日別アーカイブ: 2026年6月17日(水曜日)

【書籍紹介】認知症の世界を「旅」してみませんか?『認知症世界の歩き方』

カテゴリー: 認知症疾患医療センター | 投稿日: | 投稿者:

こんにちは。
認知症疾患医療センターでは、日々認知症のご相談をお受けしていますが、ご家族やケアをする方から「本人の気持ちがどうしてそんな行動をとるのかわからない」というお悩みを伺うことがよくあります。
そんな時、私たち専門職も、そしてご家族にもぜひ一度手に取っていただきたい一冊をご紹介します。

今回ご紹介するのは、『認知症世界の歩き方』(筧 祐介 著)という本です。

この本の最大の特徴は、認知症を「病気」として解説するのではなく、「認知症という特性を持った人が住む、別の世界」を訪れる「ガイドブック」として構成されている点です。

例えば、「時間感覚がずれる(時間がわからなくなる)」ことを「時計が壊れた世界」、「物盗られ妄想」を「自分の持ち物が消えてしまう異変」というように、当事者の方が「なぜそのように感じているのか」を、まるで旅行記のようなタッチで描いています。
読み進めていくうちに、私自身も「なるほど、本人からは世界がこう見えていたのか!」と、これまでの支援の視点がガラリと変わるような新鮮な驚きがありました。

「困った行動」に見えていたことが、実は「本人なりの理由」に基づいた精一杯の自己防衛や、意思表示であることに気づかされます。この視点を持つだけで、ケアをする側の心の持ちようや、言葉のかけ方が少し優しくなれるような気がします。

精神保健福祉士として相談に乗る際、一番大切にしているのは「相手の世界観を共有する」ことです。この本は、そのための想像力を養う最高のパートナーになってくれるはずです。

認知症と向き合っている方はもちろん、ご家族の方、そして医療・介護に携わる全ての職員の皆さんにも、ぜひ読んでいただきたい一冊です。

当センターでは、こうした認知症に関する書籍をいくつか置いており、ご希望の方には貸し出しも行っています。お越しの際は、ぜひ覗いてみてください。

精神保健福祉士 K