カテゴリー別アーカイブ: 栄養科

栄養科通信vol.189 「食育クッキング参加報告」

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8月5日(土)に「あゆみの会食育クッキングin就実女子大学」に参加してきました。小児がんを克服した子どもは放射線治療などの影響で将来生活習慣病になりやすいと言われています。その予防のため、健康知識をつけたり、調理への苦手意識をなくしセルフケア力をつけてもらおうという取り組みで、去年に引き続きレシピ提供とクッキングに参加しました。今回のレシピは、とん平焼き、トッポッキ、フルーツロールで、どれもライスペーパーを使った簡単メニューでした。低学年の子どもさんが多かったのですが、就実女子大学の学生ボランティアさんがひとりひとりを担当してくれて、無事に調理を終えることができました。試食の後は学生さんによる健康マスターになれる講義もありました。調理って簡単だな、自分でも野菜たっぷりレシピを作ってみようかな、と思ってもらえていたらいいなと思います。これからも皆さんの健康づくりのお手伝いができるよう、管理栄養士として頑張っていきます。

この様子は、8/5(日)山陽新聞デジタル、8月6日(月)の山陽新聞にも紹介されました。

栄養科 管理栄養士 A子

 

栄養科通信vol.188 「6月は食育月間」

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毎年6月は「食育月間」です。食育の基本的理念を定めた「食育基本法」が2005年6月に制定されたこと、また新学期・新生活がはじまって身辺が落ち着き始め国をあげて取り組みやすい時期ということで6月が選ばれたそうです。また、毎月19日は「食育の日」です。食育の「育 (いく)」が「19」を連想させることに由来します。

食育は、生きる上での基本であって、知育・徳育・体育の基礎となるものであり 、様々な経験を通じて「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し、健全な食生活を実現することができる人間を育てることです。生涯にわたって「食べる力」=「生きる力」を育むことが重要と言われています。

食育で育てたい「食べる力」

①心と身体の健康を維持できる
②食事の重要性や楽しさを理解する
③食べ物の選択や食事づくりができる
④一緒に食べたい人がいる(社会性)
⑤日本の食文化を理解し伝えることができる
⑥食べ物やつくる人への感謝の心

日常生活の中での具体的な食育の取り組みとしては以下の12項目が挙げられます。子どもから大人まで誰にでもわかりやすく発信するため、ピクトグラムも作成されています。

食育月間の期間中は、全国規模の行事として食育推進全国大会(今年は富山県で開催)が開催されるほか、全国各地で食育をテーマとした多くの取組やイベントが実施されます。

食育と聞くと難しく聞こえますが、食に関して正しい知識を持ち、適切に選択する力を身につけることも食育の一つです。健全な食生活は、生きる喜びや楽しみ、健康で心豊かな暮らしにつながります。一人ひとりが食について意識を高めていくことで、自分にとって望ましい食生活を考え、実現できる力を身につけていきましょう。

「食育月間」や「食育の日」を機会に、日常生活の中での取り組みを参考に、出来ることから食育を始めてみませんか。

管理栄養士 MS

参考:農林水産省 https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/gekkan/

りんご150gを正しく伝えるには?

カテゴリー: 栄養科, 糖尿病療養指導士 | 投稿日: | 投稿者:

倉敷平成病院栄養科では、年に1回学生実習を受け入れています。先日、実習に来た学生さんと糖尿病患者さんの資料を作りながら話題になった内容を紹介します。

「果物は適量を食べましょう。」というテーマに対し、最初に学生さんが用意したイラストは フルーツ盛り合わせでした。
これではカゴいっぱいの果物が食べられると思ってしまう可能性があるから変更しようという話になり、イラストを探してみたところ…

たとえば「りんご1/2個」で探すとこれだけのイラストが出てきました。
丸のままのもの、丸のままで表記だけ1/2個にしているもの、半分に切ったもの、切るんだろうなとイメージさせるもの、切り分けたウサギりんご、などなど。

糖尿病食品交換表ではりんご1/2個(150g(可食部)が80Kcalですと、さらっと話しただけで正確に分かる人がどれだけいるでしょうか?平均的なりんごの重さは250g~350gで、1個といっても個体差があるし、重さを伝えても、皮をむいたり芯をとる前に量るのか後で量るのか?果物好きなら1/2個といっても少し多めになっているかも?実際に食べている量は人によってさまざまな可能性もあります。まず自分がりんご150gを実際に量ってみること、患者さんにわかりやすく伝え、正しく理解されたか確認することが大切です。学生さんとの作業は、正しく伝えるということの難しさを再度認識する良いきっかけになりました。

※果物はビタミンや食物繊維を含み体にいい反面、果糖が多く、食べ過ぎると血糖値を上げてしまいます。糖尿病でも果物を楽しむには、いつでも食べ放題ではなく、適量を食後に食べることをおススメします。

糖尿病療養指導士 管理栄養士  A子

栄養科通信vol.187 「春野菜でデトックス!」

カテゴリー: 栄養科 | 投稿日: | 投稿者:

寒い冬が明けると、過ごしやすい春がやってきます。春野菜とは春に収穫され、みずみずしい鮮度と栄養を蓄えた野菜をいい、セロリ、にら、ふき、たらの芽などがあり、独特の苦みや香りがあります。くせになる苦味は春野菜の特徴でもあり、良い効能がたくさんあります。

〇春野菜の苦味と香り苦味
植物性アルカロイドという成分を含み、老廃物を排出する解毒作用や新陳代謝を促す働きがあります。香り…テルペン類という香り成分を含み、血行促進や抗酸化作用があります。春野菜の苦みや香りは体を冬から春の活動へ変えるための手助けをしてくれます。

〇春野菜の種類と効能
① 菜の花
春野菜の中でもビタミン、ミネラルが多く、ビタミンCの含有量はほうれん草の約4倍といわれています。免疫力を高めて風邪予防に効果的です。
② 春キャベツ
春キャベツは葉が薄く柔らかくて甘みがあります。冬キャベツに比べ、ビタミンCは約1.3倍、カロテンは約3倍多く含まれています。他にもビタミンUはキャベジンといわれ胃酸の分泌を抑制し、胃腸の粘膜を修復する効果があります。
③ 新たまねぎ
硫化アリルというツンとした香り成分には、血行促進、がん予防の効果があります。ビタミンB1の吸収を高め、疲労回復、発汗、食欲増進効果が期待できます。硫化アリルは生の方が加熱より効力が強いのが特徴です。
(イラスト:イラストACより)

春野菜を積極的に食べることで、冬の間にたまった老廃物を排出しデトックスすることができます。春先に多い花粉症予防、便秘予防効果も期待できますよ。

管理栄養士 MA

栄養科通信 Vol186 「味覚について」

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普段食べている食事の中で感じる味わいには基本の「甘味」「塩味」「酸味」「苦味」「うま味」の5種類があります。これらが合わさることでおいしさを引き出すことができます。みなさんはその味を十分に感じられていますか?
味覚は加齢に伴い感じにくくなるといわれており、その原因に唾液分泌量の低下や味蕾の減少、薬の副作用などがあげられています。これらを予防するためには、唾液の分泌を促すことや亜鉛の摂取が効果的とされています。
唾液量が少なくなると味を構成する物質が味蕾に届きにくくなるため、味を感じにくくなります。お茶や水などの水分をこまめにとる、顎・舌の唾液腺をマッサージする、よく噛んで食事をするなどの方法で唾液を促しましょう。
亜鉛の摂取には味覚を正常に保つ効果があります。亜鉛を多く含む食品として、牡蠣、ホタテ、煮干し、牛もも肉、卵、納豆、カシューナッツなどがあげられます。亜鉛を効果的に吸収するためにはビタミンCやクエン酸を含むものとの摂取が効果的とされており、緑黄色野菜やかんきつ類などと一緒に摂るとよいです。反対に吸収を妨げるものとして加工食品に含まれる食品添加物が挙げられます。そのため手軽ではありますが、冷凍食品やレトルトの加工品ばかりに偏ると自然と亜鉛が不足しがちになってしまいます。亜鉛は一般的に食事からの摂取で過剰症になることは少ないですが、65歳以上では40mg以上(牡蠣300g相当)摂りすぎると嘔吐、下痢、貧血などを招きやすくなるので注意しましょう。
いつまでも食事を美味しくいただくためには味覚を正常に保つことが重要です。上記のことを意識して過ごしてみてください。

管理栄養士 M.T

栄養科通信vol.185「食事で寒さに負けない体をつくろう」

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寒い日が続きますね。冬は空気が乾燥し、気温が下がるため体温が低下し、コロナやインフルエンザなどのウイルスに感染するリスクが高くなります。

予防するためには、体を温めること、免疫力をアップすることが大切です。普段食べている食事を少し工夫するだけで寒さに負けない、健康的な体をつくることができるんです。

冬野菜や温かい料理を食べて体をポカポカに!
冬が旬のかぶ、人参、ねぎ、れんこん、さつまいもなどの冬野菜には比較的水分が少なく、体を冷やさず温める効果があります。ビタミンCが含まれているため、免疫力を高め体調を整えます。また、温かい料理を食べることで体が芯から温まり、ポカポカになります。血流を促進させる生姜や唐辛子もおすすめです。しかし、冬野菜だけではいけません。主食、主菜、副菜を揃えることで、エネルギー源となる炭水化物、体を作るもとになるたんぱく質、ビタミンが摂取でき、偏らずバランス良く食べることができ、基礎体力が高まります。

腸内環境を整えて免疫力をアップ
免疫力とはウイルスから体を守って病気を防ぐ機能のことをいいます。体温が下がると免疫力も低下し、体調を崩しやすくなります。納豆、キムチ、味噌、醤油、ヨーグルトなどの発酵食品は腸内環境を整え免疫細胞を活性化させる働きがあるので、免疫力アップにつながります。

日頃の食事に取り入れるため、おすすめはキムチ鍋です。体を温めてウイルス感染を予防し、寒さに負けない体をつくりましょう。

管理栄養士 R.Y

栄養科通信vol.184「冬のかくれ脱水に注意」

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脱水症と聞くと夏のイメージが強いかもしれませんが、実は冬こそ脱水に注意なんです。冬は空気が乾燥し、さらに室内でエアコンなどの暖房器具を使用すると湿度が低下して、皮膚などから水分の蒸発がすすみやすくなります。また暑い夏に比べると汗をかく機会が少なく、加えてマスクの着用で口腔内の湿度が保たれ、のどの渇きを感じにくくなるため、水分を積極的にとらない人も多くなりがちです。結果的に体の外へと出ていく水分は多く、体の中に補給される水分は少なくなるため、特に自覚がないまま脱水状態に陥る「かくれ脱水」になります。

以下のようなかくれ脱水のサインを見逃さないようにしましょう。

・皮膚がカサつく。ハリがなくなった。

・口の中が粘つく。つばが少なく、つばを飲み込めないことがある。

・便秘になった。あるいは以前よりひどくなった。

・足の脛がむくみ、靴下のゴムの跡がのこるようになった。

かくれ脱水を防ぐ基本は、こまめな水分補給です。高齢者の場合は特に気温や体調の変化、喉の渇きなどを感じにくいことから慢性的に水分が不足しがちです。個人差はありますが1日1.2L程度を目安に、1日のなかで時間を決めて意識的に水分を補給することを心がけましょう。就寝中も汗をかいているため、朝起きた時にコップ1杯程度の水分補給も忘れないようにしましょう。

また、乾燥対策も大切です。加湿器の使用や、濡れたタオルを室内に干すなども効果的です。さらに冬は寒さ対策として厚着をする機会が増えますが、室内の温かい環境で厚着のままでいると、汗をかいて水分を奪う要因になります。脱ぎ着しやすい服装で体温をコントロールしましょう。

 

脱水は発汗だけでなく、季節による気温変化などさまざまな要因で起こります。冬だからといって油断することなく、こまめな水分補給を心がけて快適な冬生活を送りましょう。

管理栄養士 Y.M

栄養科通信vol.183「11月24日は“和食の日”」

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秋といえば「食欲の秋」。「実りの秋」ともいわれるように、サンマや栗、さつま芋など美味しいものが豊富にありますよね。
この時期は「自然」に感謝し、来年の五穀豊穣を祈る祭りなどの行事が全国で行われる季節でもあります。日本の食文化にとって大変重要な時期である秋の日に、毎年、一人ひとりが「和食」文化について認識を深め、和食文化の大切さを再認識するきっかけの日となっていくよう願いをこめて、11月24日は“いい日本食”「和食」の日と制定されています。

和食の4つの特徴

(1)多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重
日本の国土は南北に長く、海、山、里と表情豊かな自然が広がっているため、各地で地域に根差した多様な食材が用いられています。また、素材の味わいを活かす調理技術・調理道具が発達しています。

(2)健康的な食生活を支える栄養バランス
一汁三菜を基本とする日本の食事スタイルは理想的な栄養バランスと言われています。また、「うま味」を上手に使うことによって動物性油脂の少ない食生活を実現しており、日本人の長寿や肥満防止に役立っています。

(3)自然の美しさや季節の移ろいの表現
食事の場で、自然の美しさや四季の移ろいを表現することも特徴のひとつです。季節の花や葉などで料理を飾りつけたり、季節に合った調度品や器を利用したりして、季節感を楽しみます。

(4)正月などの年中行事との密接な関わり
日本の食文化は、年中行事と密接に関わって育まれてきました。自然の恵みである「食」を分け合い、食の時間を共にすることで、家族や地域の絆を深めてきました。

日本が誇る「和食」はユネスコ無形文化遺産にも登録されています。
和食の日に日本の伝統的な食文化について改めて見直してみるのもいいですね。

参考文献
一般財団法人 和食文化国民会議 https://washokujapan.jp/culture/
農林水産省 https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/ich/

管理栄養士Y.N

栄養科通信vol.182「朝食にタンパク質を食べていますか?」

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日本人の食事摂取基準では、1日に必要なタンパク質の量は、成人男性が65g、成人女性が50gとされています。1食あたりの摂取量としては、20gずつを目安に摂るのが理想的ですが、男性でも女性でも、また子どもから高齢者まで朝食でのタンパク質摂取量は低く、逆に夕食では高いと言うのが日常ではないでしょうか。タンパク質を3食均等にとっている人の方が筋肉の合成が盛んであり、夕食にタンパク質を多くとっていても朝が足りていないと筋肉維持に役立たないという研究結果も出ています。

朝から十分な量のタンパク質を摂取すると、体内時計がリセットされて生活リズムが整い、やる気にあふれた1日を過ごせます。結果夜もよく眠れるようになるのです。子どもの場合は勉強のやる気が出るとか、高齢者だとサルコペニア、フレイルの予防になるとか、暴飲暴食を抑えられたり、糖尿病がよくなるといった効果も報告されています。以前は朝食さえ食べていればいいという考え方でしたが、これからは朝食にタンパク質が欠かせないということです。

年と共にタンパク質の消化吸収率が落ちること、タンパク質は食べ溜めができないので、年をとるほど若い頃よりもタンパク質の摂り方に気をつけなくてはいけません。起床後一時間以内に食べること、タンパク質だけでなく糖質も一緒に食べることが大切です。1食のタンパク質の目安は手のひらサイズ、肉、卵、魚など何でもいいです。毎日ちょっと早起きして朝食の時間を確保し、ご飯と納豆と味噌汁とか、パンと卵とサラダ、などタンパク質をとり入れた朝食をとってみてください。

栄養科 管理栄養士 A子

当院管理栄養士が瀬戸内海放送に取材協力しました

カテゴリー: 栄養科, 秘書・広報課 | 投稿日: | 投稿者:
昨日、9月20日(火)夕方放送のニュースパークKSBに【特集「食欲の秋」って本当?その根拠は? 専門家に聞いてみた】
コーナーで当院栄養科科長小野詠子管理栄養士が取材協力した動画と内容が KSBのホームページに紹介されました。
是非ご覧ください。
 
 
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