40歳代の女性、交通事故後の頸肩部疼痛で来院。事故は3か月前通勤途中に発生し、停車中に後ろから追突されました。事故直後から頚に痛みが現れ、当日の夜から吐き気と強いめまいも伴いました。すぐに入院して治療を受けた後、吐き気とめまいは落ち着きましたが、頚の痛みはまだ残っています。しばらく経ってから背中、腰、股関節へ痛みが拡がり、下半身のだるさ、気分不安、イライラしやすいなどの症状も現れました。
体質としては、学生の頃から下半身は冷え、冬になればしもやけがよくできていたそうです。現在、顔色は白っぽく、舌質は淡白で歯痕があり、舌苔は薄白。下肢はむくみ、手足腹部は冷たい。
これに対して陰交、三陰交、地機、曲池、内関、合谷、大杼、腎兪、承山、肩井、中府などのツボを使って治療しました。
治療後、症状は緩和されますが、翌日はまた違う部位に症状が現れたり、前の症状に戻ったりとしばらく不安定な状態でした。3か月治療を続けていくうちに、腹部や下半身の冷えが軽減してきました。その頃から、症状は次第に消えて、疲れた後や天気が悪い時以外に、ほとんど症状が現れなくなりました。
この患者さんは、交通事故後の症状以外に体質的に冷えと水分代謝が弱い問題がありました。治療の際、局所の症状だけでなく体質改善を合わせて実施し、結果的に冷え性の緩和とともに痛みの症状も改善され再現しにくくなりました。体質を考えずに治療を行えば、今回のような症状はなかなか落ち着かなかったように思います。症状と体質改善を合わせて治療できるのは、鍼灸の特長のひとつだと思います。
ヘイセイ鍼灸院 MK
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