書籍紹介

カテゴリー: 認知症疾患医療センター | 投稿日: | 投稿者:

今回は心理療法の一つ『認知行動療法』に関する書籍をご紹介したいと思います。
まずはじめに認知行動療法とは,心理学の理論である認知行動理論に基づいて,非適応的な振る舞いや考え方を合理的に修正し,セルフコントールを体系的に学ぶとともに,患者が自立した生活を送ることができるよう援助する心理学的治療法です*。
もとはアメリカの精神科医 Aaron T Beckによりうつ病に対する精神療法として開発されたものですが,うつ病以外にも,不安障害や,統合失調症など様々な疾患に効果があるとされています。
現在,我が国は少子高齢化社会を迎え,認知症患者の増加に伴い,必然的に支援者(介護者)も増加傾向にあるものと思います。また,人をケアする職業の人(対人援助職)のストレスは,他の職種と比べ深刻になりやすいとされています。そこで今回は,当事者である患者様の心のケア向けというよりも,患者様(当事者)を支える支援者の方自身のセルフケアを主な目的として書かれた書籍をご紹介します。
紹介書籍①『ケアする人も楽になる 認知行動療法入門 BOOK1』 伊藤絵美 著
紹介書籍②『ケアする人も楽になる 認知行動療法入門 BOOK2』 伊藤絵美 著
BOOK2では,支援者にとってストレスフルな様々な事例があげられ,一つ一つの事例に対し認知行動療法による技法を用いた解決方法が示されています。私個人としてはBOOK2をとても参考にしています。

社会生活を営む上で,友人や同僚らのサポートを受けつつも,“自分の身は自分で守る”ためのスキルを磨くということも同様に大切なことだと思います。
大切な家族やパートナーのためにも,少し自分自身の身体や心の健康に向き合う時間を設けてみても良いかもしれません。
また厚生労働省ホームページにも認知行動療法に関する資料が掲載されています。

引用文献
*坂野雄二.(2011).認知行動療法の基礎.金剛出版.

認知症疾患医療センター 心理士 M