蒸し暑く、梅雨明けが待ち遠しい季節となりました。
今回は背中の痛みについての症例をご紹介します。
50代男性、背中の強い痛みに悩まされていました。こちらの患者さんは3年前に脊髄腫瘍の手術をされ、その後から背中の手術根周辺と後頭部に強い痛みが現れ、長く仰向けで寝ることが辛いと訴えられ来院されました。
手術後に手術部位周辺が強く痛む場合、瘀血(おけつ)という状態になっていたのではないかと考え施術しました。瘀血とは血液の流れが悪くなり体内で停滞してしまう状態のことです。
この方の場合、手術後に加えて仰向けで寝ていると背中を圧迫してしまうため、更に血液の流れを悪くしてしまいます。そのため同一姿勢での強い痛みや、肩こり頭痛などの症状を発生させ、そして悪化させていたのではないでしょうか。
そこで、瘀血の治療として膈兪(かくゆ)と委中(いちゅう)などの血液の流れをよくしてくれるツボなどに鍼をしました。また、滞りのため強い痛みのある背中には鍼と灸の施術を行い血液の流れを促してあげられるように施術を行いました。
初めの施術ではあまり変化がみられませんでしたが2,3回の施術後から徐々に痛みが和らいでいく効果がみえて、初めの仰向きで寝られないほどの辛い痛みの症状は次第に軽くなっていきました。
まだ多少の鈍い痛みは残っていますが以前ほどの痛みはなく、落ち着いています。今後も月に一度程度の施術を続けながら痛みの様子をみていこうと考えています。
雨の日の多い季節です、ご自愛ください。
ヘイセイ鍼灸治療院 F