カテゴリー別アーカイブ: 栄養科

栄養科通信vol.192「スローフード」

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スローフードという言葉を聞いたことがありますか?
スローフードとは、伝統的な食文化を見直し、食への関心を高める運動のことです。安価で手軽に食べられるファストフードを単に否定するのではなく、日々の食生活を今一度見直すことで食を楽しもうという考え方が基本となっており、生産量の少ない食材やそれらを提供する生産者を支えていくことにもつながります。スローフード協会では、「おいしい(新鮮でおいしく健康的であること)、きれい(環境に負荷を与えない生産方法であること)、ただしい(生産に関わる者すべてに適正な賃金と労働環境を提供すること)食べ物をすべての人が享受できるように」をスローガンに掲げ、地域ごとに根付いた食材や和食などの食文化を継承していく取り組みを行っています。

スローフードのメリット
・健康的な食事につながる
糖質・脂質・塩分が多いファストフードやインスタント食品と比べて、健康面での満足度が高い。
・環境にやさしい
地産地消にもつながり、食材を輸送する際に発生するCO2を削減できる。
・伝統的な食文化が守られる

忙しく暮らす現代人にとってファストフードは欠かせないのが現状ですが、品種の減少や健康問題、労働・自然環境の悪化など、大きなデメリットも潜んでいます。お米をはじめ味噌などの調味料、伝統的な食品や各地の郷土料理、お正月などの年中行事の際に食べられる料理などを食べることもスローフードと言えます。気軽にはじめる方法としておすすめなのが休日だけスローフードです。たとえば地元の食材を選び、調理をして、その料理を味わいながら食べることもスローフードのひとつです。身近なところからスローフードを取り入れてみてはどうでしょうか。

参考:日本スローフード協会 https://slowfood-nippon.jp/

管理栄養士Y.M

栄養科通信vol.191「食品表示の豆知識」

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買い物をする際、食品表示を気にしていますか?
食品の表示には法律に基づいて明確なルールがあります。

●原材料名は「先頭」をチェックしましょう。
店頭で販売されている食品には、パッケージの原材料名はたくさん使用している順に記載するよう決められています。そのため先頭に「砂糖」と記載されているものは何よりも砂糖が多く入っているということになります。

●賞味期限と消費期限を確認しましょう。
・賞味期限=「品質が変わらずにおいしく食べられる」期限
比較的品質が劣化しにくい商品(スナック菓子、カップ麺、チーズ、缶詰、ペットボトル飲料など)に表示
・消費期限=「安全に食べられる」期限
品質の劣化が急速にすすむ商品(弁当、サンドイッチ、生麺、ケーキなど)に表示

●カロリーゼロは本当にゼロキロカロリー?
カロリーにも表示基準があります。
100mlあたり20kcal未満で「カロリーオフ」や「低カロリー」などの表示ができ、100mlあたり5kcal未満で「ノンカロリー」や「カロリーゼロ」の表示ができます。
カロリーオフという言葉に安心して500mlのペットボトル1本を飲んだら、実は100kcal近く摂取していたということにもなりかねません。
言葉の影響に惑わされず、栄養成分表示を確認する習慣をつけましょう。

参考
厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/shingi/2004/09/s0929-7a.html
農林水産省 https://www.maff.go.jp/j/syouan/syoku_anzen/bimi/r0212/limit.html
消費者庁 https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/nutrient_declearation/

管理栄養士 Y.N

イラスト:イラストAC

【当院 栄養科小野詠子科長(管理栄養士)が令和5年度倉敷市保健福祉功労者表彰をうけました】

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令和5年11月2日(木)、倉敷市保健福祉功労者市長表彰式がくらしき健康福祉プラザ(倉敷市笹沖)で行われました。
「倉敷市保健福祉功労者表彰」は、長年にわたり倉敷市の保健福祉に貢献した個人や団体などを表彰するものです。今回は104人の個人と25団体、4つの施設が表彰されたとのことです。
 当院職員 栄養科小野詠子科長(管理栄養士)は 栄養士として栄養改善事業功労の分野で表彰されました。小野栄養科科長は、管理栄養士であるとともに糖尿病療養指導士として、当院倉敷生活習慣病センターでの栄養相談や糖尿病料理教室等の運営の中心的存在として活躍しています。

秘書広報部

 

栄養科通信vol.190 「食習慣でエイジングケア」

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10月は気候も良く過ごしやすいですが、夏の紫外線によるダメージや、気温、温度の低下で肌トラブルや悩みが多い季節です。
また、年齢を重ねることで、肌にハリがなくなったり、シワやたるみが気になってくる方も多いと思います。
老化の原因とされているのは、日頃体内に取り込んでいる酸素が活性酸素に変化し、過剰に発生することによる体の酸化、糖分の過剰摂取により急激に血糖値が上昇することで起こる体の糖化、加齢によるホルモンの減少が挙げられます。

トラブルが起きやすくなった肌に潤いを与えてお手入れをすることを「エイジングケア」と呼びます。
エイジングケアはスキンケアをイメージしますが、それ以外に食習慣の改善も効果的であると考えられています。
エイジングケアにつながる食習慣について紹介します。

・食事は腹八分目までにする…満腹になるまで食べるのではなく、腹八分目にすることでカロリーの過剰摂取による体の糖化を防ぐことができ、老化の抑制が期待できます。ただし、食事を減らすことで栄養が偏らないように気をつけましょう。

・食べる順番を意識する…血糖値を緩やかに上昇させるためには、最初に食物繊維を含んだ野菜、次に肉や魚のたんぱく質、最後にごはんや麺などの炭水化物の順番で食べるのが理想です。

・エイジングケアに効果的な食べ物を摂取する…たんぱく質や野菜は体の酸化を防ぐ抗酸化作用があり、豆腐や納豆など大豆イソフラボンを含んだ食品はホルモンの働きを補う効果があります。

生活習慣を整えることで体の内側からケアができるので、女性だけでなく男性にも効果的です。
食生活を見直し、冬の乾燥に負けない肌をつくりましょう。

                           管理栄養士 R.Y

※イラスト:イラストAC

栄養科通信vol.189 「食育クッキング参加報告」

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8月5日(土)に「あゆみの会食育クッキングin就実女子大学」に参加してきました。小児がんを克服した子どもは放射線治療などの影響で将来生活習慣病になりやすいと言われています。その予防のため、健康知識をつけたり、調理への苦手意識をなくしセルフケア力をつけてもらおうという取り組みで、去年に引き続きレシピ提供とクッキングに参加しました。今回のレシピは、とん平焼き、トッポッキ、フルーツロールで、どれもライスペーパーを使った簡単メニューでした。低学年の子どもさんが多かったのですが、就実女子大学の学生ボランティアさんがひとりひとりを担当してくれて、無事に調理を終えることができました。試食の後は学生さんによる健康マスターになれる講義もありました。調理って簡単だな、自分でも野菜たっぷりレシピを作ってみようかな、と思ってもらえていたらいいなと思います。これからも皆さんの健康づくりのお手伝いができるよう、管理栄養士として頑張っていきます。

この様子は、8/5(日)山陽新聞デジタル、8月6日(月)の山陽新聞にも紹介されました。

栄養科 管理栄養士 A子

 

栄養科通信vol.188 「6月は食育月間」

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毎年6月は「食育月間」です。食育の基本的理念を定めた「食育基本法」が2005年6月に制定されたこと、また新学期・新生活がはじまって身辺が落ち着き始め国をあげて取り組みやすい時期ということで6月が選ばれたそうです。また、毎月19日は「食育の日」です。食育の「育 (いく)」が「19」を連想させることに由来します。

食育は、生きる上での基本であって、知育・徳育・体育の基礎となるものであり 、様々な経験を通じて「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し、健全な食生活を実現することができる人間を育てることです。生涯にわたって「食べる力」=「生きる力」を育むことが重要と言われています。

食育で育てたい「食べる力」

①心と身体の健康を維持できる
②食事の重要性や楽しさを理解する
③食べ物の選択や食事づくりができる
④一緒に食べたい人がいる(社会性)
⑤日本の食文化を理解し伝えることができる
⑥食べ物やつくる人への感謝の心

日常生活の中での具体的な食育の取り組みとしては以下の12項目が挙げられます。子どもから大人まで誰にでもわかりやすく発信するため、ピクトグラムも作成されています。

食育月間の期間中は、全国規模の行事として食育推進全国大会(今年は富山県で開催)が開催されるほか、全国各地で食育をテーマとした多くの取組やイベントが実施されます。

食育と聞くと難しく聞こえますが、食に関して正しい知識を持ち、適切に選択する力を身につけることも食育の一つです。健全な食生活は、生きる喜びや楽しみ、健康で心豊かな暮らしにつながります。一人ひとりが食について意識を高めていくことで、自分にとって望ましい食生活を考え、実現できる力を身につけていきましょう。

「食育月間」や「食育の日」を機会に、日常生活の中での取り組みを参考に、出来ることから食育を始めてみませんか。

管理栄養士 MS

参考:農林水産省 https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/gekkan/

りんご150gを正しく伝えるには?

カテゴリー: 栄養科, 糖尿病療養指導士 | 投稿日: | 投稿者:

倉敷平成病院栄養科では、年に1回学生実習を受け入れています。先日、実習に来た学生さんと糖尿病患者さんの資料を作りながら話題になった内容を紹介します。

「果物は適量を食べましょう。」というテーマに対し、最初に学生さんが用意したイラストは フルーツ盛り合わせでした。
これではカゴいっぱいの果物が食べられると思ってしまう可能性があるから変更しようという話になり、イラストを探してみたところ…

たとえば「りんご1/2個」で探すとこれだけのイラストが出てきました。
丸のままのもの、丸のままで表記だけ1/2個にしているもの、半分に切ったもの、切るんだろうなとイメージさせるもの、切り分けたウサギりんご、などなど。

糖尿病食品交換表ではりんご1/2個(150g(可食部)が80Kcalですと、さらっと話しただけで正確に分かる人がどれだけいるでしょうか?平均的なりんごの重さは250g~350gで、1個といっても個体差があるし、重さを伝えても、皮をむいたり芯をとる前に量るのか後で量るのか?果物好きなら1/2個といっても少し多めになっているかも?実際に食べている量は人によってさまざまな可能性もあります。まず自分がりんご150gを実際に量ってみること、患者さんにわかりやすく伝え、正しく理解されたか確認することが大切です。学生さんとの作業は、正しく伝えるということの難しさを再度認識する良いきっかけになりました。

※果物はビタミンや食物繊維を含み体にいい反面、果糖が多く、食べ過ぎると血糖値を上げてしまいます。糖尿病でも果物を楽しむには、いつでも食べ放題ではなく、適量を食後に食べることをおススメします。

糖尿病療養指導士 管理栄養士  A子

栄養科通信vol.187 「春野菜でデトックス!」

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寒い冬が明けると、過ごしやすい春がやってきます。春野菜とは春に収穫され、みずみずしい鮮度と栄養を蓄えた野菜をいい、セロリ、にら、ふき、たらの芽などがあり、独特の苦みや香りがあります。くせになる苦味は春野菜の特徴でもあり、良い効能がたくさんあります。

〇春野菜の苦味と香り苦味
植物性アルカロイドという成分を含み、老廃物を排出する解毒作用や新陳代謝を促す働きがあります。香り…テルペン類という香り成分を含み、血行促進や抗酸化作用があります。春野菜の苦みや香りは体を冬から春の活動へ変えるための手助けをしてくれます。

〇春野菜の種類と効能
① 菜の花
春野菜の中でもビタミン、ミネラルが多く、ビタミンCの含有量はほうれん草の約4倍といわれています。免疫力を高めて風邪予防に効果的です。
② 春キャベツ
春キャベツは葉が薄く柔らかくて甘みがあります。冬キャベツに比べ、ビタミンCは約1.3倍、カロテンは約3倍多く含まれています。他にもビタミンUはキャベジンといわれ胃酸の分泌を抑制し、胃腸の粘膜を修復する効果があります。
③ 新たまねぎ
硫化アリルというツンとした香り成分には、血行促進、がん予防の効果があります。ビタミンB1の吸収を高め、疲労回復、発汗、食欲増進効果が期待できます。硫化アリルは生の方が加熱より効力が強いのが特徴です。
(イラスト:イラストACより)

春野菜を積極的に食べることで、冬の間にたまった老廃物を排出しデトックスすることができます。春先に多い花粉症予防、便秘予防効果も期待できますよ。

管理栄養士 MA

栄養科通信 Vol186 「味覚について」

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普段食べている食事の中で感じる味わいには基本の「甘味」「塩味」「酸味」「苦味」「うま味」の5種類があります。これらが合わさることでおいしさを引き出すことができます。みなさんはその味を十分に感じられていますか?
味覚は加齢に伴い感じにくくなるといわれており、その原因に唾液分泌量の低下や味蕾の減少、薬の副作用などがあげられています。これらを予防するためには、唾液の分泌を促すことや亜鉛の摂取が効果的とされています。
唾液量が少なくなると味を構成する物質が味蕾に届きにくくなるため、味を感じにくくなります。お茶や水などの水分をこまめにとる、顎・舌の唾液腺をマッサージする、よく噛んで食事をするなどの方法で唾液を促しましょう。
亜鉛の摂取には味覚を正常に保つ効果があります。亜鉛を多く含む食品として、牡蠣、ホタテ、煮干し、牛もも肉、卵、納豆、カシューナッツなどがあげられます。亜鉛を効果的に吸収するためにはビタミンCやクエン酸を含むものとの摂取が効果的とされており、緑黄色野菜やかんきつ類などと一緒に摂るとよいです。反対に吸収を妨げるものとして加工食品に含まれる食品添加物が挙げられます。そのため手軽ではありますが、冷凍食品やレトルトの加工品ばかりに偏ると自然と亜鉛が不足しがちになってしまいます。亜鉛は一般的に食事からの摂取で過剰症になることは少ないですが、65歳以上では40mg以上(牡蠣300g相当)摂りすぎると嘔吐、下痢、貧血などを招きやすくなるので注意しましょう。
いつまでも食事を美味しくいただくためには味覚を正常に保つことが重要です。上記のことを意識して過ごしてみてください。

管理栄養士 M.T

栄養科通信vol.185「食事で寒さに負けない体をつくろう」

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寒い日が続きますね。冬は空気が乾燥し、気温が下がるため体温が低下し、コロナやインフルエンザなどのウイルスに感染するリスクが高くなります。

予防するためには、体を温めること、免疫力をアップすることが大切です。普段食べている食事を少し工夫するだけで寒さに負けない、健康的な体をつくることができるんです。

冬野菜や温かい料理を食べて体をポカポカに!
冬が旬のかぶ、人参、ねぎ、れんこん、さつまいもなどの冬野菜には比較的水分が少なく、体を冷やさず温める効果があります。ビタミンCが含まれているため、免疫力を高め体調を整えます。また、温かい料理を食べることで体が芯から温まり、ポカポカになります。血流を促進させる生姜や唐辛子もおすすめです。しかし、冬野菜だけではいけません。主食、主菜、副菜を揃えることで、エネルギー源となる炭水化物、体を作るもとになるたんぱく質、ビタミンが摂取でき、偏らずバランス良く食べることができ、基礎体力が高まります。

腸内環境を整えて免疫力をアップ
免疫力とはウイルスから体を守って病気を防ぐ機能のことをいいます。体温が下がると免疫力も低下し、体調を崩しやすくなります。納豆、キムチ、味噌、醤油、ヨーグルトなどの発酵食品は腸内環境を整え免疫細胞を活性化させる働きがあるので、免疫力アップにつながります。

日頃の食事に取り入れるため、おすすめはキムチ鍋です。体を温めてウイルス感染を予防し、寒さに負けない体をつくりましょう。

管理栄養士 R.Y