日別アーカイブ: 2021年3月8日(月曜日)

栄養科通信vol.163 「キムチについて」

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キムチは、主原料である白菜、大根、きゅうりなどの野菜を塩漬けにし、様々な薬味(唐辛子粉、にんにく、生姜、ねぎ、大根、塩辛など)を混ぜて漬け込み発酵させた食品です。
今では白菜キムチが定番ですが、季節や風土、材料などにより、韓国には200種類を超えるキムチがあると言われています。
⾃然発酵したキムチには生きたまま腸に届きやすい、ラクトバチルス乳酸菌(植物性乳酸菌)が豊富に含まれており、腸内の酸度を下げて有害菌の生育を抑制、または死滅させる整腸作用を持っています。さらに食物繊維と乳酸菌の相乗効果で便秘改善にも期待ができます。その他にも唐辛子の辛味成分であるカプサイシンにはアドレナリンを分泌する働きがあり、代謝を⾼め、⾎流を促し、体を温める事で、免疫⼒を⾼める効果が期待できます。また、発酵することで作られるビタミンB1・B2・B12・ナイアシンなどのビタミンB群も豊富に含まれています。

日本のキムチと韓国のキムチとの違いは、韓国産が「熟成型」 であるのに対し、日本産の大部分は、「浅漬け型」だという点です。日本では発酵していない韓国キムチ風の浅漬も、発酵させたものもキムチと定義します。その為、スーパーに並んでいる大半のキムチが発酵風調味料に白菜と唐辛子を漬け込んだ浅漬となります。
熟成発酵されているキムチを見分けるポイントとして「キムチくんマーク」があります。キムチくんマークは韓国産キムチにのみつけられており、韓国政府認定の証です。
それ以外にも

 

・国産でも韓国の製法で作られたもの
・植物乳酸菌を加えて作られたもの
・熟成発酵されているもの

を選ぶようにすると上記のような効果が得られます。
そのまま食べても美味しくいただけますが、きゅうりやアボカドと和えたり、うどんやスープにトッピングするなど、他の食材と組み合わるだけで簡単に韓国風ピリ辛料理になります。キムチに含まれる植物性乳酸菌は熱に弱い為、効率良く取り入れたい方は加熱せずそのまま食べることをおすすめします。

管理栄養士 MS

参考:韓国農水産食品流通公社、韓国農協