カテゴリー別アーカイブ: ヘイセイ鍼灸治療院

手足しびれへの鍼灸治験一例

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70代の女性患者さんが手足のしびれ、疲労感を訴えてヘイセイ鍼灸治療院に来られました。20170124
2年前に両腕の肘から指先まで痛みが現れ、手の指は痛くて動きづらい。病院で「好酸球性多発血管炎性肉芽腫症」と診断され、薬治療とリハビリで痛みは改善、日常生活に差し支えないほど回復できました。しかし、その後、手足先のしびれを感じるようになりました。特に手指のしびれは強くて細かい動作が難しく、多少体を動かした後、肩から肘までの筋肉痛が出やすく、全身の疲労感を感じやすくなり、以前からの肩こり、軽いめまい、四肢末端の冷え、寝つきが悪いなどの症状も伴います。体型は細く、脈は細くて弱い、舌は淡白で歯痕と裂紋があり、胃の辺りにポチャッと振水音があります。
漢方医学の理論では、「しびれ」は「血虚」によるものが多く、疲れやすさや冷え症などは「気虚」の症状だと考えられます。振水音は水の代謝が弱くて、水毒の存在を示しています。総合的に体質を判断すれば、この患者さんは「気血両虚」(きけつりょうきょ)、「水毒停滞」(すいどくていたい)の体質だと考えました。
治療には、三陰交(さんいんこう)、水分(すいぶん)、上廉(じょうれん)、偏歴(へんれき)、陰陵泉(いんりょうせん)などのツボを取って、水分の代謝を改善し、足三里(あしさんり)、内関(ないかん)、合谷(ごうこく)、陰交(いんこう)などのツボで気血の生成を促しました。
1回目の鍼灸後、日課の朝の散歩をした時に、とても足が軽かったそうです。治療を重ねていくうちに、めまいや睡眠は改善し、疲れても翌日にはすっきり回復できると喜んでくれました。週1回の治療で2か月後に足のしびれは殆ど感じなくなり、手のしびれも少し改善され、指先の細かい動作が少しできるようになりました。現在治療は継続しています。

ヘイセイ鍼灸治療院 鍼灸師 MK

交通事故後の精神症状に対する鍼灸治療

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koutsu_jiko_car_man交通事故で肉体の損傷を起こす以外に、不安、不眠、頭痛、めまい、動悸、食欲不振などの精神神経的な症状を起こすこともよくあります。これらの症状に対して、鍼灸治療法ではいずれも良い効果が得られます。
最近、このような症状を持つ40代の男性患者を治療しました。この患者は、車追突事故に遭い、目立った外傷はなく、病院での検査にも特に肉体の異常が見られませんでした。しかし、事故から2週間後に、強い不安、不眠が現れて、同時に食欲もなくなりました。整形外科の先生からこの患者さんを精神科に紹介されましたが、患者さんは向精神薬の服用に抵抗感があり、担当医の許可を得て、鍼灸治療に来られました。
漢方医学の理論では、体内の気血は経絡を沿って一定のリズムで循環しています。打撲によって気血循環のリズムが乱れ、驚きによって気が散らばって纏まらなくなります。気が乱れれば、臓腑機能も乱れます。それによってさまざまな心身症状を起こすことができます。この場合、各臓腑の気血の乱れる程度によって、現れる症状も異なります。
この患者さんに現れた不眠は心気の乱れ、不安は腎気の乱れ、食欲不振は脾気の乱れによるものだと考えられます。これに対して、膻中(だんちゅう)、気海(きかい)、内関(ないかん)、公孫(こうそん)、腎兪(じんゆ)、脾兪(ひゆ)、心兪(しんゆ)などのツボを取って、心、腎、脾の気血の乱れを整えることにしました。
治療を始めてから、症状の改善がすぐ見られました。不安が大分減り、不眠も改善され、食事も普通に食べられるようになりました。ただ疲れる時や何かの都合で症状がまだ振り返ることがあります。週2回、2か月治療を続けているうちに、症状の振り返は殆どなくなりました。
ちなみに、自動車事故の場合、担当の医師と損害保険会社の同意を得られれば、鍼灸治療の費用は、損害保険会社が全額負担するので、患者自身の負担はありません。

ヘイセイ鍼灸治療院のサイトはこちら 電話:086-427-6688

ヘイセイ鍼灸治療院 甄立学

のぞみの会で体験鍼

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%e9%8d%bc%e7%81%b8%e3%83%96%e3%83%ad%e3%82%b0%e3%83%bb%e9%ac%bc%e6%89%8b%e5%9b%9e%e6%98%a5%e7%94%a8111月6日(日)第51回のぞみの会がありました。

ヘイセイ鍼灸治療院は、毎年ふれあいコーナーにて体験鍼を実施しており、患者さんから嬉しい声が多数聞かれます。このブログを読まれているあなたも、もちろん鍼灸院のコーナーには来ていただいたと思いますが、来られなかった方のためにどんな事をしていたか紹介したいと思います。

このコーナーは鍼初体験する機会になってもらえると嬉しいなと、思いを込めて毎年続けています。今年も先着20名限定のところ、開始時間前から予定人数を越える大勢の方々に集まっていただきました。毎年楽しみにしていると、声をかけてくださる経験者の方も居られます。初めての方は、興味があるけど分からないことが多いと言われますが、説明を受けて、実際に鍼を刺すことでより理解しやすいのではないかと感じています。

さらに、体験鍼と同時に甄 立学先生自ら厳選した、漢方茶を提供させていただいています。毎年変わる漢方茶は患者さんのみならず、我々スタッフも楽しみにしていて、今年はどんな種類が出てくるのかワクワクして待っていました。おいしそうなお菓子も用意されていましたよ。

今年は感冒茶(かんぼうちゃ)で、いわゆるカゼ予防茶でした。寒暖の差があり体調を崩しやすい季節に嬉しい一杯でこちらも好評でした。

構成:   金銀花(キンギンカ)   連翹(レンギョウ)

桔梗(キキョウ)     甘草(カンゾウ)

薄荷(ハッカ)      牛蒡子(ゴボウシ)

竹葉(チクヨウ)     荊芥(ケイガイ)

板藍根(バンランコン)

効用:  去風解表(風邪除去)  清熱解毒(抗菌消炎)

最後に、毎年来ていただける人数が増えていて我々は嬉しく思うと同時に、体験出来なかった方々や、説明が十分に聞けなかった方が居られたと聞きました。せっかく楽しみにして下さっていたのにそれでは残念です。なるべく皆様が満足していただけるように改善し、頑張りますので来年以降も鍼体験コーナーを応援よろしくお願いします。

鍼灸治療に興味がある方は、倉敷在宅総合ケアセンター4階に、ヘイセイ鍼灸治療院があります。是非、東洋医学の世界を覗いてみてください。相談だけでも結構です。

電話番号 086-427-6688

ヘイセイ鍼灸治療院 shima

季節はずれの「肝陽上亢」のめまい

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先日、めまいと疲労感を訴える50歳代の女性が来院されました。
2~3年前からふわふわするめまいが現れています。今年の春はとくにめまいが強く、夏に落ち着いていたそうですが、秋になってから症状が強くなりました。食欲はあり20161025ますが胸部のつかえ感があり、あまり食べることができないようです。症状が強く現れる以前から、精神的に落ち込むことが多く、睡眠不足、身体を休めることも少なかったそうです。この患者さんの脈は浮いており、舌に苔があまり無い、舌尖部に紅点がありました。

漢方医学の理論から、めまいによく見られる原因は、水毒(水の代謝異常で生じた病因物質)、気血不足、肝陽上亢(肝臓の陽気が過剰に興奮することで起こるもの)などが考えられます。水毒や気血不足の治療には主に脾経と胃経のツボを使いますが、肝陽上亢には主に肝経のツボを使います。この患者さんの体質から診れば、めまいは肝陽上亢によるものだと考えました。

漢方医学の理論では、「春生、夏長、秋収、冬蔵」という四季に応じて陽気の動きの規則があります。つまり、春は陽気が冬眠の静かな状態から目覚めて活発に動き出す時期です。この時期に肝臓の陽気が過剰に興奮すれば、春の活発な陽気の動きに合わせて、肝陽上亢の病理状態が起こりやすいといえます。

しかし、秋には収斂の時期で、陽気が降下して体内に納まりやすいはずなのに、なぜ肝陽上亢が起きたのでしょうか。原因は睡眠不足と過労気味による肝陰の過剰消耗と精神的な落ち込みによる肝気鬱滞にあります。陰が不足であれば、陽が上昇しやすく、肝気鬱滞によって鬱熱も生じやすいから、結果的には肝陽の興奮が秋の収斂の力を超えて、肝陽上亢を起こしてしまいました。脈の浮、苔があまり無い、舌尖部に紅点などは、陰虚陽亢のしるしだと考えられます。

これに対して、治療するには、肝陰を補う「肝兪」「太衝」、気鬱の改善に「膻中」「中脘」「気海」「期門」、肝陽を抑えながら陰を養う「肺兪」「尺沢」「太淵」、胃を整えて気血の生成を促す「脾兪」「足三里」「下巨虚」「三陰交」のツボを取りました。治療直後に胸部のつかえ感は緩和されました。初回治療後の4日目に来院された時は、めまいが緩和されたことを教えてくれました。まだ症状は残っているので、症状と体質改善のために現在治療を継続されています。

鍼灸院MK

背部兪穴で手指関節痛を治す

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60代の男性が頚椎症により頚腕部での神経痛で鍼灸治療を受けていました。頚椎症の症状が次第に改善された後、手指関節痛が現れました。特に両手の人差し指と薬指の第一関節と第二関節に痛みを感じやすいとの事でした。
鍼灸の経絡理論から見れば、人差し指は手の陽明大腸経の支配領域であり、薬指は手の三焦経の支配範囲ですから、治療は主にこの二つの経絡に鍼灸を実施しましたが、あまり効果が得られませんでした。
古人の文献を調べると、手指関節痛に相関臓腑の背部兪穴で治療すると効果が得られるという記載がありました。この経験を踏まえて、背中のツボを使って治療してみました。
使ったツボは主に大腸兪(第4と第5腰椎の間、中心から外側に1.5寸のところ)、三焦兪(第1と第2腰椎の間、中心から外側に1.5寸のところ)でした。これらのツボに刺鍼した後、人差し指と薬指の第2関節の痛みがほとんど消えました。ただ右手の薬指の第2関節にまた少し痛みが残っていました。背部の兪穴がよく効いたので、この度、腹部にある募穴を試してみました。薬指に関係する三焦経の募穴は石門です。このツボはへその下の2寸のところにあります。このツボを刺鍼した後、右手の薬指の第2関節の痛みも完全に消えました。
鍼灸治療の取穴法には、背中にある臓腑の兪穴と腹部にある臓腑の募穴を組み合わせる取穴法があり、この患者さんの治療にこの方法を取り入れて実施した結果、非常に良い効果が得られました。
「手指関節痛なのに、なぜ背中やお腹のあまり関係がないところに鍼をして効果が得られるだろうか」と不思議に思われる方もおられるかもしれません。これは漢方医学の臓腑理論や経絡理論がなければ、確かに理解しがたいです。しかし、こんなことがあるから、鍼灸治療の素晴らしさと面白さを度々感じさせられます。

ヘイセイ鍼灸治療院 甄 立学

気の作用

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連日、厳しい暑さが続いておりますが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか。鍼灸院スタッフは誰も体調を崩すことなく元気です!!
さて、元気の「気」の部分ですが、皆さんは「気」だけ聞くと胡散臭い感じがする方が多いのではないでしょうか。しかし、「気」が入っている単語は日常生活で多く使われているはずです。例えば、先ほどの元気、または病気、陽気、寒気、本気、根気、正気、眠気、気合、気丈などなど。知らない間に「気」という言葉を使っていることに「気」が付くのではないでしょうか。東洋医学ではこの「気」の働きが重要で、「気」が人体にどのように作用しているのか、今回は紹介したいと思います。
鍼灸まず、「気」というのは、活力があり休むことなく活動し、人体の正常な生理状態の維持に大きく関わっています。それぞれ「気」には作用があり、それにより生命活動が出来ていると考えられています。その作用の一つ、推動作用は人体の成長、精神、血の生成など推動作用により正常に行われています。もし推動作用が弱まれば精、血の生成不足およびその運行、散布が遅れ病理変化が現れるようになります。他にも、温煦作用は体を温め、寒さを排除してくれる働きがあります。体温を一定で保てるのはこの作用があるからなのです。さらに、固摂作用は体内の精、血液などの液体物質の不要な流失を防ぐことができ、血管の血が漏れず流れ、汗や尿、唾液、精液など正しい排出を促します。そして今回、一番紹介したかったのが防御作用です。これは皮膚表面を守り、同時に体内に入り込んだ邪気を排除する働きがあります。察しが良い人は分かったのではないでしょうか、「気」の防御作用が正常なら、邪気は進入できず、進入されても病気を発病しにくく、治りやすいのです。まさに皆さんが認識している元気の状態です。
最後に、今年の夏も暑くて大変ですが「気を抜かず、体調に気をつけて」乗り切りましょう!!
以上、鍼灸院からの少しばかりの「気遣い」でした。

ヘイセイ鍼灸治療院 shima

腰痛の鍼灸治験

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今年の3月ごろ、腰痛を訴えて70歳代の女性が来院されました。
来院される4日前に草取りを始めて、その翌日から症状が現れました。立ち上がったり、歩いたり20160627など動く時に腰全体から股関節にかけて痛みます。その他に慢性的な手足の冷えや頻尿、足首に軽いむくみもありました。腹部を触ると、全体的に張っており、下腹は冷えていて押さえると軽い痛みもあります。
最初は腰の筋肉疲労を考えて腰部・下肢を中心に鍼灸を行いましたが、直後は症状が軽減するもまた痛み出すということで、2回目は腹部を中心に施術を行いました。
この患者さんの体質判断において、舌診では舌の色は白っぽく、白苔があり、脈は大きいが力は弱いことから『腎気虚』『痰湿停滞』が考えられます。
『痰湿停滞』は胃腸機能が上手く働かず、水分代謝が滞り、体内に余計な水分が溜まった状態で、さらに水分が濃縮してネバネバとして動きづらくなっていることをいいます。水分が身体に多いと、冷えやすい・むくみやすいなどの症状が現れます。東洋医学でいうところの『腎』は生命を維持するエネルギーを蓄え、体内の水分をコントロールする働きがあります。
これに対して治療は、天枢・足三里で胃腸機能を整え、水道・陽陵泉で水分代謝の改善を図り、照海・三陰交で腎を補い、下腹部の気海というツボに温灸をし、全身への気の流れが改善されるようにと、大腸兪・環跳のツボで腰下肢の流れを良くするように配穴しました。直後から症状も軽減し効果も持続してくれたようです。無理をしたら症状が現れそうになるのでしばらく施術は続けられていましたが、最近は自信が付いてきたと喜ばれていました。
この患者さんの場合、腎の機能が低下することで全身の循環がうまくできず疲労が溜まりやすく、もともと痰湿もあったので局所の施術だけでは症状の改善が見られなかったように思います。体質に合った配穴、施術方法で効果も変わってくるので、体質判断の重要性を改めて実感しました。

鍼灸院 MK

足底筋膜炎の陰と陽

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ブログ最近、60代の女性の患者さんは足底部の痛みで鍼灸治療に来られました。症状は半年前から、当時には右の踵を中心に痛みと腫れがありましたが、今は局部の腫れがなくなり、痛みの範囲も縮小しましたが、右踵の痛みは依然残っています。特に朝起床後初めて床に踏むときに痛みが感じやすく、その他にダンスやゴルフなどの運動時と運動後に痛みが現れやすい。今まで、鍼灸、整体、電気治療などを受けていましたが、なかなか改善されませんでした。
訴えられた症状から、痛みの原因は足底筋膜炎によるものだと考えました。今まで当鍼灸治療院では数人このような患者さんを治療したことがあり、いずれも良い効果が得られました。その経験を踏まえて、この患者さんに対しても、主に太陽膀胱経のツボである項部の天柱、腰部の腎兪に刺鍼し、右の踵の周りの太陽膀胱経のツボに灸頭鍼(ツボに刺している鍼の柄にモグサを巻き付けて燃焼させる方法)を実施しました。
今までの患者さんには、この方法で治療後にすぐ効果が得られましたが、この患者さんには2回同じ方法で治療した後にも、全く効果が現れませんでした。そこで反省してもう一度体質状況を確認したところ、舌に苔があまりなく、乾燥しており、左手の関部と尺部の肝腎脈は虚弱であることが分かり、体質は肝腎陰虚だと判断しました。この体質に合わせて、少陰腎経のツボである足首内側の燃谷、太谿、復溜、築賓と胸部の兪府、太陰肺経のツボである肘内側の尺沢と手首内側の経渠などに刺鍼しました。この方法で治療した後、すぐ効果が得られました。さらに数回治療しているうちに、症状はほとんど改善されました。
踵の外側には太陽膀胱経が通っており、内側には少陰腎経が通っています。この二つの経絡の流れの異常はすべて足底筋膜炎の症状を起こすことができます。太陽膀胱経の場合、冷えによる循環障害が原因になっているので、局部に灸頭鍼を実施すれば、効果が得られやすいが、少陰腎経の場合、陰虚による筋膜の乾燥が原因になっているから、同じように灸頭鍼を行っても、効果が得られないばかりか、逆効果になる場合もあります。
この症例から、鍼灸治療には体質判断の重要さをもう一度実感させられました。足底筋膜炎にも陰と陽の体質の違いがあり、その体質を正しく判断したうえで、治療を施して、はじめて良い効果が得られます。

ヘイセイ鍼灸治療院 甄 立学

「養生訓」の教え

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こんにちは!!暖かくなり気持ちの良い日が続いていますね。しかし油断禁物、これから梅雨や気温がどんどん上がって、また過ごしにくい時期がやってきます。なんとか、養生をして体調が悪くならないようにしたいものです。

 

さて、今回鍼灸院が紹介したいのは本です。作者は貝原益軒(かいはらえきけん)という、江戸前・中期の儒者です。なんとこの方、江戸時代の寿命が50歳以下だったと言われているなか、85歳まで生きたすごい方なのです。長生きした事もすごいのですが、この方が書いた本がまたすごいのです。その名も「養生訓(ようじょうくん)」現代でも通用する健康指導本です。
ところで、皆さんは自分なりの健康法を持っているのではないでしょうか。さらに言えば、これは健康に良い、悪いという知識が備わっているのではないですか??今では当たり前の健康知識の事を、江戸時代に書かれた養生訓には、もう書いてあるのです。それは、食事や睡眠、行動の仕方や精神の保ち方など、多岐にわたり素晴らしい指導が残されています。実は、その中に鍼灸の事も書かれており、こうしたら良い、これはやってはいけないなど、当時の健康法として鍼灸が広く使われ、庶民の役に立っていたのだなと感心しました。ヘイセイ鍼灸治療院でも、養生訓の教えを取り入れ、施術に応用している部分があり、先人の教えに感謝ですね。しかし、この本を読んでいくと私自身の生活は、いかに堕落して恥ずかしいものか、痛感します。反省。
私の事はさておき、どのような内容が書かれているのか気になる方は、ヘイセイ鍼灸院で聞いてもらうのも良し、インターネットでも文を読む事ができます。現代語訳され読みやすくなっているし、内容も現代に通用します。ぜひ養生訓を読んでみて、あなたの健康維持に役立ててみてはいかがでしょうか。

ヘイセイ鍼灸治療院 甄 立学
ヘイセイ鍼灸治療院 電話086-427-6688 お気軽にお問い合わせください。

耳鳴りの鍼灸治験例

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鍼灸先日、耳鳴りの症状を訴えて60歳代女性の方が来院されました。この患者さんは5年前にもめまい、耳鳴りで鍼灸治療を受けて症状が改善されたので、今回は耳鳴りが現れてすぐに来院してくれました。症状が現れたきっかけは、補聴器を1日中着けたことでした。今まで補聴器を使用し、たことがないので、初めて試しに使ってみましたが、不慣れで音量を上げ過ぎたのではないかと反省していました。
患者の体質は元々肝腎陰虚があり、今は春の季節で、陽気が上昇する時期です。陰虚の体質に慣れない騒音の刺激を受けて、肝陽の過剰上昇によって耳鳴りが起こしたのだと考えました。
これに対して、太衝(たいしょう)、然谷(ねんこく)、復溜(ふくりゅう)、湧泉(ゆうせん)などのツボを使って肝腎の陰を補うとともに肝陽の亢進を抑え、下関(げかん)、足三里(あしさんり)、内関(ないかん)、気海(きかい)などのツボを使って、騒音のストレスによって起こした気血の乱れを整えることにしました。
2回目の治療後には症状が軽減しました。とくに治療翌日は耳鳴りが治まり、気分もすごく良かったということです。現在も治療を継続されています。
今回は早めに来院して下さったこともあり、とても早い段階で効果が現れてくれました。

ヘイセイ鍼灸治療院 鍼灸師 M.K