日別アーカイブ: 2016年7月9日(土曜日)

検査に特殊はなくてもいいのでは…

カテゴリー: 臨床検査部 | 投稿日: | 投稿者:

ブログ今年の梅雨は平年の2~3倍の雨が降ったそうです。特に週末に多く、予定が立たなかった方もいらっしゃるでしょう。梅雨明けには猛暑が待ち受けています。熱中症には要注意です。
さて、疾病の診断に必要な手段は大きく理学所見・画像所見・(血液等)検査所見に分類されます。中でも、科学(医療)技術の発展とともに画像や検査診断は格段に向上してきました。30年以上前でさえ、機械化・自動化が普及していましたが、現在ではそれらほぼ全てがコンピューターで制御されています。検査項目においてはその疾患に感度や特異性が高い(その疾患である可能性が高いということ)測定方法が開発されてきました。学生時代には聞いたこともない項目が溢れ返っています。生活習慣病関連疾患に係わる検査、腫瘍マーカー、感染症検査、アレルギー・免疫検査、CT、MRI…etc.が極めて精密になっています。これらの臨床検査や画像検査の発展が、現在の高度医療を支えています。
中小病院の院内検体検査項目はいわゆるスクリーニング検査といわれるものが殆どです。私の学生時代には存在しなかった項目が一般的に特殊検査項目と認識され、外注検査対象に該当します。それは採算性の問題(検査件数が少ないため維持費の方が高い)が大きく関与するからです。したがって、項目によっては大病院でさえ外注をします。ご存知のように外注すると検査結果は当日には出ません。患者さんには長く不安な時間を提供することになります。治療もその分遅くなります。であれば、特殊検査を病院で測定しても、採算性が得られる方法を考案、構築すれば良いことになります。しかし、これが難題であるから、仕方なく検査センターに外注委託しているのが現状です。
ともかく、病院で特殊項目を測定することは患者さんに大きな利益をもたらします。永遠のテーマで終わらせず、創造力を働かせて解決する道を常に模索しています。

臨床検査部 光 源頭