今年も例年と同じくインフルエンザ、ノロウイルスが流行しています。2016年12月20日(火)国立感染症研究所は、ノロウイルスを含む感染性胃腸炎の患者報告数が2016年12月5日~12月11日の間で61,547人に上り、この時期としては過去10年間で3番目に多いことが発表されました。
糖尿病患者が治療中に発熱、下痢、嘔吐をきたし、または食欲不振のため食事ができないことをシックデイと呼びます。
このような状態は身体にとってストレスとなるので、ステロイドホルモンなどのストレスホルモンが分泌されます。ストレスホルモンはインスリンの働きを弱め高血糖を引き起こします。
また、食欲が低下していつものように食べられないことがあります。薬物療法をしている患者さんの場合、食べる量が少ないにもかかわらずいつも通りに薬を飲んだり、インスリン注射をすると、低血糖が起きてしまいます。
このようにシックデイの時は血糖値が大きく乱れやすいので注意が必要です。
次のような場合は早めに受診しましょう。
①嘔吐、下痢が止まらず食事ができないとき。
②高熱が続く時。
③高血糖の時。
④上記に該当するほどではなく、症状が改善する気配が感じられない時。
高血糖が続くと体の抵抗力が落ちるので、病気が重症になりがちです。治りきる前に別の感染症にかかってしまうこともあります。そうすると回復に時間がかかり、血糖コントロールも乱れてしまいます。
では、シックデイの時の食事はどうすればよいのでしょうか。
・十分は水分を摂取し脱水を防ぐようにする。
・日頃食べなれていて口当たりがよく消化のよい食べ物(おかゆ、ジュース、アイスクリームなど)を選び、できるだけ摂取するようにする。
・特に炭水化物と水の摂取を優先し、絶食にならないようにする。
下痢や嘔吐の症状があると体内の水分はかなり減少してしまいます。食欲がなくても水分はしっかり摂取しましょう。
まだまだ寒い日が続きますので、
手洗いうがいをこまめに行い感染症予防に努めましょう。
参考文献:糖尿病治療ガイド2016-2017
糖尿病療養指導士 S.N