新しい便秘薬 ポリエチレングリコール製剤(商品名 モビコール配合内用剤)について

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みなさん快腸ですか?便秘が続いていませんか?今回は新しい便秘薬についてご紹介させて頂きます。

ポリエチレングリコールは日本では大腸検査前の腸管洗浄の際の下剤としてのみ使用されていましたが、海外では慢性便秘症のガイドラインにて推奨されています。今回、日本においても便秘症に対しての適応となりました。
ポリエチレングリコールは腸管ではほとんど吸収されず、そのまま溶かした水と共に大腸に届きます。便中の水分量が増加し、便が軟化、便容積が増えます。便の容積が増えることで、大腸の蠕動運動が活発化し、便の腸管内の輸送、排便を促進します。

腸管内の水分増加に伴い、スムーズな排便が可能となります。下剤の種類としては、「浸透圧性下剤」に分類されます。このお薬は1袋を水やお茶、ジュースなどの液体約60mlに溶かして飲むというお薬です。薬の効果を発現させるためにも必要量の水分を摂取することが大切です。便の性状により1回あたりの用量は調節可能です。水で飲みにくい味だと感じられる方はリンゴジュースなどの冷たい飲物に混ぜると良いです。

カルピスに混ぜてみたという方もおられます。65度以上になると成分が変わってしまい固まりますので注意が必要です。

浸透圧性下剤の代表格である、酸化マグネシウムには、高マグネシウム血症などの副作用や他剤との相互作用があります。酸化マグネシウム製剤では効果が不十分であったり、センノサイドやピコスルファートなどの刺激性下剤からの変更や減量を検討中の方で水分をしっかり摂れる方に長期に安全に使えるポリエチレングリコール製剤はお勧めです。

薬剤部 M