カテゴリー別アーカイブ: ヘイセイ鍼灸治療院

のぞみの会で体験鍼

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%e9%8d%bc%e7%81%b8%e3%83%96%e3%83%ad%e3%82%b0%e3%83%bb%e9%ac%bc%e6%89%8b%e5%9b%9e%e6%98%a5%e7%94%a8111月6日(日)第51回のぞみの会がありました。

ヘイセイ鍼灸治療院は、毎年ふれあいコーナーにて体験鍼を実施しており、患者さんから嬉しい声が多数聞かれます。このブログを読まれているあなたも、もちろん鍼灸院のコーナーには来ていただいたと思いますが、来られなかった方のためにどんな事をしていたか紹介したいと思います。

このコーナーは鍼初体験する機会になってもらえると嬉しいなと、思いを込めて毎年続けています。今年も先着20名限定のところ、開始時間前から予定人数を越える大勢の方々に集まっていただきました。毎年楽しみにしていると、声をかけてくださる経験者の方も居られます。初めての方は、興味があるけど分からないことが多いと言われますが、説明を受けて、実際に鍼を刺すことでより理解しやすいのではないかと感じています。

さらに、体験鍼と同時に甄 立学先生自ら厳選した、漢方茶を提供させていただいています。毎年変わる漢方茶は患者さんのみならず、我々スタッフも楽しみにしていて、今年はどんな種類が出てくるのかワクワクして待っていました。おいしそうなお菓子も用意されていましたよ。

今年は感冒茶(かんぼうちゃ)で、いわゆるカゼ予防茶でした。寒暖の差があり体調を崩しやすい季節に嬉しい一杯でこちらも好評でした。

構成:   金銀花(キンギンカ)   連翹(レンギョウ)

桔梗(キキョウ)     甘草(カンゾウ)

薄荷(ハッカ)      牛蒡子(ゴボウシ)

竹葉(チクヨウ)     荊芥(ケイガイ)

板藍根(バンランコン)

効用:  去風解表(風邪除去)  清熱解毒(抗菌消炎)

最後に、毎年来ていただける人数が増えていて我々は嬉しく思うと同時に、体験出来なかった方々や、説明が十分に聞けなかった方が居られたと聞きました。せっかく楽しみにして下さっていたのにそれでは残念です。なるべく皆様が満足していただけるように改善し、頑張りますので来年以降も鍼体験コーナーを応援よろしくお願いします。

鍼灸治療に興味がある方は、倉敷在宅総合ケアセンター4階に、ヘイセイ鍼灸治療院があります。是非、東洋医学の世界を覗いてみてください。相談だけでも結構です。

電話番号 086-427-6688

ヘイセイ鍼灸治療院 shima

季節はずれの「肝陽上亢」のめまい

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先日、めまいと疲労感を訴える50歳代の女性が来院されました。
2~3年前からふわふわするめまいが現れています。今年の春はとくにめまいが強く、夏に落ち着いていたそうですが、秋になってから症状が強くなりました。食欲はあり20161025ますが胸部のつかえ感があり、あまり食べることができないようです。症状が強く現れる以前から、精神的に落ち込むことが多く、睡眠不足、身体を休めることも少なかったそうです。この患者さんの脈は浮いており、舌に苔があまり無い、舌尖部に紅点がありました。

漢方医学の理論から、めまいによく見られる原因は、水毒(水の代謝異常で生じた病因物質)、気血不足、肝陽上亢(肝臓の陽気が過剰に興奮することで起こるもの)などが考えられます。水毒や気血不足の治療には主に脾経と胃経のツボを使いますが、肝陽上亢には主に肝経のツボを使います。この患者さんの体質から診れば、めまいは肝陽上亢によるものだと考えました。

漢方医学の理論では、「春生、夏長、秋収、冬蔵」という四季に応じて陽気の動きの規則があります。つまり、春は陽気が冬眠の静かな状態から目覚めて活発に動き出す時期です。この時期に肝臓の陽気が過剰に興奮すれば、春の活発な陽気の動きに合わせて、肝陽上亢の病理状態が起こりやすいといえます。

しかし、秋には収斂の時期で、陽気が降下して体内に納まりやすいはずなのに、なぜ肝陽上亢が起きたのでしょうか。原因は睡眠不足と過労気味による肝陰の過剰消耗と精神的な落ち込みによる肝気鬱滞にあります。陰が不足であれば、陽が上昇しやすく、肝気鬱滞によって鬱熱も生じやすいから、結果的には肝陽の興奮が秋の収斂の力を超えて、肝陽上亢を起こしてしまいました。脈の浮、苔があまり無い、舌尖部に紅点などは、陰虚陽亢のしるしだと考えられます。

これに対して、治療するには、肝陰を補う「肝兪」「太衝」、気鬱の改善に「膻中」「中脘」「気海」「期門」、肝陽を抑えながら陰を養う「肺兪」「尺沢」「太淵」、胃を整えて気血の生成を促す「脾兪」「足三里」「下巨虚」「三陰交」のツボを取りました。治療直後に胸部のつかえ感は緩和されました。初回治療後の4日目に来院された時は、めまいが緩和されたことを教えてくれました。まだ症状は残っているので、症状と体質改善のために現在治療を継続されています。

鍼灸院MK

背部兪穴で手指関節痛を治す

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60代の男性が頚椎症により頚腕部での神経痛で鍼灸治療を受けていました。頚椎症の症状が次第に改善された後、手指関節痛が現れました。特に両手の人差し指と薬指の第一関節と第二関節に痛みを感じやすいとの事でした。
鍼灸の経絡理論から見れば、人差し指は手の陽明大腸経の支配領域であり、薬指は手の三焦経の支配範囲ですから、治療は主にこの二つの経絡に鍼灸を実施しましたが、あまり効果が得られませんでした。
古人の文献を調べると、手指関節痛に相関臓腑の背部兪穴で治療すると効果が得られるという記載がありました。この経験を踏まえて、背中のツボを使って治療してみました。
使ったツボは主に大腸兪(第4と第5腰椎の間、中心から外側に1.5寸のところ)、三焦兪(第1と第2腰椎の間、中心から外側に1.5寸のところ)でした。これらのツボに刺鍼した後、人差し指と薬指の第2関節の痛みがほとんど消えました。ただ右手の薬指の第2関節にまた少し痛みが残っていました。背部の兪穴がよく効いたので、この度、腹部にある募穴を試してみました。薬指に関係する三焦経の募穴は石門です。このツボはへその下の2寸のところにあります。このツボを刺鍼した後、右手の薬指の第2関節の痛みも完全に消えました。
鍼灸治療の取穴法には、背中にある臓腑の兪穴と腹部にある臓腑の募穴を組み合わせる取穴法があり、この患者さんの治療にこの方法を取り入れて実施した結果、非常に良い効果が得られました。
「手指関節痛なのに、なぜ背中やお腹のあまり関係がないところに鍼をして効果が得られるだろうか」と不思議に思われる方もおられるかもしれません。これは漢方医学の臓腑理論や経絡理論がなければ、確かに理解しがたいです。しかし、こんなことがあるから、鍼灸治療の素晴らしさと面白さを度々感じさせられます。

ヘイセイ鍼灸治療院 甄 立学

気の作用

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連日、厳しい暑さが続いておりますが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか。鍼灸院スタッフは誰も体調を崩すことなく元気です!!
さて、元気の「気」の部分ですが、皆さんは「気」だけ聞くと胡散臭い感じがする方が多いのではないでしょうか。しかし、「気」が入っている単語は日常生活で多く使われているはずです。例えば、先ほどの元気、または病気、陽気、寒気、本気、根気、正気、眠気、気合、気丈などなど。知らない間に「気」という言葉を使っていることに「気」が付くのではないでしょうか。東洋医学ではこの「気」の働きが重要で、「気」が人体にどのように作用しているのか、今回は紹介したいと思います。
鍼灸まず、「気」というのは、活力があり休むことなく活動し、人体の正常な生理状態の維持に大きく関わっています。それぞれ「気」には作用があり、それにより生命活動が出来ていると考えられています。その作用の一つ、推動作用は人体の成長、精神、血の生成など推動作用により正常に行われています。もし推動作用が弱まれば精、血の生成不足およびその運行、散布が遅れ病理変化が現れるようになります。他にも、温煦作用は体を温め、寒さを排除してくれる働きがあります。体温を一定で保てるのはこの作用があるからなのです。さらに、固摂作用は体内の精、血液などの液体物質の不要な流失を防ぐことができ、血管の血が漏れず流れ、汗や尿、唾液、精液など正しい排出を促します。そして今回、一番紹介したかったのが防御作用です。これは皮膚表面を守り、同時に体内に入り込んだ邪気を排除する働きがあります。察しが良い人は分かったのではないでしょうか、「気」の防御作用が正常なら、邪気は進入できず、進入されても病気を発病しにくく、治りやすいのです。まさに皆さんが認識している元気の状態です。
最後に、今年の夏も暑くて大変ですが「気を抜かず、体調に気をつけて」乗り切りましょう!!
以上、鍼灸院からの少しばかりの「気遣い」でした。

ヘイセイ鍼灸治療院 shima

腰痛の鍼灸治験

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今年の3月ごろ、腰痛を訴えて70歳代の女性が来院されました。
来院される4日前に草取りを始めて、その翌日から症状が現れました。立ち上がったり、歩いたり20160627など動く時に腰全体から股関節にかけて痛みます。その他に慢性的な手足の冷えや頻尿、足首に軽いむくみもありました。腹部を触ると、全体的に張っており、下腹は冷えていて押さえると軽い痛みもあります。
最初は腰の筋肉疲労を考えて腰部・下肢を中心に鍼灸を行いましたが、直後は症状が軽減するもまた痛み出すということで、2回目は腹部を中心に施術を行いました。
この患者さんの体質判断において、舌診では舌の色は白っぽく、白苔があり、脈は大きいが力は弱いことから『腎気虚』『痰湿停滞』が考えられます。
『痰湿停滞』は胃腸機能が上手く働かず、水分代謝が滞り、体内に余計な水分が溜まった状態で、さらに水分が濃縮してネバネバとして動きづらくなっていることをいいます。水分が身体に多いと、冷えやすい・むくみやすいなどの症状が現れます。東洋医学でいうところの『腎』は生命を維持するエネルギーを蓄え、体内の水分をコントロールする働きがあります。
これに対して治療は、天枢・足三里で胃腸機能を整え、水道・陽陵泉で水分代謝の改善を図り、照海・三陰交で腎を補い、下腹部の気海というツボに温灸をし、全身への気の流れが改善されるようにと、大腸兪・環跳のツボで腰下肢の流れを良くするように配穴しました。直後から症状も軽減し効果も持続してくれたようです。無理をしたら症状が現れそうになるのでしばらく施術は続けられていましたが、最近は自信が付いてきたと喜ばれていました。
この患者さんの場合、腎の機能が低下することで全身の循環がうまくできず疲労が溜まりやすく、もともと痰湿もあったので局所の施術だけでは症状の改善が見られなかったように思います。体質に合った配穴、施術方法で効果も変わってくるので、体質判断の重要性を改めて実感しました。

鍼灸院 MK

足底筋膜炎の陰と陽

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ブログ最近、60代の女性の患者さんは足底部の痛みで鍼灸治療に来られました。症状は半年前から、当時には右の踵を中心に痛みと腫れがありましたが、今は局部の腫れがなくなり、痛みの範囲も縮小しましたが、右踵の痛みは依然残っています。特に朝起床後初めて床に踏むときに痛みが感じやすく、その他にダンスやゴルフなどの運動時と運動後に痛みが現れやすい。今まで、鍼灸、整体、電気治療などを受けていましたが、なかなか改善されませんでした。
訴えられた症状から、痛みの原因は足底筋膜炎によるものだと考えました。今まで当鍼灸治療院では数人このような患者さんを治療したことがあり、いずれも良い効果が得られました。その経験を踏まえて、この患者さんに対しても、主に太陽膀胱経のツボである項部の天柱、腰部の腎兪に刺鍼し、右の踵の周りの太陽膀胱経のツボに灸頭鍼(ツボに刺している鍼の柄にモグサを巻き付けて燃焼させる方法)を実施しました。
今までの患者さんには、この方法で治療後にすぐ効果が得られましたが、この患者さんには2回同じ方法で治療した後にも、全く効果が現れませんでした。そこで反省してもう一度体質状況を確認したところ、舌に苔があまりなく、乾燥しており、左手の関部と尺部の肝腎脈は虚弱であることが分かり、体質は肝腎陰虚だと判断しました。この体質に合わせて、少陰腎経のツボである足首内側の燃谷、太谿、復溜、築賓と胸部の兪府、太陰肺経のツボである肘内側の尺沢と手首内側の経渠などに刺鍼しました。この方法で治療した後、すぐ効果が得られました。さらに数回治療しているうちに、症状はほとんど改善されました。
踵の外側には太陽膀胱経が通っており、内側には少陰腎経が通っています。この二つの経絡の流れの異常はすべて足底筋膜炎の症状を起こすことができます。太陽膀胱経の場合、冷えによる循環障害が原因になっているので、局部に灸頭鍼を実施すれば、効果が得られやすいが、少陰腎経の場合、陰虚による筋膜の乾燥が原因になっているから、同じように灸頭鍼を行っても、効果が得られないばかりか、逆効果になる場合もあります。
この症例から、鍼灸治療には体質判断の重要さをもう一度実感させられました。足底筋膜炎にも陰と陽の体質の違いがあり、その体質を正しく判断したうえで、治療を施して、はじめて良い効果が得られます。

ヘイセイ鍼灸治療院 甄 立学

「養生訓」の教え

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こんにちは!!暖かくなり気持ちの良い日が続いていますね。しかし油断禁物、これから梅雨や気温がどんどん上がって、また過ごしにくい時期がやってきます。なんとか、養生をして体調が悪くならないようにしたいものです。

 

さて、今回鍼灸院が紹介したいのは本です。作者は貝原益軒(かいはらえきけん)という、江戸前・中期の儒者です。なんとこの方、江戸時代の寿命が50歳以下だったと言われているなか、85歳まで生きたすごい方なのです。長生きした事もすごいのですが、この方が書いた本がまたすごいのです。その名も「養生訓(ようじょうくん)」現代でも通用する健康指導本です。
ところで、皆さんは自分なりの健康法を持っているのではないでしょうか。さらに言えば、これは健康に良い、悪いという知識が備わっているのではないですか??今では当たり前の健康知識の事を、江戸時代に書かれた養生訓には、もう書いてあるのです。それは、食事や睡眠、行動の仕方や精神の保ち方など、多岐にわたり素晴らしい指導が残されています。実は、その中に鍼灸の事も書かれており、こうしたら良い、これはやってはいけないなど、当時の健康法として鍼灸が広く使われ、庶民の役に立っていたのだなと感心しました。ヘイセイ鍼灸治療院でも、養生訓の教えを取り入れ、施術に応用している部分があり、先人の教えに感謝ですね。しかし、この本を読んでいくと私自身の生活は、いかに堕落して恥ずかしいものか、痛感します。反省。
私の事はさておき、どのような内容が書かれているのか気になる方は、ヘイセイ鍼灸院で聞いてもらうのも良し、インターネットでも文を読む事ができます。現代語訳され読みやすくなっているし、内容も現代に通用します。ぜひ養生訓を読んでみて、あなたの健康維持に役立ててみてはいかがでしょうか。

ヘイセイ鍼灸治療院 甄 立学
ヘイセイ鍼灸治療院 電話086-427-6688 お気軽にお問い合わせください。

耳鳴りの鍼灸治験例

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鍼灸先日、耳鳴りの症状を訴えて60歳代女性の方が来院されました。この患者さんは5年前にもめまい、耳鳴りで鍼灸治療を受けて症状が改善されたので、今回は耳鳴りが現れてすぐに来院してくれました。症状が現れたきっかけは、補聴器を1日中着けたことでした。今まで補聴器を使用し、たことがないので、初めて試しに使ってみましたが、不慣れで音量を上げ過ぎたのではないかと反省していました。
患者の体質は元々肝腎陰虚があり、今は春の季節で、陽気が上昇する時期です。陰虚の体質に慣れない騒音の刺激を受けて、肝陽の過剰上昇によって耳鳴りが起こしたのだと考えました。
これに対して、太衝(たいしょう)、然谷(ねんこく)、復溜(ふくりゅう)、湧泉(ゆうせん)などのツボを使って肝腎の陰を補うとともに肝陽の亢進を抑え、下関(げかん)、足三里(あしさんり)、内関(ないかん)、気海(きかい)などのツボを使って、騒音のストレスによって起こした気血の乱れを整えることにしました。
2回目の治療後には症状が軽減しました。とくに治療翌日は耳鳴りが治まり、気分もすごく良かったということです。現在も治療を継続されています。
今回は早めに来院して下さったこともあり、とても早い段階で効果が現れてくれました。

ヘイセイ鍼灸治療院 鍼灸師 M.K

掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)の鍼灸治療

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掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)は、原因不明の難治性病気の一つです。主な症状は手掌や足の裏(足蹠)に膿疱と呼ばれる皮疹が数多く見られ、周期的に良くなったり、悪くなったりを繰り返します。皮疹が出始めに、よくかゆくなりますが、痛く感じる時もあります。特徴の一つに、胸部と背中に強く圧痛点が現れることがあります。これに対して、現代の医学では有効な治療法はありませんが、数年間症状が続いた後、自然治癒することも多いです。tubo
漢方医学から診れば、掌蹠膿疱症は心胸部に潜んでいる温熱の邪気によって起こされた症状です。この邪気は温熱の邪気に起こされた風邪の後に残された可能性が高いです。漢方医学ではこれを「余邪」と言います。邪気の量は少ないため、心胸部の症状を起こすほどの力がないから、邪気は手の太陰肺経、手の少陰心経、手の厥陰心包経の経絡に沿って掌に流れて行って膿疱疹を起こします。更に臓腑五行理論から考えれば、肺は腎の母であり、肺の邪気は腎に流れやすいので、腎に邪気が溜まれば、足の少陰腎経の経絡を沿って足の裏に流れて行って、そこに発疹を起こします。胸部と背中に強く圧痛点が現れることは、心胸部に邪気があることを示しています。
治療には、心胸部の邪熱を取り除く漢方薬でも効果がありますが、鍼灸治療でも効果が得られます。鍼灸治療の場合は、手の太陰肺経、手の少陰心経、手の厥陰心包経、足の少陰腎経の榮穴と兪穴をよく使います。榮穴は臓腑の熱を取り除く効果があり、兪穴は臓腑の機能を調節する効果ができるから、合わせて使えば、「温熱の余邪」を取り除き、臓腑機能を回復させる目的を達することができます。更に胸部と背中の圧痛点に刺鍼すれば、より邪気を追い出しやすくなります。
最近治療した例で女性(60代)患者は、13年前に発症、最初は掌だけに膿疱疹がありましたが、1年前から膿疱疹が現れました。これに対して、上に述べた方法を使って、主に大陵、労宮、神門、少府、太淵、魚際、太谿、然谷などのツボと胸背部の圧痛点を取穴して、週に1回、3カ月治療を続けた結果、手足の膿疱疹は殆ど消えました。治療前に掌の皮膚は分厚くて硬かったのですが、治療後、普通の柔らかい皮膚に戻りました。

ヘイセイ鍼灸治療院 甄 立学
ヘイセイ鍼灸治療院、電話086-427-6688 お気軽にお問い合わせください。

頭のてっぺん

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新年あけましておめでとうございます!!2016年最初の鍼灸院ブログは、頭のてっぺんにある「百会(ひゃくえ)」というツボを紹介したいと思います。ところで、頭のてっぺんを押すと下痢になる。こんな噂は皆さん聞いたことがありませんか??僕は、子供の頃にその噂を信じ、友達同士でふざけて遊んだ事があるのを覚えています。その時、本当に下痢になったかどうかは覚えていませんが、このツボにそんな効果があるのか、他にはどのような効果があるのか、説明していきましょう。20160126
まず、頭のてっぺんにある「百会」の見つけ方ですが、両耳の先をつないだ線上の真ん中が「百会」になります。なので、比較的見つけやすいツボだと思います。次にどんな効果が期待できるのかですが、効果はたくさんあります…。
効果はたくさんありますと、びっくりするような幼稚な事を書きましたが、それが「百会」のツボに込められた意味にもなっています。「百」にはたくさんのという意味が込められており、多種、多様の症状に効果がある、まさに、「百病」に効くとされた万能ツボなのです。
さて、百病に効くとされた万能ツボと知っていただいたところで、僕が最近治療に使った症状は、自律神経失調症、不眠、ストレス、頭痛、頭重感、耳鳴り、鼻詰まりや、血行不良や低血圧、眼精疲労、抜け毛、痔などなど、様々な不定愁訴にも効果が期待でき、頭や体のスッキリ感を出すのに、使える癒しのツボでなので、治療には重宝しています。頭に鍼や灸は怖いと言う方もいますが、頭蓋骨に守られていますので、脳には刺さりませんので安心していただいて大丈夫ですよ。
最後に、頭のてっぺんのツボ百会を押すと下痢になるのか調べていると、むしろ下痢にも効果があると記述がありました。子供の頃に信じていた噂は間違ったものでしたね。どこからそんな噂がでたのやら。ただ、頭部への刺激が合わない方も居るのが事実です。万能のツボだから、自分でたくさん刺激したら良いというわけではありません。過刺激で気分や体調が優れなくなる事があります。どれくらい刺激して良いか分からない方は、鍼灸師が判断して刺激してくれますので、お任せして施術を受けたほうが無難だと思います。以上、頭のてっぺんのツボ百会の話でした。

ヘイセイ鍼灸治療院 鍼灸師 shima