後鼻漏に鍼灸と漢方で効果

カテゴリー: ヘイセイ鍼灸治療院 | 投稿日: | 投稿者:

私が以前に後鼻漏の鍼灸治験というブログを書いた後、東京・神戸からも問い合わせる患者さんもおられました。結構な方がこれに悩んでいるようです。今回報告する患者さんは福岡から来られた方です。

患者さんは40代の女性、副鼻腔炎で6年前に手術を受けたことがあり。昨年の10月(3か月前)から鼻水が食道に逆流して食道に不快感があり、朝にたくさん薄い痰がでます。その他に以前から生理が来る時に頭痛、寝汗などの症状があり、普段肩こり、胃の不快感、食欲不振、四肢末端の冷えなどもあります。

命にかかわるような病気ではないが、患者さんの訴えでは鼻の症状にすごく苦しめられているようです。早く良くなるために、あっちこっちを訪ね、福岡から北海道まで治療に行かれたそうです。今回もわざわざ岡山に来られて、その治りたい意欲にたいへん感心しました。

漢方医学の理論から患者さんの体質状況を見れば、脾胃虚弱、寒滞中焦、痰飲内停という証です。証は漢方医学の専門用語で分かりにくいですが、簡単に言えば、この患者さんの体質は胃腸が弱く、お腹に冷えており、水の代謝に問題が起こっていることです。

これに対して、水分、陰交、足三里、豊隆、三陰交、下廉、合谷などのツボを使って、胃腸の機能と水の代謝を改善し、腹部の神闕と背中の胃兪、脾兪に灸をしてお腹の冷えを治療することにしました。遠いところから来られた方ですから、できるだけ早く体質を改善できるために、平成病院の和漢診療科に紹介して胃腸を温める安中散と人参湯を処方してくれました。患者さんは二泊三日間の滞在で3回鍼灸治療を受けた後、胃の不快感、食欲不振、鼻水の逆流などの症状が少し改善されました。その後、1か月半の間に3回岡山に通って全部12回鍼灸治療を受けた後、鼻の症状以外に頭痛、寝汗、肩こり、冷え症などの苦しんでいた症状は殆ど改善され、日常生活中の辛さがあまり感じなくなりました。

遠路から通うことは患者さんに非常に負担になると思って、更なる体質改善を実施するために、福岡で漢方診療できる医師に紹介して、治療を続けるようにしました。

 

ヘイセイ鍼灸治療院 甄 立学

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