要です。吐き気や便秘を予防する薬を一緒に使用することもあります。

映画の中で、少女はなりたい大人について考えます。自分はあの頃どんな大人になりたかったのか。そんなことを考えながら、今日も働いてきます!

薬剤部 P

第43回 高齢者のお薬を考える会 発表報告

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2022年3月3日(木)、20時15分~21時、第43回高齢者のお薬を考える会で発表を行いました。

「多職種連携による内服薬整理とアドヒアランス改善」という演題で、倉敷ニューロモジュレーションセンターや病棟での患者さんとの関わり方について紹介しました。当院では多職種連携を積極的に行っており、患者さんやその家族、介護者の困っていることに寄り添いながらその解決に努めております。今回の連携では、お薬と介護サービスの調整を行い、処方通り服薬することの重要性を介護者に共有したことで、退院後のアドヒアランス改善につながりました。

今回の発表は貴重な経験となり、今後の業務の励みとなりました。他施設の方々から、当院で行われている多職種連携について知ることができた、スタッフの丁寧な介入が素晴らしい等、ご好評いただきました。発表に際して、ご助言・ご指導いただいた方々に厚く御礼申し上げます。

薬剤部 K

老健薬剤師の仕事

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老健では薬剤師も働いていることをご存じでしょうか?

医師や他のスタッフ(看護師、介護士、リハビリスタッフ、栄養士、相談員など)と協同して、在宅に向けて適切に薬剤管理ができるようにすることが主な役割です。

老健薬剤師の仕事の内容として具体的には以下の通りです。

  • 老健に入所される前に、特殊な薬の有無など老健で対応可能かを検討するために薬の内容を確認する。
  • 入所時に改めて薬の内容やきちんとお薬を使えているかを確認し、注意することをスタッフにお伝えする。
  • 入所中に使用している薬について、医師と腎機能や肝機能による薬の量を調節したり、副作用の有無などを確認。必要に応じて入所者様の状態や薬の効果を確認するために検査を依頼する。
  • 栄養サポートチームや褥瘡、リスクマネジメントなど多職種で関わるチーム医療において薬についての情報を提供する。
  • 老健での医薬品の在庫を管理する。
  • 在宅に向けての薬の管理方法を検討する。(用法用量、調剤方法など)
  • 他医療機関や調剤薬局に対して適切な医療や薬剤が継続使用されるように退所時に薬の情報提供書を作成する。
  • 退所時にご本人やご家族に薬の説明をする。

 

老健は介護保険のため、一部の薬剤を除いてお薬代を頂くことはできません。新しく発売される優れた効果がある薬の使用の継続が難しい時もあり、薬剤師として心を痛めることもあります。保険制度を理解して医薬品による費用を抑えつつ、入所されている患者さん個々の健康に影響が出ないように最も適切な医薬品を提案することも老健薬剤師の重要な役割と考え日々奮闘しています。

老健薬剤師M

薬の名称には意味がある?

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現在、薬剤部にて薬剤師の業務補助として働いております。仕事の一つとして、卸業者から薬を仕入れ、それを薬の棚に保管する仕事があります。そんな業務を通して薬の名前などを自然と覚えるようになりました。

私事ですが、子供がアトピー性皮膚炎を患っています。冬の時期は乾燥もあり、皮膚のかゆみがひどくなると、皮膚科の先生から『リンデロンV』を処方されました。そのときはあまり気にしていなかったのですが、薬剤部で扱っている薬の中に「たしか『リンデロンVG』(以下、『V』『VG』)っていう名前の薬も確かあったような… 『G』がつくのとつかないのでは何か違いがあるのかな?」と、ふと疑問に思いました。

そこで、『V』と『VG』の名前の違いは何がちがうのか、これらの薬の組成されてるものを調べてみました。

 

リンデロンV(軟膏)  ベタメタゾン吉草酸エステル

リンデロンVG(クリーム)  ベタメタゾン吉草酸エステル ゲンタマイシン硫酸塩クリーム

 

このように、ベタメタゾンの『V』とゲンタマイシンの『G』という頭文字をとっており、ベタメタゾンとはステロイド剤のひとつで炎症を鎮めるはたらき、ゲンタマイシンには抗真菌作用があることがわかりました。『V』だけなのか、それとも『VとG』両方配合されているのか、ということを表していました。そのときの疾患の状況により処方される薬が違うのだということもわかりました。

これから、これらの薬が処方されることがあれば、皮膚の状態をどう判断され、何を処方されたのかが、自分でも少しはわかるなと勉強になりました。

薬の名称にもちゃんと意味があるものなのですね。

薬剤部 ガンガン

糖尿病治療と「ケトアシドーシス」について

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日本糖尿病学会から、SGLT2阻害薬について、「周術期におけるストレスや絶食により、ケトアシドーシスが惹起される危険性があるため、手術が予定されている場合には術前3日前から休薬し、食事が十分摂取できるようになってから再開する」と2020年12月に提言されてから1年が経過しました。「ケトアシドーシス」というのは、どのような状態のことでしょうか。

まず、「糖尿病性ケトアシドーシス」は、糖尿病の高血糖性の急性代謝失調で、インスリンが不足した場合や、コルチゾールやアドレナリンなどのインスリン拮抗ホルモンが増えてインスリンの作用が弱まった場合などに発症します。インスリンの作用が弱まると血液中のブドウ糖を利用できなくなり、代わりに脂肪酸を分解してエネルギーをつくり出す仕組みが身体に備わっています。これにより、脂肪酸の分解副産物である「アセト酢酸」、「β-ヒドロキシ酪酸」などのケトン体が血液中に増え、ケトーシスという状態になります。ケトン体は酸なので血液が酸性に傾き、「ケトアシドーシス」と呼ばれる状態を引き起こします。1型糖尿病ではインスリンがもともと体内で不足しているので「ケトアシドーシス」の発症リスクが高く、「糖尿病ケトアシドーシス」は1型糖尿病に多くみられる代謝異常です。

一方、「SGLT2阻害薬」は、2型糖尿病の治療にも使用される薬です。尿中に一度排泄されたブドウ糖の再吸収を抑制するので、血液中のブドウ糖を尿と一緒に体外に出して血糖値を下げる作用があります。食事を摂れない状態では、尿中へのブドウ糖排泄が促進されるために体内のブドウ糖が不足し、代替エネルギーを作り出すために脂質代謝が亢進するので「ケトアシドーシス」が引き起こされます。「SGLT2阻害薬」服用中は、薬の作用により血糖値が高くならないので、「正常血糖ケトアシドーシス」が起こり、気づくのが遅れることがあります。この場合は、治療初期から十分なブドウ糖とインスリンの補充が必要です。

「ケトアシドーシス」の主な臨床症状は、悪心、嘔吐、食欲減退、過度の口渇、倦怠感などです。このような初期症状を知っておき、異常があれば、できるだけ早く医療機関を受診しましょう。日常生活においては、「シックデイ」と呼ばれる、発熱や嘔吐下痢を発症した状態のときには注意が必要です。また、過度の糖質制限ダイエットにも注意が必要です。

ただし、「SGLT2阻害薬」が特別に危ない薬ということではありません。1型糖尿病にも使用できる、体重を減少させる、心不全による死亡率を低下させる、慢性腎不全の進行を遅らせる、など、新しい効果も解明されて多くの患者さんに恩恵があります。もともと糖尿病はブドウ糖の代謝異常ですから、食事や運動といった生活習慣とは密接な関係があり、すべての薬で特徴や注意が異なります。まずは、自分の薬を理解すること、そして、正しい生活習慣を送り、特に冬場は感染症などによる体調変化に注意することで、危険な状態を回避できます。私たちと一緒に、糖尿病治療に取り組みましょう。

薬剤師 いっちー

予防接種(ワクチン)について

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11月も半ばを過ぎ、朝晩の冷え込みが厳しくなってきましたね。体調を崩していませんか?

今日は予防接種(ワクチン)についてお話したいと思います。

予防接種は、様々な病原体(ウイルスや細菌など)に対して免疫を持たない方への免疫を与える効果、あるいは免疫の増強効果(ブースター効果)を目的に行われるもので、感染予防、発病予防、重症化予防、感染症のまん延予防、感染症の排除・根絶等を目的として行われます。

 

<代表的なワクチンの種類>

①生ワクチン:おたふくかぜワクチン、水痘ワクチン、麻疹ワクチン、風疹ワクチン

②不活化ワクチン:インフルエンザワクチン、肺炎球菌ワクチン

③メッセンジャーRNAワクチン:新型コロナウイルスワクチン

 

<異なるワクチンを接種する場合の接種間隔>

2 種類以上のワクチンを同時接種または近い時期に接種する場合には、下のような接種間隔で行うことが定められています。

・生ワクチン⇔生ワクチン:27日以上あけること

・生ワクチン⇔不活化ワクチン:間隔に関する規定はない

・不活化ワクチン⇔不活化ワクチン:間隔に関する規定はない

・新型コロナワクチン⇔他のワクチン:14日以上あけること

 

最近では新型コロナウイルスワクチンの3回目接種について、厚生労働省が12月1日から開始することを正式決定したようです。接種間隔は原則、「2回接種の完了から8カ月以上後」が目安とされていますが、感染予防効果から「2回目から少なくとも6カ月後」の接種も可能となるようです。※現在当院での新型コロナウイルスワクチン3回目接種予定は対応検討中です。

参考文献:予防接種に関するQ&A集2020(一般社団法人 日本ワクチン産業協会)

寒暖差アレルギー

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一日の寒暖差の大きい季節の変わり目の時期ですが、鼻がムズ痒かったり、くしゃみが止まらなかったりしませんか? 寒暖差によって起きる鼻炎の症状を「寒暖差アレルギー」といいます。
医学的には「血管運動性鼻炎」と呼ばれ、温度差が刺激となって鼻の粘膜の血管が広がり、粘膜が腫れることで引き起こされると考えられています。

一般的なアレルギー反応と異なるため、寒暖差アレルギーのみを対象にした薬は販売されていませんが、抗アレルギーの内服薬やステロイドの点鼻薬などを用いることがあります。症状が軽い場合は市販のお薬でもコントロールできますが自己判断には注意が必要です。医師や薬剤師にお気軽にご相談下さい。

また寒暖差アレルギーの症状は、寒暖差がなくなれば自然と落ち着く場合がほとんどです。コロナウイルスの感染対策の面からマスクが手放せない日々が続きますが、マスクは鼻の粘膜に感じる温度差をできるだけ小さくするため寒暖差アレルギーにもとても効果的です。

その他にも栄養バランスのとれた食事や適度な運動、十分な睡眠をとり温度差による刺激に左右されない体づくりを目指しましょう。

引用: https://kenko.sawai.co.jp/theme/201911.html

薬剤部 YS

ドーピング

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9月になり秋を少しずつ感じられるようになってきました。先日東京オリンピック・パラリンピックも閉幕しましたね。たくさんの熱戦に胸を打たれました。今回はオリンピックにも関係の深いドーピングについてお話ししたいと思います。

ドーピングとは、スポーツでの競技能力を高めるために禁止物質を使用することを言います。アンチ・ドーピングのルールにおいて、スポーツの中で禁止されている物質と方法が定められており、1年に1回その物質や方法は更新されています。これらは全世界、全スポーツ統一のルールです。ただし、スポーツに参加する選手は全ての薬剤の使用が禁止されているわけではなく、禁止物質・方法に該当しないものであれば使用することができます。よって、風邪を引いたとき、けがをした際にはしっかりと薬の成分まで確認する必要があるのです。

では禁止されている物質とは具体的に何があるでしょうか。

例えば総合感冒薬に含まれることのあるメチルエフェドリンやプソイドエフェドリン、気管支喘息治療薬に含まれるβ2刺激作用という働きをもつ薬剤、口内炎に使用するデキサメタゾン口腔用軟膏、麻黄を含む漢方薬などが禁止物質に該当します。常に服用を禁止されているものや競技中のみの服用が禁止されているもの等、物質により細かな規定はありますが、服用することでドーピングとされてしまう薬剤は意外と身近な薬剤にも含まれています。

皆さんもぜひお近くにのドラッグストア等で薬を購入する際には、それらの薬の中に含まれている物質名にも注目して見てみてください。また、特にスポーツをしている方は薬を服用される際、お近くの薬剤師まで禁止物質に該当しない薬剤かどうか必ず相談してくださいね。

参考サイト:日本アンチ・ドーピング機構HP

 

薬剤部MK