日別アーカイブ: 2022年1月15日(土曜日)

コロナ禍の中の臨床検査部

カテゴリー: 臨床検査部 | 投稿日: | 投稿者:

2022年 皆様のご健康をお祈りします。
年明け約2週間の新型コロナウイルス陽性者数は爆発しました。
しかし、陽性者数に惑わされず、もしインフルエンザ並みの致死率になったとしたなら(ワクチンの効果であったとしても)、5類感染症扱いが妥当という意見があります。
日本ではコロナがパンデミックになる以前は、インフルエンザは60-100人に1人の罹患率、~200万人/年もの罹患数がありました。

仮にそうなったとしても、身に着けた感染対策は年中怠らないことは言うまでもありません!よもやワクチンを3回接種するとは思ってもいませんでした。高い獲得免疫がある一方で持続力がなく、コロナは季節性が薄いことが要因だと思います。
日本のワクチン開発に時間がかかるのは様々な背景がありますので、期待し過ぎずに静観しておこうと思います。経口薬などコロナに特化した超有効治療薬もやはりまだまだ時間がかかりそうです。

日本は陽性者や重症者を比較的良く抑え込んでいますが、桁違いに多い国があります。国民性や対策、人種の違いによる影響が大きいのでしょう。腸内細菌の関連性も報告されています。
何れにしても、ウイルスも変異を繰り返しながら生きながらえていく訳ですから、この世から根絶させることはまず困難(唯一、天然痘は撲滅したとされている)だと思います。
私たち人類も進化して今の姿に落ち着いており、世界には各々の地形や気候に順応した異なる人種が存在しています。これも変異の一種なのです。

さて、当院臨床検査部では積極的に関連学会への発表形式等による参加を続けています。コロナ禍による未開催があり、暫く停滞気味でしたが復活しています。
我々は研究のための研究に終わらないことをコンセプトにしています。すなわち、遠い未来のための基礎的研究ではなく、既に臨床上実用化されているものを使用して業務へ応用化し、また知見を増やすことを目的とした臨床的研究です。

2021年度の中国四国支部医学検査学会はオンデマンド開催になりましたが、4演題も提出しています。
一つ目は赤血球や白血球や血小板などの数を調べる血液検査に使用する抗凝固剤によって、血小板数が見かけ上減少してしまう場合がある時の解決方法、二つ目は心筋梗塞など虚血性心臓疾患の補助的診断マーカーである心臓由来脂肪酸結合蛋白(H-FABP)と心筋トロポニンの検査の定量法が定性法よりも優れていること、三つ目は敗血症(感染症によって全身の重要な臓器が重い障害を受けてショック状態になる)の補助的診断マーカーであるプレセプシンの当院独自の基準値を検討、四つ目はこのプレセプシンの検査材料(検体)が汎用性のあるものに変更出来ないかというものです。
全て良い結果が得られ、補助診断の有益な情報となっていますし、また、応用化もされています。スタッフの頑張りが成果に繋がっています。
次に考えているのは新型コロナウイルス検査に関することです。現在使用している方法が、判定までに掛かる時間を半分にできないかという大胆な試みです。実効性を得るためには時間が必要ですが、実現したいと考えています。

このように臨床検査部は当院の他部門にも引けを取らず、患者さんの利益に繋がるように『日々是努力』をしていますのでご期待とご応援をお願いします。

臨床検査部 光源頭