日別アーカイブ: 2020年2月20日(木曜日)

第7回ホスピタルデザイン研究会総会・研究大会 参加報告

カテゴリー: 事務部, 秘書・広報課 | 投稿日: | 投稿者:

2月15日(土)倉敷中央病院 大原記念ホールで開催されました、第7回ホスピタルデザイン研究会総会・研究大会「もっと信頼される安心できる情報と環境へ 先進事例に学ぶマーケティングと医療広告」に、秘書・広報課2名が参加して参りました。

この会は患者さん・ご利用の方が安心かつ快適に療養に専念できるため、そして医療従事者が関わる診断・治療行為に一層専念できるために、デザインによって病院をサポートしていくことを目的に開催されています。

今回は病院で実務にあたる医療従事者および関わりのある企業による事例発表が行われ、合わせて開催された病院見学では倉敷中央病院で実施されている患者さんへの安らぎの提供や、職員に向けた情報共有など、実際の取り組みをご紹介いただきました。

様々な規模の病院・企業による多様な視点からの発表で、地域性や患者層などはそれぞれ異なりますが、当院でも明日から取り組めそうな具体的な事例であったり、目指すものが見つかったりと、実りの多い研究会でした。

当院は現在増改築工事の真っ最中です。患者さん・ご来院の方にご不便をおかけしておりますこと恐縮ではございますが、今回学んだことを活かし、分かりやすい、安心して治療を受けていただける病院として皆さんに信頼していただけるよう、取り組んで参りたいと思います。

 

※写真は今回特別講演をいただいた倉敷中央病院 地域医療連携・広報部部長 十河さん、岡山旭東病院 企画課学術管理室主任 井上さん(中央二人)と。

秘書・広報課N

もはや市中感染レベル?  個人で身を守ろう

カテゴリー: 平成南町クリニック | 投稿日: | 投稿者:

新型コロナウイルス感染に関わる報道や医師会からの対応情報は数日以内に変わっていきます。
この文章を書いている2月18日の段階では、2月17日に厚生労働省が公表した「相談・受診の目安」の意味する所を考えれば、新型コロナウイルスの蔓延は市中感染レベルになってきている、即ちインフルエンザウイルス感染レベルになったと考えておいた方が良いと思われます。感染源を特定して封じ込めることはもはや不可能だと考えられます。
感染しても発症しないためには免疫力の低下を防ぐ必要がありますが、感染を防ぐために、なるべくウイルスに曝露されないように身を守りましょう。
2003年に流行したSARSウイルスと同じコロナウイルスなので、その時の対策が役立ちます。

コロナウイルスの弱点は、空気に晒されると失活しやすい  アルコールや界面活性剤で失活しやすい 紫外線で失活しやすい などです。そこで新型コロナウイルスに曝露されにくくするには、
① 環境中のウイルスを減らす
窓を開けて換気する(付着したウイルスはなかなか失活しませんが、空中1m移動中に失活するようです)
室内に日光を入れる
家庭台所用洗剤(食器・野菜洗剤)による環境拭き取り=具体的には、ぬるま湯1リットルに対し洗剤5~10mL入れて室内環境を拭き取る(火災や皮膚あれの原因になりやすいアルコールを使用する必要はない )
もしも自身がウイルスを保持しているかもしれないと想定してマスクで飛散を防止する。

② 環境中のウイルスを減らし自分への曝露も減らす。
自分の眼・鼻・口を触る前に、石鹸で手指をよく洗う(逆に言えば、洗っていない手指で顔を触らない)
便からの感染事例もあるようですので、トイレの後には顔を触る積りがなくても石鹸で手洗いをする。

③ マスクをして直接飛沫の吸入を減らす (ウイルスを含む浮遊エアゾルの吸入を防ぐことはできませんが)

アメリカのCDC(アメリカ疾病対策センター)が新型コロナウイルス検査キットを全米に配布して、インフルエンザウイルス検査を受けて陰性だった人に新型コロナウイルス検査を行う計画をしているようです。(既にアメリカ全土に新型コロナウイルスは拡散しているのではとの噂もあります)

新型コロナウイルス検査キットがあれば、肺炎の鑑別診断の有力な手段となるので日本でも早く使用できるようになって欲しいものです。(迅速検査キットの感度・特異度は通常90%程度ですので100%確実な検査方法ではないと考えられますが) 現段階では、鑑別できる肺炎の原因が不明の時に新型コロナウイルスのPCR検査を保健所に依頼するとなっています。
しかし多数ある肺炎の原因を全て確定できるはずはなく、短時間で診断できるのは、頻度の高い原因のうちの肺炎球菌肺炎 マイコプラズマ肺炎 レジオネラ肺炎の一部、結核性肺炎 インフルエンザ肺炎 に限られますから、これらが否定的な時に「新型コロナウイルス肺炎」を想定してPCR検査を依頼するという事になります。
新型コロナウイルス肺炎に対しては抗HIV薬や一部の抗インフルエンザ薬が効果的であった事例の報告がありますから、早く確定診断することはその方への治療戦略として重要なのです。一方、肺炎を発症していない軽症患者さんに早期に新型コロナウイルス感染の確定診断を行ってもその方自身へのメリットはないと思われます。完全隔離が可能であれば隔離対象者にするという他人にとってのメリットはありますが。
繰り返し言います 洗っていない手指で顔を触らないようにしましょう。
平成南町クリニック 玉田

追記
新型コロナウイルスに関するQ&A(医療機関・検査機関の方向け) 令和2年2月18日時点版
の内容から疑問点を洗い出してみました。
疑問1 「新型コロナウイルス感染症の疑い」がある患者 とは?
問1 診断方法はなんですか? の回答
これらの地域(湖北省・浙江省?)に限定されることなく、「医師が新型コロナウイルス感染症を疑う場合に・・・」 とあり「疑い患者」とは医師が疑った患者としてある。しかし疑う根拠は記されていない。症状の概要は発表されていますが新型コロナウイルスに特異的な症状はありません。我々医師は何を持って強く疑うのでしょうか。
一方、問7 体調を崩した方が医療機関を受診した際に、現場の医師や看護師などはどのようなことに注意して診察を行うべきでしょうか? の回答は、
「新型コロナウイルス感染症の疑いのある患者」が受診した際には・・・とあり、医師の診察以前に「疑い」が決まっているかのような表現をしています。患者さん自身が「疑っている」場合を想定しているように思え、前記の内容と矛盾します。
問8 「感染の疑い」がある患者を診察する際、医療者はどのような準備や装備が必要ですか? の回答は、
手洗いなどの衛生対策 手などの皮膚消毒には70%消毒用アルコールを・・・とあるので 最初から疑う必要があり、診察室に居る医師が疑う前から医療者全てが疑っておかなければならないことになる。
結局どのような患者を「疑い患者」とするかは何も記載されていない。
にも拘らず、
新型コロナウイルス感染症に対する感染管理 改訂2020年2月14日 国立感染症研究所 国立国際医療センター 国際感染症センター
には
「nCoV感染症の疑いがある人」への診療時の感染予防策 として
標準予防策 つまり 呼吸器症状のある患者の診察時にはサージカルマスク着用・手指衛生の遵守
呼吸器症状のある患者には、サージカルマスクを着用させる
としている。
2月17日に厚生労働者が公表した「相談・受診の目安」に該当する人とは、即ち新型コロナウイルス感染の疑いがある人を対象にしている訳であるから、「帰国者・接触者相談センター」に電話していない人に対しても「目安に該当する」人を医療機関では「新型コロナウイルス感染症の疑い患者さん」と考える必要がある。
従って、①風邪の症状や37.5度以上の熱 が4日以上続くか ②強いだるさや息苦しさ がある場合、
高齢者(60歳以上?)や基礎疾患(糖尿病・心不全・呼吸器疾患)のある人、透析や免疫抑制剤、抗癌剤による治療を受けている人、妊婦では①が2日以上か②がある場合 には「新型コロナウイルス感染症の疑い」となる。このような症状、特に①で受診する人々は多くの場合は普通の上気道感染である。医療機関では今後新型コロナウイルス感染の流行が終息するまでは、普通の上気道感染患者さんを含めて「新型コロナウイルス感染症の疑い患者」への感染予防策を実施していかなければならない。患者さんにサージカルマスクをしていただくので厳密に運用すれば咽頭所見を得ることができない事になる。
疑問2 「新型コロナウイルス感染症疑似症」とは?
問9 感染の疑いがある患者の届け出は必要ですか? の回答は、
湖北省または浙江省からの帰国者など
集中治療その他これに準ずるものが必要な場合
臨床症状から肺炎と診断され、かつ、直ちに特定の感染症と診断ができない場合
は、直ちに「疑似症」として届け出る必要があります。と記載してあります。
疑似症患者さんを診察する場合には、
Ⅰ接触・飛沫予防策 Ⅱ診察室は個室が望ましい Ⅲ診察室は充分換気する Ⅳ 検体採取などエアロゾル発生手技を実施する場合にはN95マスク、眼の防護具(ゴーグル・フェイスシールド) 長袖ガウン 手袋 を装着する Ⅴ患者の移動は医学的に必要な目的に限定する
としてあります。
「湖北省または浙江省からの帰国者など」以外の方については、診察や検査を行って初めて疑似症かどうかが決まるのですが、疑似症には上記の予防策をとる必要があるので、評価する前から予防策をとっておかなければ「十分な予防策」をとっていたことになりません。言い換えれば、全ての患者さんにこれらの予防策をして臨む必要があります。しかも一人診察するごとに予防具は交換する必要があります。
離れた所からの観察や訴えを聞いただけで疑似症かどうかを判断してから対応をとることもできますが、予見が外れた場合には「十分な予防策をとっていなかった」ことになります。
現在示されている指針を忠実に守るには、患者さんの訴えを医療機関への受診前に確認して、「新型コロナウイルス感染疑い患者」に該当すれば、その人だけを隔離できる診察室で充分な感染管理のもとに診察を行うか、それができない場合には来院して頂かないようにしなければなりません。
結局、現段階の指針では、「相談・受診の目安」に該当する方の診察は一般の診療所では不可能となります。
しかし充分な対応がとれる基幹病院が全ての「疑い患者」を受け入れることができるでしょうか? 新型コロナウイルス感染を疑うかどうかではなく、ごく一般的な常識的に「症状が重いかどうか」で基幹病院を受診するかどうかを判断すべきではないでしょうか。インフルエンザと同程度の感染管理で充分かどうかを早く知りたいものです。