AST(抗菌薬適正使用支援チーム)の活動について当院に2名の「感染制御認定薬剤師」が誕生しました

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抗菌薬の不適切な使用を背景として薬剤耐性菌が世界的に増加する一方、新たな抗菌薬の開発は減少傾向にあり国際社会でも大きな課題となっています。2015 年の世界保健総会では薬剤耐性(AMR:Antimicrobial Resistance)に関するグローバル・アクション・プランが採択され、加盟各国には薬剤耐性に関する国家行動計画を策定することが求められています。そのような社会背景から、多くの医療機関で、抗菌薬適正使用支援チーム(AST:Antimicrobial Stewardship Team)が立ち上げられ活動しています。ASTとは、その名の通り、抗菌薬の適正使用を通して感染症診療を支援し、医療経済性や薬剤耐性菌増加を抑制することを目的として活動する多職種チームです。

AST活動においては、薬剤師がその専門性を発揮して介入することが期待されています。このたび、市川大介薬剤部長、古谷佳美さんの薬剤師2名が、日本病院薬剤師会が認定する「感染制御認定薬剤師」の認定を取得しました。この資格取得には、5年以上の薬剤師実務経験、3年以上の感染対策従事経験、日病薬病院薬学認定薬剤師(生涯研修履修認定薬剤師)の認定、必要単位数の感染制御関連講習会等への参加、感染制御に従事した20症例のレポート提出、感染制御認定薬剤師認定試験の合格など、いくつかの厳しい基準をクリアする必要があり、岡山県全体でも20名程度しか認定されていない資格です。

当院では2012年10月からICDラウンドとして活動を開始し、2016年からは、その名称をASTラウンドに変更しました。ASTラウンドは毎週1回、水曜午後に、毎回3症例程度をピックアップし、約30分かけて実施しています。介入対象は、重症感染症、薬剤耐性菌が検出されている症例、届出対象抗菌薬が使用されている症例、起因菌の感受性結果と抗菌薬選択が適当でない症例、抗菌薬投与量の過不足や長期投与の可能性がある症例、検査項目の追加による治療支援、感染症以外の発熱が考えられる症例など、多岐にわたります。また、スタッフへの感染対策に対するアドバイスなど職員教育も行っています。現在は、3名の薬剤師(市川、古谷、齋藤)が、ICD(Infection Control Doctor)で感染対策委員長の呼吸器科・矢木部長、加納感染対策師長、藤田臨床検査技師、細田看護師長、病棟リンクナースと一緒にラウンドに参加しています。

薬剤部では、ASTラウンド以外にも、バンコマイシンなどの抗MRSA薬の設計支援、抗菌薬の選択・投与量などに関する相談に対応しており、今後も当院の感染症治療の質を少しでも高めることに貢献できればと考えています。抗菌薬や感染症治療に関する相談があれば、薬剤部を窓口として、ASTに気軽にご相談いただければと思います。今後とも、AST活動へのご協力を宜しくお願い致します。

感染対策部・薬剤部 いっちー

鬼は外!福は内!ショートステイは笑顔いっぱい(^^)/

こんにちは★ケアセンターショートステイです!!
1月は「いぬる」2月は「逃げる」3月は「去る」と言いますが、本当に時が
過ぎるのは早いもので、もう2月も中旬★★

ところで、2月と言えば♪節分♪今年の恵方は東北東★★
ショートステイでも毎年恒例の節分の行事会を開催しました(^o^)
節分と言えば「豆まき」ですが、今年は、職員が手作りで作成した恵方巻き・青鬼
・赤鬼などのカードを使用し「絵合わせゲーム」をしました。絵が2枚合った瞬間に
「ヤッター!!」と微笑ましい声と共に笑顔がたくさん見られました(^_^)v
また、ホールの壁には、利用者様に色を塗って頂いた色とりどりの鬼たちを飾り、
節分行事に花を添え、利用者様と一緒に楽しい時間を過ごすことが出来ました★

今年も皆さんが健康で、福に溢れ、笑顔いっぱいな年になりますように願っております☆
行事会に参加してくださった皆さんありがとうございました!!
参加できなかった方は、来年是非参加くださいね(^_^)v

ペンネーム   春恋

うまみが大事~糖尿病療養指導士より~

カテゴリー: 糖尿病療養指導士 | 投稿日: | 投稿者:

味覚とは、「苦味」「酸味」「甘味」「塩味」「うま味」の5つの基本味から成り立ち、口に入れてよいものと悪いものを識別する本能的な役割を担っています。苦味は毒物のシグナルであり、酸味は腐敗物のシグナルです。なので動物は苦味や酸味を有するものは本能的に口に入れません。一方で、甘味は糖、塩味はミネラル、うま味はアミノ酸のシグナルであり、動物も人間も必要なときに積極的に口に入れます。味覚は出生時から既に備わっており、成長発育に伴って変化します。

日本では急激な高齢化に伴って味覚障害者が増えているそうです。2003年には年間24万人が味覚障害と報告されており、この10年で10万人増えたと報道されています。

実は糖尿病の患者さんには味覚障害が多いと言われており、その理由としては神経障害が味覚神経に影響を及ぼしたり、糖尿病腎症によって味蕾の新陳代謝に欠かせない亜鉛が吸収されずに排出されてしまう影響などが考えられています。また、糖尿病が唾液腺の変化を引き起こし、唾液分泌が低下するため味覚障害を引き起こす可能性も高いのです。

味覚障害の人はその障害により味が分からないため、より濃い味を好み食事の味が濃くなる傾向にあり、その結果、糖分や塩分を取り過ぎてしまい高血圧や糖尿病を悪化させる危険性があります。
最近食事が美味しくない、欲しくないとか、物足りないので何にでも醤油をかけているような人は要注意。味覚障害かもしれません。

味覚障害のせいで糖尿病が悪化している!とまでは言いませんが、味覚障害を治しておいて損はなさそうだと思いませんか?そんな時の対応として、「うま味」で唾液分泌を改善する方法があるそうです。酸っぱいものは思い浮かべるだけでも唾液が出ますが、それは短時間。実は「うま味」たっぷりの昆布だしを口に含んだ方が長い時間唾液量を増やすことができることが報告されています。興味のある方は昆布だしで口をすすぎ、唾液の出る感覚を感じてみてください。食事療法による血糖コントロールをうまく行うためにも、唾液を増やして味覚を整えておきましょう。

※参考:さかえ12月号「味覚と健康」

糖尿病療養指導士、管理栄養士 A子

実は意外と多いかもしれない?後鼻漏

カテゴリー: ヘイセイ鍼灸治療院 | 投稿日: | 投稿者:

皆さんこんにちは。平成鍼灸治療院のmarupeiです。

立春が過ぎ、しばらく経ちましたが昨日は倉敷でも今年初めての雪景色。まだまだ寒い日が続きますが春はもうすぐそこに来ていますね。季節の変わり目には体調が崩れやすい方も多いと思います。

そこで今回は身近で起こるかもしれない、後鼻漏の事例を紹介したいと思います。

 鼻水の一部がのどに回るのは誰にでもある生理的な現象ですが、その量が多くなったり粘りが強くなってべったり付着したりすると不快感を伴うものを後鼻漏といいます。アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎でよくみられる症状ですが、とくに副鼻腔炎に伴う後鼻漏は痰や口臭の原因になるだけでなく、のどや気管を刺激して咳の原因になることもあります。

ある患者さんは、後鼻漏のため夜の眠りが浅くなるのが辛いので治療に来られました。

患者さんを東洋医学の観点から診察し、治療は胃腸の調子を整えるツボを多く配穴し治療しました。曲池(きょくち)、手三里(てさんり)、合谷(ごうこく)などの大腸経のツボ、足三里(あしさんり)、陰陵泉(いんりょうせん)、三陰交(さんいんこう)、公孫(こうそん)など体の水分を調整してくれるツボを選びました。そして鼻通(びつう)という鼻の両サイドにあるツボが治療効果を高めてくれたおかげか、患者さんは2回目に来院した時から「日中過ごすのが楽になり、夜も咳の回数が少し抑えられている気がする」と効果を実感されていました。現在は体質改善を目標として治療を継続されています。

冬になると鼻をすする音がよく聞こえてきますが、放っておくと辛い病気へと発展してしまうこともしばしば…。皆さんは暖かくしてこの冬を乗り越え、病気にかからない2019年にしましょう。

 

ヘイセイ鍼灸治療院 marupei

第100回 糖尿病料理教室

カテゴリー: 栄養科, 糖尿病療養指導士 | 投稿日: | 投稿者:

2月2日(土)に「第100回 糖尿病料理教室」を開催しました。今回はいつもと趣向を変えて、「ためになる講義」や「味噌汁の塩分濃度測定」「懐かしの秘蔵映像」「大抽選会」など100回記念に相応しく、盛りだくさんの内容をご用意しました。

「ためになる講義」では、倉敷生活習慣病センター開設当時に管理栄養士として勤務されていた小見山先生(現ノートルダム清心女子大学准教授)をはじめ、岩崎糖尿病認定看護師、小田薬剤師、青山診療部長にからの話が聞けました。お食事は100回記念の祝い寿司、味噌汁、国産無農薬レモンゼリーをご用意。味噌汁の塩分濃度を測り、自宅の味噌汁の味と0.8%の味の違いを感じていただきました。

食後には「片山理学療法士の血糖値を下げる体操」で楽しく運動をしたり、食後の血糖測定をして驚いたり、調理はしていませんが楽しい会になったのではないかと思います。
次回101回目は、花粉症対策をテーマに開催予定です。皆さんのご参加をお待ちしています。

 

【本日のメニュー】
○ 100回記念のお祝い寿司:酢飯には粒こんにゃくを加えボリュームアップし、砂糖の代わりにマービーを使用し糖分にも配慮。一皿でもバランスよくなるように、スモークサーモンや卵焼き、アボカド、菜の花など 具沢山で華やかな盛り付けで大満足!
○ 味噌汁(塩分濃度0.8%):昆布とかつお節でだしをとれば、味噌の使用量が減り減塩につながります。
○ 国産無農薬レモンゼリー:レモンはハチミツに漬け込むことで酸味がまろやかになります。

 

計580kcal
タンパク質31.6g  脂質15.1g  糖質81.9g  食物線維4.3g  塩分2.6g

※メニューご希望の方は倉敷生活習慣病センター受付にてお訊ねください

 

糖尿病療養指導士 E.O

理学療法科の臨床実習教育方法に関して視察を受けました

カテゴリー: リハビリテーション部 | 投稿日: | 投稿者:

倉敷平成病院 理学療法科では年間9校の養成校から27名(平成30年度実績)の実習生を受け入れています。当科では約10年前より診療参加型実習(クリニカルクラークシップ:以下CCS)を導入し、試行錯誤を繰り返しながら実践をしてきました。そして平成28年にはPT山下昌彦が当科の臨床教育指導マニュアルを完成させました(当院HPよりダウンロード可能)。
現在、理学療法教育では、CCSを取り入れた実習が推奨されつつあり、指導方法が見直されてきています。そのような中、長年このCCSを導入し取り組んできた当科の実績と指導マニュアルが各養成校や他院から注目されています。
この度、1月30日に当科の実習指導方法の実際について詳しく話を聞きたいということで、川崎医科大学附属病院、川崎医療福祉大学、川崎リハビリテーション学院のPT、OTならびに教員9名が来院されました。当科の取り組みに大いに関心を持っていただき、有意義なディスカッションを行うことができました。

PT科 T

パーキンソン病と嚥下機能―倉敷ニューロモデュレーションセンターより―

ニューロモデュレーションセンターで関わるSTとして最近気になっているトピックスが「パーキンソン病と嚥下機能」についてです。今年度より嚥下障害の疑いがある方に対して積極的にVE(嚥下内視鏡検査)をさせていただくようになりました。
評価を通して日常食事場面で嚥下症状を訴えていない患者さまであっても喉の感覚と食物を押し込む力が低下していることが多く、唾液や食物が喉に残りやすいことが分かりました。これは知らず知らず誤嚥して肺炎になってしまう危険性が高いことを表します。
ある報告では、パーキンソン患者さんの70~90%が嚥下障害を有しているものの、嚥下障害を感じている方は50%以下に留まるそうです。口腔期(食物を噛んですりつぶしてまとめる段階)に舌や顎が無動や動作緩慢で動きにくい、という点で嚥下障害を自覚し始めるようです。実際は咽頭期(食物を口から喉・食道へ送り込む段階)の低下は自覚するよりもっと早くから症状が出ているものの気づかないのが実態です。
今後も積極的に嚥下の評価とリハビリの介入をさせていただくことで、早期から誤嚥予防を図っていこうと取り組んでいます。
ST M.W

五感を意識して会話をしましょう

カテゴリー: 認知症疾患医療センター | 投稿日: | 投稿者:

もの忘れ外来診察でのある場面の一コマを紹介します。

おはようございます。今日は、どうされましたか?

 

はぁ? お世話になっております。

 

今日は、どうされましたか?

 

おじいさん、調子聞かれとんよ。
すみません。最近耳が遠くなりました。テレビの音量も30です。

 

そうですか。本人と話しする時、声が大きくなったりしていませんか?
声が大きくなると顔の表情が怖い顔 (怖いろ)になっていません?」
~つづく~

 

人は周囲からの情報を五感(視覚・聴覚・味覚・臭覚・触覚)で得ています。その中でも視覚が80%以上を占め、次に聴覚と続きます。

五感は加齢とともに衰えていくものです。

会話が少なくなれば、社会交流も少なくなり脳への刺激も減り認知機能の低下につながります。
眼鏡や補聴器の検討し、私たちも話上手になることで、記憶力低下予防に貢献しませんか?

また、会話する時、皆さんはどんな顔してお話しているでしょうか?

少し意識して会話をしてみましょう。

 

 

外来看護師 M

栄養科通信 vol.138「孫子(まごこ)わ優しいよ」

カテゴリー: 栄養科 | 投稿日: | 投稿者:

2月は1年の中で最も寒く、体調を崩しやすい時期と言われています。そこで、体調を崩さないようバランスよく栄養をとるための食材の組み合わせとして、「まごわやさしい」という言葉があります。
ま⇒豆類、ご⇒ごま、わ⇒わかめなどの海藻類、や⇒野菜、さ⇒魚、し⇒しいたけなどのきのこ類、い⇒いも類、というような、和の食材の頭文字を取って覚えやすくしたものですが、最近ではそれに、こ⇒米、よ⇒ヨーグルトなどの発酵食品、を追加し、「孫子わ優しいよ(まごこわやさしいよ)」という語呂合わせになっています。どの食材もスーパーなどで簡単に手に入るものばかりですが、たんぱく質、食物繊維、ビタミン、ミネラルなど優れた栄養素を含んでおりこれらの食材が含まれた食事を食べることで、栄養のバランスのよい食事につながります。

●それぞれの食品の特徴
ま(豆類)…高たんぱく質、ビタミン・食物繊維が豊富。
ご(ごま)…食物繊維・カルシウム・ミネラルなど栄養豊富。
こ(米)…主食。体を動かすエネルギーになる。
わ(わかめなどの海藻)…ビタミン・ミネラル・食物繊維が豊富。
や(野菜)…ビタミン・ミネラルが豊富。
さ(魚)…たんぱく質や鉄分が豊富。
し(しいたけなどのきのこ類)…ビタミンや食物繊維が豊富。
い(いも類)…炭水化物・糖質やビタミンC・食物繊維が豊富。
よ(ヨーグルトなどの発酵食品)…生きた菌が善玉菌の作用を助けたり、代謝を上げる働きがある。

炭水化物や肉ばかりといった偏った食品の取り方をすると栄養のバランスが崩れてしまい、体調を崩しやすいばかりでなく、糖尿病や脂質異常症などにも繋がってしまうため、色々な食品を組み合わせ、主食主菜副菜が揃った食事を心がけることが大切です。
「孫子わやさしいよ」で挙げている食材は栄養価が優れているばかりでなく、ご飯によく合う、毎日食べても飽きにくい、献立の組み合わせがしやすい等のメリットもあります。これらの食材を毎日のように食べてきたからこそ、日本は世界一の長寿国になったと言われています。体に必要な栄養素がバランスよく含まれている「孫子(まごこ)わ優しいよ」を取り入れて、健康的な食生活を送りましょう。

管理栄養士 A.T

 

 

インフルエンザ予防への取り組み

カテゴリー: 予防リハビリテーション | 投稿日: | 投稿者:

毎日寒い日が続いていますね。
岡山県でもインフルエンザ、感染性胃腸炎が流行しています。厚生労働省がホームページに掲載している報告者数も岡山県は大幅に増加し、インフルエンザ警報が発令されています。
予防リハビリではご利用者様に元気に冬を過ごしていただくため、特にこの時期には感染症予防に取り組んでいます。

まず、来所時には体温測定や個別の体調確認、ご利用時間中はマスクの着用を徹底していただいています。マスクは一度外してしまったら再使用はせず、新しいマスクと取替えていただくようお願いしています。以前、利用者様と一緒にクリアファイルを利用してマスクケースを作成したことがあり、そのケースを使用して替えのマスクを持参される利用者様もおられます。
マスクも正しく装着していただけるよう、表裏の確認や上下を間違わないよう声掛けを行っています。鼻から顎まで隠れているかもポイントとなります。

また、こまめな水分補給もお願いしています。当通所リハビリにはドリンクサーバー(昨年12月にリニューアル!!)を設置しており、いつでも水分補給をしていただけるようにしています。冬場は水分量が減りやすく、口の中も乾燥しやすいため、プログラムの合間に「一口だけでも水分補給をお願いします!」とスタッフより声をかけさせていただいています。

手洗いに関しても、手洗い場に正しい手洗い方法を表示し意識をしていただくようにしています。
また、1時間に1回は換気を行っています。寒い日には「もう閉めよう。」とご希望がありますが、換気の必要性をお伝えし、ご理解いただきながら換気に努めています。

ご利用者様の中には「マスクが息苦しくて苦手だなあ。」と仰る方もおられますが、感染症予防のためにご協力いただいています。
今年の冬も元気に過ごせるように、ご利用者様、スタッフ共に声を掛け合っていきたいと思います。

手洗い予防リハビリK