腫れにも鍼灸

カテゴリー: ヘイセイ鍼灸治療院 | 投稿日: | 投稿者:

厳しい寒さも過ぎ温かい日が増えてきましたが、皆様はいかがお過ごしだったでしょうか。僕自身は元気だったのですが、鍼灸院のブログを書くのが久しぶりになってしまい、心配や心待ちにしてくださる患者さんも居られたみたいで、駄文が読まれていると思うと顔が火照り腫れ上がるほど恥ずかしい気持ちになります。
顔が腫れ上がるといえば、1人の患者さんを思い出します。その患者さんは20代の男性で、農業を営んでいる方でした。「10日前から銀杏の汁にかぶれて顔がこんなに腫れてしまい・・・」奥様に連れられパンパンの状態で来院されたのが印象的でした。触れてから2日後症状が激しくなり、病院で3日間連続炎症を抑える点滴をしてもなかなか治まらない。それどころかさらに、顔のみだった症状が首や手や下腹部、下半身に広がり、痒みで目が覚めてしまい、冷やして症状を抑えていると聞きました。本人曰く、1番症状がきつかったのは目の周囲らしく、確かに赤み、腫れが顕著に表れていました。「これでも悪いときより良い。」と言われ驚いた記憶が残っています。
さて、今回話をしたいのはこの患者さんに鍼をした際の反応です。施術をした後、数分経つと発汗してきて、着ていた服だけでなく、ベッドの上に敷いたタオルまで届いてしまいました。実は、このような反応は起こりうる事で、他にも咳が出たり、小便が出たり、下痢になったりと、外に何かが出ようとする事があります。その何かは『邪気』と言われるものとされ、我々の体調を犯す悪い気で(風・寒・暑・湿・燥・火)と種類があります。この患者さんは湿が邪魔をしていてそれが抜けたと考えています。患者さんにその説明をして、その後、症状がどうなるのか楽しみにしていました。4日後に来院した際には、赤み、腫れ、痒みはかなり落ち着き、皮膚の損傷も治りかけていました。この時ビックリしたのが、別人のように小顔になっていて、本人確認が必要かと思ったほどで、いかに症状が強かったのか思い知らされました。
一見、鍼の途中に具合が悪くなったように思えるこのような反応は、身体が良くなる為に必要な事もあります。このような場合は無理に止めてしまうよりも、出してしまう方が良いでしょう。僕は汗っかきでたくさんの汗が出ますし、恥ずかしい気持ちも落ち着いてきたのに、どうしてでしょう。僕の顔やお腹の腫れがひかないのは。元々腫れた身体を棚に上げて、今回はこの患者さんが作られた、ジャガイモを食べ過ぎたせいにしたいと思います。

ヘイセイ鍼灸治療院 shima