日別アーカイブ: 2020年2月15日(土曜日)

アンサング・シンデレラ

カテゴリー: 薬剤部 | 投稿日: | 投稿者:

新型コロナウイルス流行のニュースが席巻していますが、その裏側で、私たち病院薬剤師にとって明るいニュースが密かに盛り上がっています。これまで、「コードブルー」「チームバチスタの栄光」「ドクターX」など、医療を題材にしたテレビドラマは数多くありましたが、どのドラマでも「薬剤師」はフォーカスされませんでした。最近では、窪田正孝さんが主演を務めた「ラジエーションハウス」がテレビドラマ化され、医療技術職の一つである「放射線技師」が脚光を浴びたのを、少し羨ましく思ったりもしました。

ようやく「病院薬剤師」が主人公の新・医療ドラマとして、今春2020年4月から、荒井ママレさん原作の「アンサング・シンデレラ」が、フジテレビ系列で毎週木曜夜10時から、石原さとみさん主演で放送されることが決定したそうです。「アンサング(unsung)」とは、詩歌にうたわれていない、人・業績などが詩歌によってほめたたえられない、という直訳のようで、「unsung hero」は「縁の下の力持ち」という意味だそうです。病院薬剤師には薬局にこもって医師の処方箋を見ながら薬を調剤する裏方的な職業というイメージが先行しています。最近では、「薬局の窓口で薬を渡して説明する人」という印象が強くなっているでしょうか。それでも、病棟で患者さんやご家族とお話ししていると、「調剤薬局の方ですか?」とか「薬代はいくらですか?」なんてこともよく聞かれ、病院の中で働いている「病院薬剤師」の認知度が低いと感じることも多々あります。

私も、発売されている1~3巻を購入して読みました。私たちの日常は、コミックのようなドラマチックな事が毎日起こっているわけではありませんが、チーム医療で患者さんに寄り添う想いは、全国の病院薬剤師に共通するものです。「薬剤師」は、大学薬学部や薬科系大学などの6年制課程を修了し、「薬剤師国家試験」に合格して与えられる国家資格で、就職先は、病院、調剤薬局、ドラッグストア、製薬会社、官公庁など様々です。ドラマをきっかけに「病院薬剤師」が広く認知され、これから「病院薬剤師」を目指す人達が増えるのを密かに期待します。石原さとみさん演じる病院薬剤師の姿が単なるフィクションとして終わってしまわないよう、テレビを契機に私たちが日々の業務を充実・発展させることに取り組み、病院薬剤師の魅力や社会的地位を高めるように努力することが重要だと思います。そして、将来薬剤師として病院で働きたいと夢見る人たちが活躍できる環境をもっと充実させていかなければ、なんて思いながら、4月を心待ちにしたいと思います。

薬剤師 いっちー