第12回日本認知症予防学会学術集会参加報告

カテゴリー: 認知症疾患医療センター | 投稿日: | 投稿者:

 第12回日本認知症予防学会学術集会「認知症予防のための多職種協働と地域連携」をテーマに、2023年9月15日16日17日の3日間にわたり、朱鷺メッセ新潟コンベンションセンター(新潟市中央区)にて開催されました。
当院からは、5名が参加しました。
涌谷センター長は、「運転免許を返納するときの患者の心情に関する考察ー具体的事例を通してー」のタイトルでポスター発表と口演「認知症の診断1」での座長をされまいた。
菱川脳神経内科部長は、口演「認知症の診断1」で座長、また、第13回認知症予防専門医教育セミナーでの講師をつとめられました。

また3名のスタッフはそれぞれ口演発表をいたしました。

発表者からのコメントを紹介します。
■「記憶障害からBPSDが出現している入院患者へのアプローチ-メモリーノートを用いての統一的対応-」 森永 ゆりこ(ST・CP科 公認心理師)
CP(公認心理師)からは、心理師が関わっていた入院患者さんの事例について発表しました。落ち着いて入院生活を過ごせるよう、他職種と連携しながら対応にあたった事例でした。発表に関して、「認知症の分野で心理師が介入しているケースは、よくあることなのでしょうか?」との質問をいただきました。精神科や心療内科など精神医療の分野や、教育分野に比べると、認知症領域での心理師の活動というのは、まだまだ珍しい(新しい)方なのだと実感しました。様々な職種の方に心理師の活動を知っていただき、もっと現場で必要とされる存在になれるよう、これからも研鑽を積んでいきたいと思います。

■「病棟配置薬の整備による入院患者への睡眠薬適正使用の取り組み」  市川 大介 (薬剤部部長)
病棟配置薬の工夫による睡眠薬適正使用の取り組みについて学会発表しました。コロナ対策が緩和されて久しぶりの現地集合開催で、緊張感のある中で無事に発表を終えることができました。学会参加した方々と美味しい地酒も堪能しました。

■「認知症予防における頭痛患者へのアロマテラピー」   上野 節子 (秘書課副主任)
認知症予防における頭痛患者へのアロマテラピーについて発表しました。片頭痛(特に女性片頭痛)が認知症に与える影響があると報告されています。嗅覚の情報は、一早く記憶を司る海馬がある大脳辺縁系に届き、記憶を喚起する伝達経路となっています。ラベンダーとゼラニウムの精油を使用し、オープンラベル・クロスオーバー法を施行。急性期頭痛治療薬の使用率や仕事家事への影響を減らし、月経関連期間の平均頭痛日数、回数、程度の軽減、何よりも高いリラックス効果を認めました。平成病院のメンバーと新潟の地で発表内容は違いますがあらゆる方向から活動を発表できたことを嬉しく思います。

秘書課 U