令和6年11月23日(土)9時30分~17時、川崎医療福祉大学本館6階にて「日本医療秘書実務学会 第15回全国大会」が開催されました。テーマは「変革の時代に挑む―医療秘書のリスキリング―」で、倉敷平成病院秘書課からは1名が演題発表を行い、合計8名が参加しました。
基調講演「2040年に向けたわが国の医療政策」
講師:浜田 淳先生(川崎医療福祉大学特任教授・岡山大学名誉教授)
浜田先生の講演では、2040年の社会構成や診療報酬改定の方向性、国民皆保険の仕組み、医療政策の手法についてご説明いただきました。「2040年問題」という言葉を耳にする機会は多いですが、実際にはあと15年後という近い未来の話であり、85歳以上人口の増大や働く世代の人口減少といった具体的な課題を、数字を基に理解することができました。また、病院経営の厳しさや人手不足の中で、働き手を引き付ける「魅力ある病院づくり」の重要性についても触れられ、高齢者と若者が対立せず協働する社会構築の必要性を学びました。
講演「リスキリングによる自己変革のすすめ」
講師:勝連 城二先生(PMイノベーションオフィス51 代表)
勝連先生の講演では、ご自身が神道の神職階位を取得された経験を基に、リスキリングの重要性についてお話しされました。異なるコミュニティに飛び込むことで新たな視点を持つことの大切さや、指示待ちではなく主体的に挑戦する姿勢が、不確実な社会を生き抜く上で重要であることを実感しました。
研究発表
研究発表は2会場で計13演題が発表されました。当院秘書課主任の上野節子さんは、「院内プロジェクトに対する医療秘書に求められたマネジメント手法 ~UMLを使用した認知症治療薬レカネマブ導入マネジメント~」と題して発表を行い、注目を集めました。
他にも患者情報の共有方法や医師事務作業補助体制加算2を届け出た施設の傾向調査など、実践的な発表が多く、学びの多い時間となりました。
講演「事務職員が医療従事者と協働するために必要なスキルを考える」
講師:小林利彦先生(医療法人社団白梅会 理事長)
小林先生は、事務職員が医療従事者と協働するためのスキルについて、キャリアパスやアクティブラーニングにおける「三つの力」などを具体的にご説明くださいました。特に、組織内のハラスメント防止やZ世代への対応ポイントについて触れられ、信頼感で結ばれ、心理的安全性が担保された健全なチームの重要性を再認識しました。
私たちも一人ひとりがチームの一員として自覚を持ち、積極的に学び、成長していくことの必要性を痛感しました。今回得た学びを、日々の業務に活かしていきたいと思います。
※写真掲載の許可をいただいています。
秘書広報部 M