みなさまお元気で新年をお迎えの事と存じます。
今回は、ハッピーな認知症介護のための7つの原則についてお話したいと思います。
はじめに、私がこの題材を選んだきっかけは、母がもの忘れ外来に通院しはじめたことです。コロナがきっかけで買い物に行かなくなり、洗濯も裏口に段があるため転倒の恐れがあり、させなくなったことが原因で、昨年のお正月に認知症が進んでしまいました。
そして、認知症のせいだと分かっていてもつい感情的になってしまう、そんな自分が情けなく疲れ果ててしまったのは決して不思議なことではありません。そんな認知症の方のご家族がその介護のストレスを少しでも軽くするためのヒントや工夫を挙げていきます。
認知症介護 5つの心得と7つの原則
5つの心得
1.頑張りすぎない
過度な頑張りの裏には元気なままのご家族であってほしいという愛情とそれが叶わないかもしれない悲しみが横たわっていることもあるかもしれません。その気持ちを見つめ、あるがままを受け入れ、頑張りすぎなくていいんだと、まずは患者ご本人よりも自分に優しくすることが第一です。
2.抱え込まない
認知症が進むにつれて、患者さんご本人もご家族も周囲とのつながりが薄れていく傾向もあります。初期のころから同じ悩みをもつ仲間や家族会などと繋がりを持ち、抱え込まない意識を持ち続けましょう。
3.弱音を吐く
弱音や愚痴を少しずつ、でも「きちんとこぼす」ことも実は認知所う介護にはとても大切なのです。
4.比べない
介護に正解はありません。介護者ご本人が、自分らしくいられる介護がもっとも素敵な介護だといえます。
5.終わりを考える
目の前の苦しみがいつ終わるのか、本当に終わるのか、分からない辛さは確かにありますが、「いつか終わるもの」と気を長く持ち、その終わりを迎える時に患者さんご本人もご家族も笑っていられるように今を過ごしましょう。
7つの原則
1.ゆったり、ゆっくりを心がける
介護者が会話も動作もゆったりゆっくりを心がけましょう。
2.五感をいかしてコミュニケーションする
声に感情や表情をつけ、質・大きさを工夫しましょう。顔をしっかり合わせ豊かな表情で対応しましょう。身振り手振りを交えたり、接触時は優しく触れましょう。
3.共感し感情を合わせる
表情や感情の共有を意識すると、安心感を与え、介護がスムーズになります。
4.認識や心の世界を理解する努力を
介護者が心の世界を尊重し、理解しようとする態度は信頼や安心を生み出します。
5.分かりやすく調整する
分かりやすい言葉で声をかけ、集中できる環境を整え、慣れ親しんだものは変えないようにしましょう。
6.かけがえのない、有能な存在であることを感じてもらう
役割や仕事などを通して自分も役に立つ存在であること、他人のために何か力になれる存在と感じることはとても大切です。
7.外部との繋がりをもつ
自宅でリラックスするのとは別に、よそ行きの顔も大切。外出し、よそ行きの顔を使うことは患者ご本人の社会性を保つ大切な機会です。
おわりに
患者ご本人だけでなく、介護者であるご家族ご自身が様々な支援をうけて、頑張りすぎない。無理をしない。それが認知症介護の一番の秘訣なのです。
看護師 Y.A