カテゴリー別アーカイブ: 認知症疾患医療センター

高齢者および認知症の方の熱中症対策

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高齢者は体内の水分量が多少喪失しても、その影響が大きく、脱水症や熱中症につながります。体内の水分が足りなくなると、高温で体温が上昇した身体を冷やすための汗が出なくなり、さらに体温が上昇し、脳細胞が障害され死に至ることもあります。特に認知症の方は季節の感覚も低下することもあり、夏の暑い時間帯にもセーターを着ようとしたり、クーラーをつけずに過ごす方もおられます。
水分摂取と室内温度調節は本人任せにしないこともポイントです。

また、水分摂取でお勧めの一つをご紹介します。

「レモンバーム」というハーブをご存じでしょうか。このレモンバームで作った、ハーブ水を摂取することもお勧めです。レモンバームは認知症の原因となる、アミロイドβを取り除く効果があるとされているロスマリン酸多く含まれています。

今年は例年に比べて猛暑でもありますので、夏は爽やかなレモンバームの香りを楽しみながら、熱中症対策の一つとして取り入れてみてください。

認知症疾患医療センター 秘書課 U

※参考記事
金沢大学 ロスマリン酸含有レモンバーム抽出物の 認知機能低下抑制効果を報告

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認知症予防の日

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夏前の少しむしばむくらいの暑さを感じる今日この頃。どのようにお過ごしですか?2023年5月から新型コロナウイルス感染症が第5類になり、マスクを外したり、人に会ったりできるようになりましたね。どこかへお出かけになりましたか?私自身実家の愛知県に帰省しました。
(今旬の「岡崎城」がある岡崎出身です※名物は五平餅^^)

皆さん6月は「認知症予防の日」があるのをご存じですか?アルツハイマー病を発見したアルツハイマー博士の誕生日で、認知症予防の大切さを広げるために制定されました。診察についていると、患者様とその家族様の認知症予防に対する意識の高さを日々感じます。
食事、運動、脳活性、今持っている病気の悪化予防・・・など。たくさんの情報を取り入れご自身やご家族のために活用されています。
今日は、一つ提案をさせてきただきたいと思います。それは「自分のことを自分以外の誰かに話してみませんか?」という提案です。自分のこれまでの人生を振り返って話してみてください。

★ 私はこんな子供だったよ・・・
★ 私はこんな青春時代を過ごしたよ・・・
★ 好きだったこと。今でも大切にしていること・・・
★ 人生で譲りたくないこと・・・やり残したこと・・・
★ 心配なこと・・・

日々のちょっとした会話の中で、自分のことを話してみてください。あのとき話したあの小さな情報が、万が一病気や介護が必要になったときにその手助けになることがあります 書いてみるのもいいですよ。
では、雨冷えや脱水など体調に気をつけながら楽しくお過ごしください。

認知症疾患医療センター W

イラスト:いらすとや

書籍紹介

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今回は心理療法の一つ『認知行動療法』に関する書籍をご紹介したいと思います。
まずはじめに認知行動療法とは,心理学の理論である認知行動理論に基づいて,非適応的な振る舞いや考え方を合理的に修正し,セルフコントールを体系的に学ぶとともに,患者が自立した生活を送ることができるよう援助する心理学的治療法です*。
もとはアメリカの精神科医 Aaron T Beckによりうつ病に対する精神療法として開発されたものですが,うつ病以外にも,不安障害や,統合失調症など様々な疾患に効果があるとされています。
現在,我が国は少子高齢化社会を迎え,認知症患者の増加に伴い,必然的に支援者(介護者)も増加傾向にあるものと思います。また,人をケアする職業の人(対人援助職)のストレスは,他の職種と比べ深刻になりやすいとされています。そこで今回は,当事者である患者様の心のケア向けというよりも,患者様(当事者)を支える支援者の方自身のセルフケアを主な目的として書かれた書籍をご紹介します。
紹介書籍①『ケアする人も楽になる 認知行動療法入門 BOOK1』 伊藤絵美 著
紹介書籍②『ケアする人も楽になる 認知行動療法入門 BOOK2』 伊藤絵美 著
BOOK2では,支援者にとってストレスフルな様々な事例があげられ,一つ一つの事例に対し認知行動療法による技法を用いた解決方法が示されています。私個人としてはBOOK2をとても参考にしています。

社会生活を営む上で,友人や同僚らのサポートを受けつつも,“自分の身は自分で守る”ためのスキルを磨くということも同様に大切なことだと思います。
大切な家族やパートナーのためにも,少し自分自身の身体や心の健康に向き合う時間を設けてみても良いかもしれません。
また厚生労働省ホームページにも認知行動療法に関する資料が掲載されています。

引用文献
*坂野雄二.(2011).認知行動療法の基礎.金剛出版.

認知症疾患医療センター 心理士 M

第20回もの忘れフォーラムについて

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今年も、前回同様にWEB配信にて開催をさせていただくことになりました。“with コロナ”と題して「病院」「在宅」「家族」の3つの視点から4名の先生を講師にお迎えし、コロナ禍の経験を元に、実際の経験を通して得たものや、見えてきた課題について学んでいきましょう。

開催方法は、YouTubeにて令和5年3月1日(水)AM10時~令和5年4月15日(土)午後PM5時までの期間限定配信といたします。配信期間内であれば、何度でも視聴可能ですが、配信期間を過ぎてしまうと視聴はできませんのでご了承ください。
参加方法は
① インターネットにて『https://youtu.be/0hpepWzD2f8』へアクセス
② スマートフォン等でQRコードで読み取る
③ 倉敷平成病院のホームページから『http://www.heisei.or.jp/』のアクセス

となります。
事前の申し込みも不要となり、どなたでも視聴いただけます。是非多くの方々がご視聴され、学びを深めていただければと思います。

認知症疾患センター 精神保健福祉士 K

「認知症」って1つの病気?

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「認知症」って1つの病気みたいですよね.ところがそうではありません.
認知症の「症」の字はそもそも『その原因にな色々な病気があります』という印です.高血圧も,本来「高血圧症」であり,血圧が高くなる病気には色々な原因があります,ということを表しています。
なので「症」がついた病気は,その背後にある病態をしっかり見極める必要が多いのです。
「認知症」の原因も,頻度の高いものから稀なものまで本当にたくさんあります(表1)。
その中でも早期診断・早期治療によって「治る」病気もあります.特に数日から数週間で進んでいくような認知機能障害(認知症)は,「もう少し様子をみようかなあ」ではなくてできるだけ早く病院を受診しましょう。
代表的な病気には,慢性硬膜下血腫,脳血管障害,正常圧水頭症,神経感染症,脳腫瘍,薬剤性脳症,代謝性脳症(高アンモニア血症,電解質異常,等),などがあります。

認知症疾患医療センター センター長 涌谷 陽介

令和4年度 倉敷もの忘れ・認知症事例検討会『認知機能と運転免許~車の運転どうしよう~』開催報告

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2022年11月16日(水)にライフパーク倉敷にて令和4年度 倉敷もの忘れ・認知症事例検討会『認知機能と運転免許~車の運転どうしよう』が開催されました。当院認知症疾患医療センターが主体となり、当院の事例を元に地域の様々な職種(医師、薬剤師、ソーシャルワーカー、臨床心理士、地域包括支援センター、医療秘書等)で、運転免許の自主返納へつながる環境資源は何か、生活背景に何が必要かなどを話し合いました。グループワークを行うことで、一個人では見えなかった様々な視点から問題や、前向きな改善方法も見いだすことができたと思います。移動支援だけでなく、地域での買い物ができる環境整備、それに伴う地域の人と人とのつながりが、自動車運転返納の重要な鍵を握っていることが明らかになったように思います。この事例検討会を通して、地域の医療・福祉機関、倉敷市役所の方と意見交換することができたことは、当院認知症疾患医療センターの役割を担えたと思います。

認知症疾患医療センター 医療秘書 U.S

高齢者講習制度が変わったことをご存じですか?

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令和4年5月13日より高齢者講習制度が変わったことをみなさんご存じですか?
普通自動車を運転できる運転免許証を有する75歳以上の方が重大事故を起こしやすい交通違反をした場合、運転免許証更新時に運転技能検査が追加になりました。高齢者講習制度の変更以外にも,「サポートカー」限定免許の制度が新設され,申請により条件を付与又は変更することができるようになります。運転技能検査の対象となる違反行為としては
信号無視,通行区分違反,通行帯違反等,速度超過,横断等禁止違反(法定横断等禁止違反,指定横断等禁止違反),踏切不停止等・遮断踏切立入り,交差点右左折方法違反等(交差点右左折方法違反,環状交差点左折等方法違反),交差点安全進行義務違反等(交差点優先車妨害,優先道路通行車妨害等,交差点安全進行義務違反,環状交差点通行車妨害等,環状交差点安全進行義務違反),横断歩行者等妨害等,安全運転義務違反,携帯電話使用等があります。
※免許証更新時の誕生日の160日前の日前3年間の違反歴が対象となります。
免許更新期間の満期日に万70歳以下の方は、無事故・無違反で有効期間は5年ですが、71歳からの場合は無事故・無違反であっても免許の更新年数は変わります。

さらに、年齢が75歳以上の場合は、認知機能検査を受けなければなりません。
これまで75歳以上の高齢者は免許の免許更新時に、実車指導を受けるだけでしたが、今度は一定の違反歴が過去にある場合は免許更新の時に運転技能試験(実技試験)を課されます。その運転技能試験に合格しないと75歳以上の方は免許の更新ができなくなります。
高齢者の運転に対して厳しくなってきています。
私も久しぶりに父の運転する車に乗って父の運転は大丈夫か、いつまで運転するつもりなのかと考えました。父はまだ運転に対しては自信もありあぶないと思うことはなかったのですが、急に父親が運転免許がなくなってしまったときに困らないように、今から免許がなくなったときの生活について話あっておこうと思います。
岡山県は「おかやま愛カード」を申請すれば、バスの運賃が半額になったり、タクシーも1割引になったりしますがこれだけの免除で父は大丈夫なのかと不安になっています。
当院の運転免許外来を受診される方みなさん同じで、違反をして免許がなくなるかもしれなくなってから困っておられます。
そうなる前から家族みんなで話し合い、これからの生活が安心してできるようにしていきたいですね。

『高齢者講習制度が変わります!~改正道路交通法の施行~』をご参照ください。

岡山県警ホームページより

認知症疾患医療センター 看護師A

脳神経内科部長菱川望先生が実践する「認知症予防ヨガ」の動画ができました。是非ご覧ください。

このたび、倉敷平成病院YouTubeチャンネルに新動画「ドクターのぞみの認知症予防ヨガ」(6本シリーズ 1本2~3分)がアップされたので、ご紹介します。

1)準備体操
2)体を伸ばすポーズ
3)猫のポーズ
4)ねじりのポーズ
5)スーパーブレインヨガ
6)呼吸法


菱川先生は、数年前からヨガをご自身の健康法として実践しておられます。
このたび、ご高齢の方でも簡単に取り入れることができ、認知症予防につながるであろうヨガの紹介動画の制作依頼を受け、今回の公開となりました。

リハビリテーションスタッフの協力を得、座ったままできる姿勢のバージョンも紹介しています。

是非、生活に取り入れてみてください。

認知症疾患医療センター

第57回のぞみの会YouTube動画 第一弾を配信開始

令和4年度、『第57回のぞみの会』の動画、第一弾が本日11月1日(火)9時から配信開始となりました。
第一弾では倉敷平成病院 理事長 高尾聡一郎 先生による「開会のご挨拶」と倉敷平成病院認知症疾患医療センター 涌谷陽介 先生による勉強会「もの忘れ外来ってどんなところ?」を公開しております。


ぜひご覧ください。

今年のテーマは「こんな時こそ、救急から在宅まで、一貫した医療、介護を~共に歩む全仁会~」と定めて、職員一丸となり、冊子と動画の準備を進めてまいりました。11月より毎週火曜日9時頃から随時配信予定です。お楽しみに!

また、冊子も外来に設置しております。ご希望の方は発送もいたしますので、申し込みフォームよりご連絡ください。
詳細・お申込みフォームはこちら

次回動画は11月8日(火)「どうすればいいの?救急車」を公開予定です。

第57回のぞみの会実行委員

第11回日本認知症予防学会学術集会で倉敷平成病院より3名発表、涌谷センター長は浦上賞を受賞

9月23日(金)~25日(日)に行われた、第11回日本認知症予防学会学術集会(福岡国際会議場)で、当院から3名が演題発表し、「運転免許外来受診者130名の初回受診時と6カ月後の評価の特性の解析」で発表された涌谷センター長が浦上賞を受賞されました。浦上賞は、同学術集会で行われた発表のうち、学術の向上に貢献すると認められる優秀なものに授与される賞です。
また、当院 公認心理師と医療秘書がオンライン発表しました。ので各人のコメントをご紹介します。

発表した 吉川公認心理師よりコメント
今回は、「BPSD(不安)が強い入院患者への多面的評価・アプローチについて」事例発表をさせて頂きました。当院の公認心理師は、認知症疾患医療センターにおいて、BPSDの評価・アプローチを行ない、病棟では、認知症・せん妄サポートチーム(DST)とも積極的に連携を行ないながら、評価・介入を行なっています。
発表した事例は、BPSDが顕在化した入院患者に対して主治医・DST、リハビリとの連携、心理面などから多面的な視点で評価・アプローチを行うことが有効であったとの報告を行ないました。特に心理面では、回想法を通して生育歴を繰り返し語り、思いの表出が気持ちの整理につながった事例でした。
発表後の質疑応答では、病棟での心理師が介入する頻度や回想法の内容についてご意見を頂きました。
学会を通して、改めて連携を行なう大切を感じることが出来ました。今回の経験を日々の業務に活かして、精進していきたいと思います。貴重な経験をさせて頂き、ありがとうございました。

発表した 上野医療秘書よりコメント
「岡山県における運転免許返納の実態調査と返納支援に向けて」の演題で、オンライン発表をさせて頂きました。医療秘書の当院の運転免許外来での役目の一つに岡山公安委員会との渉外活動があります。岡山公安委員会のご協力のもと岡山県の運転免許の実態をデータ化し、市町村別運転免許の返納率を可視化することができました。
 各市町村の特徴が現れ、移動支援が普及している市町村は運転免許の返納率も高いことも明らかになりました。岡山県の自主返納推進の後押しができる発信ができたと思います。地域の方や当院運転免許外来に来院した患者さんの安全な暮らしを守り、自主返納を推進する役目がある医療機関のチーム医療のメンバーとして、今後も岡山公安委員会と連携し、よりよい医療提供を行う役割を図っていきたと思います。

 

今後もますます、多職種によるチーム医療でよりよい医療提供を行っていけたらと思います。

 

秘書広報課