後鼻漏の鍼灸治験例

カテゴリー: ヘイセイ鍼灸治療院 | 投稿日: | 投稿者:

こんにちは、今日は後鼻漏の治療例を紹介します。後鼻漏とは「鼻汁が鼻の前に流れてくる場合を前鼻漏(ぜんびろう)、のどの方へ落ちていく場合を後鼻漏(こうびろう)と言います。鼻汁がのどに落ちるため に起こる症状の総称を後鼻漏症候群と呼びます。通常、鼻、口、のどか ら1日1.2~1.5リットルの分泌液が出ており、その多くはのどを 通り胃に降りていきます。しかし、何らかの原因で鼻汁の量が多くなったり、通常時よりも粘り気がつよくなったりする(弾性と粘性の強い鼻汁になると)とのどの痛み、のどに タンがからまったような違和感、せき、口臭などの症状が強くなります。「いつも痰がからんだ感じがする」、「湿った咳がでる」などの症状が、実は後鼻漏という場合もあります。」と説明されています
80代の女性患者、数年前から鼻づまり、咳、朝に鼻の奥から口の中に降りた痰の塊が出る。本人は副鼻腔炎だと思っているが、数か所の耳鼻科で検査を受けたが、いずれも副鼻腔炎ではないと言われました。抗菌剤を服用したら、少し症状を軽減するが、飲まなかったら、また元通りに戻る。
この患者さんは数年前から腰痛、下肢のしびれで、当院で鍼灸治療を受けていたが、鼻の症状は耳鼻科で治療を受けているから、本人は鍼灸でこの症状を改善できないと思っているから、特に治療を求めなかったし、私も顔に鍼を刺すことを遠慮していたので、積極的に鍼灸治療を勧めなかった。
しかし、服薬でなかなか症状が改善されないので、鍼灸でも改善する方法があるかと患者から相談があったから、顔のツボに灸頭鍼をすれば、効果が得られるかもしれないと説明してみたら、患者さんはぜひ試してみたいと言われたので、巨髎(こりょう、目が正視して、瞳孔を通る垂線と鼻翼下端から横にひいた線との交点に取る)というツボに灸頭鍼(きゅうとうしん、鍼柄にもぐさを巻き付けて燃焼させるものである)を行ったら、症状は激的に改善された。鼻づまりが軽減、朝に喉に降りてくる分泌物の量もかなり減少した。それに伴う咳も少なくなった。
長年の症状で数回の鍼灸治療でこれほど効果が得られたことに、治療者としてもいささか驚いた。鍼灸療法は本当に人類医療資源の宝であることを改めて感心した。

ヘイセイ鍼灸治療院 甄立学
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