小児の滲出性中耳炎に鍼灸治験

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3か月ほど前に5歳の男の子が滲出性中耳炎で当鍼灸院に来られました。お母さんは長年当鍼灸院を利用しており、小さい子も鍼灸を受けられることを知っていました。お子さんは1か月前から、中耳炎を患っており、服薬治療でなかなか良くならないので、手術治療をするように決めました。手術の予定日までには2か月ほどの時間があり、その間に鍼灸治療を受けてみて、良くなれれば、手術を受けなくてすむし、良くなれなくても体質が向上できて、術後の回復が早くできるのではないかとお母さんはそう思い、お子さんを鍼灸院に連れて来られました。
このお子さんは、滲出性中耳炎以外に、数か月前にかぜが引いてから、なかなか良くならず、今でも咳、鼻づまり、睡眠中のいびきなどの症状が残っています。また、胸部と腹部に水イボが数個出ています。
これに対して、足の陽明胃経、足の太陰脾経、手の太陰肺経、手足の少陽三焦経と胆経のツボを取って鍼灸治療を施しました。数回治療した後、咳、鼻づまり、いびきなどの症状が良くなり、イボも消えました。2か月未満の間に12回治療した後、耳を再検査したら、中耳の滲出液も消えたので、手術しなくて良いと耳鼻科の医師に言われて、予定した手術をキャンセルしました。
この子供さんの例には、二つの特徴があることを強調したいと思います。一つ目はお母さんが鍼灸に対して非常に良く理解しています。一般的に中耳炎で鍼灸治療を受けてみようと思う人は非常に少ないと思います。二つ目はお子さんの勇気です。普通、小児に小児鍼(皮膚摩擦)で治療しますが、この子は最初からまったく怖がらないので、大人に刺入する鍼を使いました。以上の2点があるから、治療がスムーズに行うことができ、早いうちに良い効果が得ることができたと思います。

ヘイセイ鍼灸治療院 甄立学