暑くなると気温や湿度の高さから「体がだるい」「食欲がわかない」などの夏バテの症状が出やすくなります。人間の体は気温が上がると、汗を出し体温を下げようとしますが、高温、多湿状態が長く続くと、体温の調節機能が限界を越え体調が悪くなります。暑いからといって冷たい飲み物ばかり飲んでいると胃腸の働きを弱め、食欲がなくなります。このような生活をしていると普通の方でも体調を崩しやすくなりますが、糖尿病の方は血糖コントロールが悪くなるのでさらに注意が必要です。
1.水分補給
水分補給は水やお茶でしていますか?ジュースで水分補給をしている方はいないでしょうか。水分補給のためといってジュースを飲みすぎるとペットボトル症候群になる恐れがあるため注意が必要です。ペットボトル症候群は正式には「ソフトドリンクケトーシス」と呼ばれ、糖を多く含むコーラやサイダーなどのジュースを飲むことで血糖が上がり、さらに喉が渇いてまたジュースを飲むことを繰り返すと高血糖となります。スポーツドリンクも糖分が多く飲みすぎると血糖値が上がるので注意が必要です。高血糖によって全身の倦怠感、腹痛や嘔吐、ひどい場合には意識障害を起こすこともあり、治療が必要となります。そのため喉が渇いたときはジュースでなく、水やお茶で水分補給をしましょう。
2.飲酒
暑くなりビールがおいしい季節ですが、アルコールは分解過程で水分が取り込まれ、飲んだ量よりも尿として排泄される水分の方が多くなります。そのため水分を
補給しているつもりが逆に水分不足となってしまいます。暑さと高血糖、さらにアルコールで脱水症になると、血液が濃くなり血糖値が高くなります。また、アルコールには食欲を増進させる働きがあり食べ過ぎる可能性もあるので注意が必要です。
これからさらに気温が上昇してきますが、暑いからといってジュースばかり飲む
ようなことをせず、お茶、または水で水分補給をし楽しい夏を過ごしましょう。
糖尿病療養指導士、管理栄養士 A.T