日別アーカイブ: 2021年4月21日(水曜日)

鍼灸治療で重症筋無力症の倦怠感を改善した1例報告

カテゴリー: ヘイセイ鍼灸治療院 | 投稿日: | 投稿者:

今回のブログでは、重症筋無力症の患者さんの症例を紹介します。

60代の女性で、鍼灸治療を受けられる5年前に重症筋無力症と診断され、ステロイド剤などを服用して治療を受けられておられる方です。 鍼灸院に最初ご来院された時には、「全身の倦怠感で一日中横になっていることが多く、瞼が重く、物をいつもぼやけて見える、体温は35度台、汗をかきやすく、手足が冷えやすい」などを訴えられました。以前には喘息、アトピー性皮膚炎などもあったそうです。

 

体質状況では、顔がくすんだ色で艶がなく、しかも腫れぽったく見えます。足も軽く腫れており、腹部と四肢末端が冷たく、舌が暗くてやや大きく、苔が白くてやや厚い、脈が沈んで細い。

以上の症状と観察情報から見ると、漢方医学の「脾胃陽虚、水湿停滞」と言う証に属します。
これに対して、腹部に温灸を実施して、主に公孫、三陰交、陰陵泉、豊隆、足三里などのツボを使って施術しました。

一回目の治療をした直後に、物をクリアに見えるようになったことに、患者さんが驚きました。その後、週に一回治療を続けているうちに倦怠感や冷えなどが徐々に軽減してきました。
治療してから5か月後に、家庭の事情で4か月ほど治療を中止していました。

治療を再開した際には、再び倦怠感や冷えが以前のように強くなっていました。
それから毎週一回で5か月治療を続けた後、倦怠感がかなり軽減し、体温が36度台になり、冷えも大分改善しました。

今までは毎日横になりたいばかりでしたが、今は好きな手芸を始められており、気功の練習も少しはじめられました。家事も苦にならず、毎日の活動時間がかなり多くなりました。

病気になる前にスポーツクラブで運動していましたが、この病気になってからはやめていました。今はまた通い始めても良いなと思い始めたそうです。
前後1年間で大分時間がかかりましたが、それなりの結果が得られました。

重症筋無力症は難治性疾患の一つであり、治療を始める前に効果が得られるかどうかは確信がありませんでしたが、一回目の治療で、目の症状が明確に改善したことで、患者さんにとって大きな励みになり、その後希望を持って治療を続けることが出来たから、このような効果が得られました。

難しいことであっても希望を持って努力し続けることは大事なことではないかと思いました

※写真はイメージです。

ヘイセイ鍼灸治療院  甄 立学

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