先日、70歳代の男性が慢性の便秘症を訴えて当鍼灸院を訪れました。
10年前から便秘症になり酸化マグネシウムなどを服用していましたが、長く服用している内に効果が現れにくくなりました。他の薬に変えたり体操も頑張っていましたが、あまり効果がなく、3日ぐらい便が出ない状態が続くと腹部が張って食欲もなくなることもあり困っていました。
腹部を触診と打診でガスが多く溜まっていることと便が大腸の下端ではなくより上の部分に溜まっていることがわかりました。胃腸にガスが多いということは腸の蠕動運動うまく働いておらず、便を押し出す力が弱くなっていると考えました。
東洋医学の考え方では張ってくる状態を気が滞った状態(気滞(きたい))といいます。原因は様々でストレスや冷えなどが影響することもありますが、気の流れが乱れたり、気の動く力が弱くなって気が停滞すると考えます
治療は胃腸の働きを活発にし気の流れをスムーズにできるように、胃腸を整えるツボとして足三里、上巨虚(じょうこきょ)、天枢、中脘、温溜(おんる)、合谷などに加えて、大腸と表裏の関係にある肺経のツボで経渠(けいきょ)、尺沢(しゃくたく)や気の流れの改善に気海や照海(しょうかい)などのツボを使い鍼灸を行いました。
治療の翌日から便が少しずつ出るようになり2日後にはしっかり出てくれたと教えてくれました。慢性的な症状でしたが、1回の治療で効果があったので患者さんも喜んでくれました。
鍼灸院 M.K


この患者さんは非常に協力的で、それから一切の冷たい飲食を断ち、真夏でも温かいものを飲食するように努めるようになりました。その上、鍼灸と漢方を合わせて治療してから3か月後に、冷えは次第に改善されて、それに伴い諸症状も改善されました。繰り返し発生していた慢性膀胱炎の症状も、次第に再発しなくなりました。
院ブログです!!スッキリとした締めくくりを目指して、今回は急性副鼻腔炎のお話をします。
論と患者さんの症状、舌や脈から、この患者さんの証は「脾気虚(ひききょ)、陰虚内熱(いんきょないねつ)」と考えました。体質的に脾胃が弱く、気血の生成が不十分だったため舌を営養できず、またストレスを長く抱えていたことで気鬱(きうつ)が起こり、気が停滞することで熱が現れ、舌の潤いも阻害されて今回のような症状が現れたと考えられます。
また漢方茶も用意しております。今年は「金銀花(きんぎんか)」と「酸棗仁(さんそにん」の2種類の漢方茶です。「金銀花」は一昨年提供させて頂いたお茶で、風邪予防などの効果があり大変好評でした。「酸棗仁」は心身の疲労を改善したり、精神安定などの効果があります。どちらも大変飲みやすいお茶になりますので、こちらも楽しみにして頂けたらと思います。


