旅行を楽しむために

カテゴリー: 糖尿病療養指導士 | 投稿日: | 投稿者:

一月は行く、二月は逃げる、三月は去ると言われますが、早いもので、一月が終わろうとしています。

年末年始は最大9連休だったこともあり、多くの方が帰省をしたり、海外旅行に行かれたりしたのではないでしょうか。
また、厳しい寒さも、日中は少しずつ和らいできており、これから旅行を計画している方もいらっしゃるのではないでしょうか。

糖尿病治療中に旅行を計画する場合、注意すべき点がいくつかあります。

①低血糖対策
普段より運動量が増えたり、食事内容の偏りが生じたりすることで、低血糖を起こす可能性があります。低血糖に備えて、捕食やブドウ糖、グルカゴン点鼻液(商品名:バクスミー)を処方されている場合にはグルカゴン点鼻液を持参し、家族や同行者にも事前に知らせるようにしましょう。

②薬の保管
インスリンなどの注射薬は高温になる場所や直射日光が当たる場所で保管すると、変性を起こし、その機能が失われます。その結果、薬の効果が得られなくなってしまう可能性があります。逆に、凍ってしまった場合も、期待する効果が得られなくなる可能性があります。また、飛行機で海外旅行に行かれる際は、ロストバゲージの可能性も考えて、手荷物として治療薬や血糖自己測定器を機内に持ち込むことなどに留意する必要があります。

③シックデイルール
糖尿病治療中に発熱や下痢、嘔吐などを起こしたり、食事が十分にとれなかったりする状態をシックデイと言います。シックデイの時は血糖をうまくコントロールすることができない場合もあります。もし、旅行中に体調を崩してしまった時に、適切に対応できるように、シックデイルールについて理解しておく必要があります。
●水分を補給:脱水症状を起こしやすくなるので、1日に少なくとも1L以上の水分をとる。
●食事をとる:何も食べない状態は避ける。少ししか食べられないときは、こまめにとる。冷たい牛乳や炭酸飲料はひかえる。
●血糖値を測定:こまめに自己測定する。

 

他にも、旅行に際して留意すべき点がいくつかあるので、旅行に行く際は、必ず医療従事者に相談するようにしましょう。

糖尿病療養指導士 薬剤師 H.N

 

イラスト:イラストac