倉敷総合ケアセンター(倉敷老健)通所リハビリテーションの新たな試み ~動作介助が必要な方に対する穏やかで専門的な在宅生活支援~

カテゴリー: 通所リハビリテーション | 投稿日: | 投稿者:

革命中の通所リハビリテーションです.
「もっと利用者さまに提供できるサービスメニューを増やしたい! 利用者さまの潜在能力をもっと引き出したい」という思いから,プログラム内容の変更と部屋のレイアウトの変更に取り組んでいます。その取り組みを全5回連載しています。

前回の記事は→倉敷総合ケアセンター(倉敷老健)通所リハビリテーションの新たな試み
倉敷総合ケアセンター(倉敷老健)通所リハビリテーションの新たな試み
~リハビリ意欲が高い方編~
倉敷総合ケアセンター(倉敷老健)通所リハビリテーションの新たな試み~認知症状を有する方々と職員の笑顔が溢れる部屋づくり~

第4回目となります今回は、生活に介助が必要な方に対する穏やかな空間づくりについてご紹介致します。

個別性を重視した専門職連携とご家族とのつながり
この部屋は、専従の介護福祉士、看護師、リハビリスタッフ、言語聴覚士などさまざまな専門職種と連携を取りエビデンスに基づいたケアに取り組んでいます。お食事の飲み込みが悪い方や経管栄養等を使用しての食事を取られる方には看護師や言語聴覚士等、その方にあったケア方法を検討し、他職種協同のアプローチを心がけています。またご家族との連絡にはノートを用い、その日の利用者さまのご様子の報告や自宅での介護相談などの応対しています。

タクティールケアの導入
%e6%89%8b%e6%b5%b4手浴ではタクティールケアを取り入れています。保清するとともに、手の平や指の股を広げやすくなるよう努めています。ご家族からは「笑顔や発語が多くみられるようになった」 「手が動きやすくなった」などの嬉しいお言葉を頂いております。
詳しくは→「タクティールケア 日本スウェーデン福祉研究所

 

廃用症候群への対応%e9%9b%a2%e5%ba%8a
この症状は筋肉だけでなく内臓や血管などにも影響を及ぼしてしまいます.そのため、できるだけ寝たままにならずメリハリのある生活を行うよう努めています.しかし、急な離床時間延長は、かえって徐々に低下した体力には悪影響になってしまいます.そこで,他職種と連携を図り、少しずつその方に合わせて起きている時間を長くしするよう努めています。また、離床時間が長く感じないよう、他者との交流やプログラムの参加を促しています.そのような取り組みの結果、利用者さまの状態も少しずつではありますが発語や起きている時間が長くなってきています.
詳しくは→「廃用症候群サテライトケアセンター 仙台東

口まわりの能力低下防止への取り組み
%e5%9a%a5%e4%b8%8b%e4%bd%93%e6%93%8dお食事前にえん下体操を行っています。えん下とは舌や口の周り、首などの筋肉を使って食べ物や飲み物を喉の方へ送り込み、のどを通過した食べ物をさらに食道へ送り込む一連の動作のことです。えん下体操とはこの動作に必要な筋肉の体操です。
中にはご自分で体を動かすことが難しい方もおられます。その時は職員がご利用者様のお顔に触れて円を描くように頬10回→耳下腺10回→顎10回の順でマッサージを行います。それによって唾液が出やすくなり、誤嚥を予防することができます。楽しく安全にお食事を楽しんでいただくためにも、えん下体操は欠かせない存在になっています。

このように通所リハビリテーションでは体が思うように動きにくい方が安心して楽しく笑顔で生活できるように様々な取り組みを行っています。

第4回目は「動作介助が必要な方に対する穏やかで専門的な在宅生活支援」をテーマに取り組みをご紹介しました。
次回は「一番大きなお部屋」のプログラムや取り組みをご紹介します.
ご期待ください。
倉敷総合ケアセンター(倉敷老健)通所リハビリテーション
須増智美(介護福祉士)  野崎由里子(作業療法士)

※許可をいただいて写真を掲載しています。