暑い日が増えてくるこれからの季節は、熱中症や脱水に注意が必要です。特に糖尿病のある方は、血糖値や使用している薬の影響により、脱水を起こしやすい場合があります。
血糖値が高い状態では、身体は余分な糖を尿として排出しようとするため、尿量が増え、水分も一緒に失われます。また、発熱・下痢・嘔吐・食欲低下など、体調を崩した状態は「シックデイ」と呼ばれ、普段より血糖コントロールが不安定になりやすくなります。
「食事ができないから糖尿病の薬は全部休んだ方がいいですか?」という質問を受けることがありますが、自己判断で薬を中止することは危険な場合があります。特にインスリンは食事量が少なくても完全に中止すると著しい高血糖や糖尿病性ケトアシドーシスを引き起こす場合があります。
一方で、脱水時には注意が必要なお薬もあります。SGLT2阻害薬(フォシーガ、ジャディアンスなど)は尿から糖を排出するお薬のため、脱水を助長する可能性があります。
また、利尿薬を服用されている方も水分不足には注意が必要です。体調不良時のお薬の対応は患者さんごとに異なるため、自己判断せず、医師・薬剤師へ相談してください。
また、シックデイ時には市販の風邪薬の使用にも注意が必要です。
風邪薬や栄養ドリンクの中には糖分を多く含むものがあり、知らないうちに血糖値へ影響することがあります。さらに、食欲低下や脱水がある状態で薬を追加すると、身体への負担が強くなることもあります。
脱水予防のためには、のどが渇く前からこまめに水分補給を行いましょう。ただし、スポーツドリンクやジュースを大量に摂取すると血糖値が急上昇することがあるため注意が必要です。
以下の症状がある場合は、早めの受診をおすすめします。
・水分が十分に摂れない
・食事がほとんど食べられない
・発熱、下痢、嘔吐が続く
・強いだるさがある
・血糖値が高い状態が続く
体調不良時は無理をせず、早めに対応することが大切です。
暑い時期は体調や血糖値が変化しやすいため、普段以上に水分補給や体調管理を意識し、気になる症状がある場合は早めに相談するようにしましょう。
糖尿病療養指導士 薬剤師 A

