ある朝のできごと

カテゴリー: ケアプラン室 | 投稿日: | 投稿者:

酷暑続きの夏がようやく終わりを告げ、待ち遠しかった秋の足音が聞こえてくるようになりました。皆様いかがお過ごしでしょうか。

とりわけ朝の空気はとても気持ちが良く、出勤時の道のりも、これまでと違いゆっくりと楽しみながら歩けるようになりました。駐車場から事務所まで、ほんの5分程度の道のりですが、道端の草花や樹々の枝葉が季節の移り変わりとともに変化する姿を眺めるのは、とても楽しいものだと改めて気付かされる今日この頃です。

そんな毎朝の楽しみに、いつしか小さな生き物が仲間に加わりました。雀です。はじめは気がつかなかったのですが、この雀たち、私が近づいても慌てて飛び立つ様子がありません。それどころか、こちらの様子をじっと伺っているようにも見えるのです。ずいぶん人に慣れている雀だなあ、もしかしたら私のことを覚えて待ってくれているのかなあ・・・そんなふうに思うと小さな雀がいっそうかわいく思えてきます。ですが、そんなはずはありません。何日も何日も不思議な気持ちで雀を眺める日が続きました。そしてある朝、謎が解けたのです。

ある日、高齢の女性が手押し車を押しながら私の前を歩いておられました。その方の左手からはお米がポロポロとこぼれ落ちています。よくみると左手にはお米が入ったビニール袋を握りしめておられるではありませんか。雀はこの方を待っていたのでした。ああ、そうだったのかと思いつつ、女性の後ろ姿とお米をついばむ雀たちを交互に眺めながら、とても愉しく心温まる思いでいっぱいになりました。この方は餌をやりながら心の中で雀に何を語り掛けておられるのでしょう。小さな生き物との交流は癒しであったり元気の源であったりするに違いありません。どうかこれからもお元気で、こんなふうに雀たちとの交流を楽しんでいかれますように、と思った秋の朝でした。

介護のことでお困りのことはありませんか。私たちケアマネジャーはご利用の皆様が住み慣れたご自宅で安心して生活できるようお手伝いさせて頂いています。12人のケアマネジャーがお待ちしていますので、いつでも気軽にご相談下さい。

ケアプラン室 TA

イラスト:イラストac

東出入口がご利用可能に

カテゴリー: お知らせ, 秘書・広報課 | 投稿日: | 投稿者:

10月10日(火)より東出入口がご利用いただけるようになりました。
サエラ薬局・老松保育園・ピースガーデン倉敷などがある側、東駐輪場のそばの出入口です。
面前薬局に近い出入口のため、特に処方がある方には便利がよくなったと思います。

利用可能な時間は正面玄関・西玄関(老健側)と同様です。
夜間・祝日は引き続き夜間・救急出入口をご利用ください。

【開閉時間】
◇東出入口
月~金 7時45分~19時
土曜日 7時45分~14時
日・祝 閉め切り

◇夜間・救急出入口
月~金 17時15分~翌朝7時45分
土曜日 12時30分以降
日・祝 終日

やっと全ての出入口がご利用いただけるようになりました。
ご来院の皆様にとってさらに便利で頼っていただける病院になるよう、些細なことでも一つずつでも、変わっていきたいと思います。

広報課

第12回日本認知症予防学会学術集会参加報告

カテゴリー: 認知症疾患医療センター | 投稿日: | 投稿者:

 第12回日本認知症予防学会学術集会「認知症予防のための多職種協働と地域連携」をテーマに、2023年9月15日16日17日の3日間にわたり、朱鷺メッセ新潟コンベンションセンター(新潟市中央区)にて開催されました。
当院からは、5名が参加しました。
涌谷センター長は、「運転免許を返納するときの患者の心情に関する考察ー具体的事例を通してー」のタイトルでポスター発表と口演「認知症の診断1」での座長をされまいた。
菱川脳神経内科部長は、口演「認知症の診断1」で座長、また、第13回認知症予防専門医教育セミナーでの講師をつとめられました。

また3名のスタッフはそれぞれ口演発表をいたしました。

発表者からのコメントを紹介します。
■「記憶障害からBPSDが出現している入院患者へのアプローチ-メモリーノートを用いての統一的対応-」 森永 ゆりこ(ST・CP科 公認心理師)
CP(公認心理師)からは、心理師が関わっていた入院患者さんの事例について発表しました。落ち着いて入院生活を過ごせるよう、他職種と連携しながら対応にあたった事例でした。発表に関して、「認知症の分野で心理師が介入しているケースは、よくあることなのでしょうか?」との質問をいただきました。精神科や心療内科など精神医療の分野や、教育分野に比べると、認知症領域での心理師の活動というのは、まだまだ珍しい(新しい)方なのだと実感しました。様々な職種の方に心理師の活動を知っていただき、もっと現場で必要とされる存在になれるよう、これからも研鑽を積んでいきたいと思います。

■「病棟配置薬の整備による入院患者への睡眠薬適正使用の取り組み」  市川 大介 (薬剤部部長)
病棟配置薬の工夫による睡眠薬適正使用の取り組みについて学会発表しました。コロナ対策が緩和されて久しぶりの現地集合開催で、緊張感のある中で無事に発表を終えることができました。学会参加した方々と美味しい地酒も堪能しました。

■「認知症予防における頭痛患者へのアロマテラピー」   上野 節子 (秘書課副主任)
認知症予防における頭痛患者へのアロマテラピーについて発表しました。片頭痛(特に女性片頭痛)が認知症に与える影響があると報告されています。嗅覚の情報は、一早く記憶を司る海馬がある大脳辺縁系に届き、記憶を喚起する伝達経路となっています。ラベンダーとゼラニウムの精油を使用し、オープンラベル・クロスオーバー法を施行。急性期頭痛治療薬の使用率や仕事家事への影響を減らし、月経関連期間の平均頭痛日数、回数、程度の軽減、何よりも高いリラックス効果を認めました。平成病院のメンバーと新潟の地で発表内容は違いますがあらゆる方向から活動を発表できたことを嬉しく思います。

秘書課 U

栄養科通信vol.190 「食習慣でエイジングケア」

カテゴリー: 栄養科 | 投稿日: | 投稿者:

10月は気候も良く過ごしやすいですが、夏の紫外線によるダメージや、気温、温度の低下で肌トラブルや悩みが多い季節です。
また、年齢を重ねることで、肌にハリがなくなったり、シワやたるみが気になってくる方も多いと思います。
老化の原因とされているのは、日頃体内に取り込んでいる酸素が活性酸素に変化し、過剰に発生することによる体の酸化、糖分の過剰摂取により急激に血糖値が上昇することで起こる体の糖化、加齢によるホルモンの減少が挙げられます。

トラブルが起きやすくなった肌に潤いを与えてお手入れをすることを「エイジングケア」と呼びます。
エイジングケアはスキンケアをイメージしますが、それ以外に食習慣の改善も効果的であると考えられています。
エイジングケアにつながる食習慣について紹介します。

・食事は腹八分目までにする…満腹になるまで食べるのではなく、腹八分目にすることでカロリーの過剰摂取による体の糖化を防ぐことができ、老化の抑制が期待できます。ただし、食事を減らすことで栄養が偏らないように気をつけましょう。

・食べる順番を意識する…血糖値を緩やかに上昇させるためには、最初に食物繊維を含んだ野菜、次に肉や魚のたんぱく質、最後にごはんや麺などの炭水化物の順番で食べるのが理想です。

・エイジングケアに効果的な食べ物を摂取する…たんぱく質や野菜は体の酸化を防ぐ抗酸化作用があり、豆腐や納豆など大豆イソフラボンを含んだ食品はホルモンの働きを補う効果があります。

生活習慣を整えることで体の内側からケアができるので、女性だけでなく男性にも効果的です。
食生活を見直し、冬の乾燥に負けない肌をつくりましょう。

                           管理栄養士 R.Y

※イラスト:イラストAC

令和5年度 倫理事例研修会 開催報告

カテゴリー: 勉強会 | 投稿日: | 投稿者:

9月27日(水)、日本臨床倫理学会副理事長の稲葉一人先生をお招きした倫理事例研修会が開催され、72名の職員が参加しました。昨年は新型コロナの影響でオンラインでの開催でしたが、今年は4年ぶりに対面で開催することができました。

日本臨床倫理学会副理事長 稲葉一人 先生

まず稲葉先生から「臨床倫理の基礎」についてのご講演をいただき、その後4階西病棟の「身体抑制緩和に苦慮した事例」、南町ケアプラン室の「本人の真の意向に寄り添う事の難しさを感じた事例」の2事例について、多職種で構成された8グループで検討会を行いました。

検討会ではどのグループも活発な意見交換ができ、多くの意見・提案が発表されました。苦慮したことへの共感や、違った視点からの意見が得られたようで、事例を提出した2部署の職員の晴れやかな表情が印象的でした。
臨床現場での悩みやモヤモヤした気持ちを共有して様々な視点からの意見を出し合うことで、現場での不安の解消や患者さんの思いに寄り添ったケアの提供につなげていくことができると実感できました。

今後も医療倫理コンサルテーションチームの一員として、日頃職員の皆さんが業務上直面する倫理的課題に対する不安やモヤモヤを解消する一助となれればと思います。

医療倫理コンサルテーションチーム
放射線部 F