日別アーカイブ: 2020年7月8日(水曜日)

栄養科通信vol.155「目指すはスッキリ!『完全排便』」

カテゴリー: 栄養科 | 投稿日: | 投稿者:

便秘は若い頃は女性に多いイメージですが、60歳を超える頃からどんどん患者数が増え、70代後半で男女が逆転します。
これは加齢などで腸の動きが悪くなることが原因です。便秘に慣れてしまって、前回いつ出たのか分からなくなったり、自然な便意がなくなって薬の量がどんどん増えたりしている人はいませんか?便が出ないと食欲がなくなり、食べないので栄養不足になり、筋肉が少なくなったり骨ももろくなり元気もなくなります。たかが便秘、とほっておくわけにはいきません。

トイレで頑張って排便した後でふらっと眩暈がしたり、意識がなくなることがあります。若い人はトイレでいきんでも血圧に変化はありませんが、50歳を超えるといきむだけで血圧が30くらい上がるため、もともと血圧が高い方などは意識消失することがあります。トイレでいきむことにも注意が必要なのです。

そこで「完全排便」が大切になります。完全排便とは「短時間かつ1回で完全に排便すること」を言います。完全にとは体内に溜まった便を一回で出し切るということ、早いということはいきまないので心臓や体に負担をかけないということ。つまりバナナ状のいいウンチがスルっと出るのが「完全排便」ということになります。便が硬いといきんだり、残便感から何度もトイレに行くことになりますが、バナナ状の便ならいきまなくてもスッと出て残便感なくスッキリ。スッキリ排便できれば気分がいいですよね。

理想のバナナ状の便になるように、食事面では食物繊維や水分、乳酸菌、オリゴ糖などを積極的に摂りましょう。食事量が少ないと便が作られず溜まるまでに時間がかかり硬くなりやすいので、ダイエットなどしないでしっかり食べましょう。運動面ではこまめに歩いたり腹部のマッサージもいいでしょう。タイミングを逃さないことも大切です。毎朝食後に規則的にトイレに座る習慣をつけましょう。便秘の症状によっては内服薬の調整が有効なこともあります。気になることがあればお気軽にご相談ください。
以上のことに気を配り、「完全排便」で身も心もスッキリ!を目指しましょう!

 

栄養科 管理栄養士 A子