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栄養科通信vol.174「さあ!にぎやか(に)いただく」

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歳をとったら粗食でよいと思っている、軟らかいものばかり食べている、調理が面倒でいつも同じような食事になっている・・・など心当たりはありませんか?
そんな方は知らず知らずのうちに低栄養になっているかもしれません。
低栄養を予防することはフレイル(加齢によって心身が疲れやすく弱った状態)の予防にもつながります。そこで東京都健康長寿医療センターが開発した食品摂取多様性スコアを構成する10の食品群の頭文字を取った合言葉「さあにぎやかにいただく」を紹介します。

「さあにぎやか(に)いただく」とは、
さ→魚、あ→油、に→肉、ぎ→牛乳、や→野菜、か→海藻、(に)、い→芋、た→卵、だ→大豆、く→果物

☆ご飯やパンなどの主食に加え、以上の10の食品群のうち、毎日7つ以上摂ることが目標です。色々な食品を摂ることで偏りなく食べられ、低栄養にならないという考え方です。
品数をたくさん用意するのが大変という方は、丼物にしたり、汁物の具の種類を増やすなど工夫次第で多様な食品を食べることができます。

多様な食品を摂取している人は
・認知機能の低下リスクが低い
・歩行速度が速く、歩行速度の低下リスクが低い
・握力の低下リスクが低い
など、多様な食品を摂ることは老化のスピードを遅らせるのに重要であるということが東京都健康長寿医療センターから報告されています。

多様な食品を摂取し、低栄養を予防しましょう。

「さあ、にぎやかにいただく」は、東京都健康長寿医療センター研究所が開発した食品摂取の多様性スコアを構成する10の食品群の頭文字をとったもので、ロコモチャレンジ!推進協議会が考案した合言葉です。

倉敷平成病院 整形外科 平川宏之医師はロコモアドバイスドクターに登録されています。

※ロコモアドバイスドクターとは、ロコモティブシンドロームの正しい知識と予防意識の啓発のための活動を行なっている日本整形外科学会所属の専門医の方々です。

 

管理栄養士Y.N

栄養科通信vol.173「お酒の飲み方に気を付けましょう」

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年末年始はお酒を飲む機会が増えますね。コロナで外出できず、例年より飲みすぎた人はいませんか。家だから酔っぱらっても大丈夫という解放感もあると思いますが、いくつかポイントを頭に入れておきましょう。

①お酒は食事と一緒に飲みましょう
空腹のままお酒を飲むと、アルコールが急激に吸収され、酔いがまわるのが早くなります。食事と一緒にお酒を飲めば、胃の中の食べ物が粘膜の上に層を作り、アルコールの吸収を遅らせます。

②お酒は水分と交互に飲みましょう
水やウーロン茶をお酒と交互に飲めば飲み過ぎを防ぐことができます。また、胃の中のアルコール濃度を薄くし、二日酔いを軽減します。

③水分補給をしっかりしてから寝ましょう
アルコールには利尿作用があります。しっかり水分補給をすることで排出された水分を補いましょう。また睡眠不足は二日酔いを悪化させるので、早めに寝るようにしましょう。

●肝機能をサポートする栄養素とおつまみ

ビタミンB1…糖質をエネルギーに変換する働きや皮膚、粘膜の健康維持に役立ちます。お酒を飲むと、体内でのアルコールの分解にビタミンB1が消費されます。さらにアルコールによってビタミンB1の吸収が阻害されます。

ナイアシン…糖質、たんぱく質、脂質などの分解をサポートします。飲酒によって産生されるアセトアルデヒドを無毒化するのにナイアシンが消費されるため、お酒を良く飲む人ほど意識してナイアシンを摂取することが大切です。

亜鉛…たんぱく質合成に関わる酵素の材料として使われます。味覚を正常に保つ働きもあります。お酒を飲む機会が多くなると肝臓が疲れやすくなりますが、肝臓は細胞の新陳代謝が活発で、新しい細胞を作るのに亜鉛が必要となります。

【上記の栄養素を含むおつまみ】豚キムチ、レバニラ炒め、だし巻き玉子など

●アルコールの適量(純アルコール約20g程度)

ビール(度数5%)…中瓶1本(500ml)
日本酒(度数15%)…1合(180ml)
焼酎(度数25%)…0.6合(110ml)
ウイスキー(度数40%)…60ml
ワイン(度数14%)…1/4本(180ml)

適量には個人差があり、同じ人であってもその日の状態によってアルコール分解の速度が異なるため、一概にいうことはできません。厚生労働省が推進する国民健康づくり運動「健康日本21」によると、「節度ある適度な飲酒」は1日平均純アルコールにして約20g程度であるとされています。上記で示したポイントを守ることで体調に気をつけて楽しく新年を過ごしましょう。

管理栄養士 A.T

栄養科通信vol.172 「夜遅い食事に注意」

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師走の時期、あれやこれやと用事が立て込み、つい夕食が後回しに。なんて方も多いのではないでしょうか。農林水産省の調査でも、夕食時間が21時以降の人の割合が、20~50代で増加しています。

夜遅い時間に食事をとると、食事からとったエネルギーが消費されにくく、体脂肪として蓄積されます。また、眠る時間が遅くなり良い睡眠が出来ず、翌朝食欲がなくて朝食が食べられないといった生活リズムの乱れも出てきます。質の良い睡眠がとれないと、心身の疲れが抜けません。

できるだけ早めの夕食と質の良い十分な睡眠を確保できるよう、規則正しい生活リズムを心がけましょう。どうしても遅くなる時は食べ方を工夫しましょう。

☆夕食は寝る3時間前までに済ませる

胃の中に大量に食べたものが残っていると、消化活動により就寝後も胃が働き続けるため、興奮状態となってなかなか寝付けません。胃の中がからっぽの場合は消化のためのエネルギーが不要となり、血液がすべて脳に集まって来てしまい、脳が覚醒状態となってしまいます。

☆どうしても遅くなってしまうときは、低脂肪で消化の良いものを摂りましょう

揚げ物などのこってり系や肉などのおかずは少なめにし、煮物や野菜料理中心すると、エネルギーや脂肪のとり過ぎを防ぐことができます。また、よく噛んで食べることも大切です。消化をよくし、脳の満腹中枢も刺激されて食べすぎを防ぐことができます。

 

管理栄養士 H.S

栄養科通信vol.171 「目を守る食生活へ」

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コロナ禍で家にいることが増えて、スマートフォンやパソコンなどの使い過すぎで目を酷使していませんか。生活環境が一変するなか、目の不調を訴える人が増えています。主な症状は目のかすみ、痛み、充血などで、進行すると頭痛、めまい、肩こり、吐き気なども伴うこともあります。皆さんは、疲れ目やかすみ目を感じることはありませんか。そこでIT機器で酷使される現代人の目を守る栄養素や食材をいくつか紹介します。

①ビタミンA
角膜の細胞を作り換え、表面を保護する粘膜を健康に保つ働きがあります。不足すると、暗いところが見えにくくなり、角膜の透明度の低下などの症状が見られます。小松菜や人参、南瓜、レバーなどに含まれます。

②β-カロテン
体が必要とする量をビタミンAに変換し、残りは体内に蓄積されます。眼精疲労に効果があります。南瓜やモロヘイヤ、インゲン、人参などに含まれます。油が加わると吸収力がアップしますので炒めるか、サラダにしてドレッシングに和えると効果的です。

③ビタミンB群
ビタミンB1とB12には、視神経や筋肉の疲労を解消し、視力低下を防ぐ効果があります。ビタミンB1の不足から起こる疲れ目もあるので意識的に摂りましょう。ビタミンB1は、米や豚肉、豆類。ビタミンB12は、しじみやイクラ、牛レバーなどに含まれます。

④タウリン
視神経や筋肉の緊張をほぐす作用があるため、疲れ目の改善に効果的です。タウリンは、まぐろやサバなどの魚肉の血合いや貝類に含まれます。

目は重要な感覚器官であり、脳の情報の80%以上は視覚を通して集められるといわれています。疲労をためると、目の疲れや充血がみられます。目の健康を守るために、普段から目に良いとされるビタミン類を含む、バランスの良い食事を心がけていきましょう。目の休養やスマートフォンを見すぎないことなども大切です。

管理栄養士 MA

栄養科通信Vol.170「フードファディズム」

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フードファディズムという言葉をご存知ですか?
フードファディズムとは、食べものや栄養が健康に与える影響を過大に信じたり評価することを指します。テレビやマスコミ・書籍・雑誌に書かれている「この食品を摂取すると健康になる」「この食品を口にすると病気になる」などの情報が過大に宣伝され、その結果バランスを欠いた偏執的で異常な食行動をとることで様々な弊害を引き起こすようになり、問題視されるようになりました。

特に現代では、食べものが「おいしさ」や「価格」だけでなく、「健康的かどうか」という点からも評価されるようになり、特定の食べもののブームが定期的に発生するなど、フードファディズムは社会的に影響を持つようになっています。

最近では、2020年に「納豆が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に有効」という噂から、納豆の買い占めが発生し、一時品薄になりました。(※納豆が新型コロナウイルス感染症に直接有効であるという根拠はないとされています。)このように、特定の食品ブームに対応するため増産に追われたメーカーや農家は、翌年は一層の需要増加に対応するため、その食品を増産しますがブームが終わって売れなくなると、最悪の場合経営難にも繋がる場合があるそうです。それだけでなく、大量生産された野菜は廃棄野菜となる可能性が高く、食品メーカーが製造した食品は在庫過多となり廃棄され、フードロス(食品ロス)に繋がります。

健康に良いからという情報だけで、偏食的に同じ食品を摂り続けるのはやめましょう。本当に自分が必要とする情報を取捨選択し、生活に活かすことが大切です。気になることや分からないことがあれば、当院の管理栄養士が相談にのります。情報を上手く活用して賢い消費者になりましょう。

管理栄養士 MS

栄養科通信Vol.169「岡山県のパン事情」

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7月から8月にかけて、食品の値上げのニュースが頻繁に聞かれました。油、小麦粉をはじめ、油を原材料に使うマヨネーズまで食品の価格が上がっています。これは原料の輸入価格の高騰だけでなく、梱包資材、輸送コストの上昇の影響もあるとのことです。

小麦粉が値上がりすると、まず1番に心配してしまうのはパンの価格への影響ではないでしょうか。それもそのはず、総務省統計局が出している家計調査の1世帯当たり品目別年間支出金額及び購入数量(二人以上の世帯)のデータから、2018~2020年平均の品目別都道府県庁所在市及び政令指定都市ランキングにおいて、パンの支出額第2位は岡山市でした。

金額は36,950円です。しかし、数量は56,618gで第1位!全国平均のパンの支出額は31,391円、数量は45,465gです。

パンの種類別では、食パンの支出額は19位で10,402円。数量は14位で22,103gです。
その他のパンは堂々の第1位で金額は26,548円、数量も同じく1位で28,011gです。

食パンより菓子パンや惣菜パンを好んで買う傾向が見られます。

ちなみに、お米の支出額は49位で19,287円、数量は53,42㎏で51位。下から2番目でした。52位は東京都区部です。

朝はパンという方も多いと思います。ご飯150gは252kcalに対して食パン6枚切り1枚は177kcal、ロールパン1個95kcal。一見パンの方がカロリー低いし太らなくていいのでは?と安易に考えがちですが、最近はやりの高級食パンには、バターや生クリームがたっぷり使用されている場合もあるので要注意です。

朝食のパンは食パンやフランスパンなどシンプルなパンを選ぶようにし、卵などのたんぱく質のおかずと野菜サラダを添えてバランスよく食べるようにしましょう。

秋になると芋や栗、かぼちゃなど秋の味覚を使った季節限定のパンも多く発売されます。食べ過ぎにはくれぐれもご注意ください!

管理栄養士 S.N

栄養科通信Vol.168「マスク肌荒れ対策」

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毎日暑くても常にマスクをつけていなくてはならず、つらい夏です。常にマスクをつけていることで、最近特に、肌荒れに悩んでいる人が増えているようです。

マスク肌荒れの原因としては、
・マスクをつけたりはずしたりすることによる肌への摩擦
・マスクの素材アレルギー、洗濯時の洗剤の洗い残り
・マスク内の高温多湿、マスクを外した時の急な乾燥
があると言われています。

マスク内は呼吸と皮脂、汗により高温多湿の状態です。
ふやけた肌にマスクの取り外しで傷がつくと肌のバリア機能が低下します。マスクを外すと急にマスク内の湿度が下がり、肌から水分が奪われ入浴後のように乾燥します。
乾燥した肌は潤いを保つため皮脂を出そうとするので、皮脂をエサにして増殖する菌にとってマスクの中は非常に好条件になってしまうのです。

マスクを外す時はずらすのではなく耳から取り外したり、洗顔や保湿にも気を配りましょう。
また、菌のエサとなる皮脂を過剰に増やさないように生活習慣を見直すことも大切です。揚げ物や甘いもの、炭水化物などは皮脂の分泌を増やしやすいので食べ過ぎないよう気をつけて。
反対に、脂質の代謝を高め、皮脂分泌を調整するビタミンC、B2、B6、食物繊維などを含む食品は積極的に取り入れるのがいいでしょう。フルーツや鮭、鯵、鶏ささみ、にんにくやゴーヤなど、いろいろ組み合わせて食べるようにしてみましょう。

さらに、男性ホルモンを増やす行動も皮脂分泌を促進させることになるため、睡眠不足やストレスフルな生活、シャワーだけで湯船につからないなど、思い当たる人はそこを改善してみるものいいかもしれません。
マスクを外した生活はまだまだ想像できませんが、気をつけて少しでも快適なマスクの夏を過ごせるといいですね。

栄養科 管理栄養士A子

栄養科通信vol.167「早食いと肥満」

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昔から「早食いは肥満のもと」といわれています。早食いをすると肥満になりやすいのは脳の満腹中枢が関係しています。満腹中枢とは脳の視床下部にある器官のひとつで、摂食行動を調整しています。食べ物を食べると消化・吸収され、血液中のブドウ糖が増加します。満腹中枢はこれを感知し、「お腹が一杯になった」と体に伝えます。しかし、ブドウ糖が上昇したことを満腹中枢が感知するまで約20分かかるとされ、早食いの人は満腹感を感じる前に食べ過ぎてしまい、結果として肥満になりやすくなります。また、早食いは食後の血糖値が上昇しやすくなるため、糖尿病のリスクも高めます。そのため、ゆっくり食べることが大切です。

ゆっくり食べるコツの1つは「よく噛む」ことです。よく噛むことで満腹中枢がより早く刺激され、少量でも満腹感が得られやすいのです。またよく噛むことは脳の活性化や、唾液の分泌を増やして消化を助ける、虫歯や歯周病を予防するなどの効果があります。その他にも日頃からよく噛んで歯や顎を鍛えておくと、しっかり歯を食いしばることができるので力を出しやすくなり、全身の筋力や体力の向上につながります。

また、よく噛むこととエネルギー消費には関係があると言われています。人が消費するエネルギーには呼吸など生きていくために最低限必要な生命活動で消費される「基礎代謝」、運動や家事などの活動で消費される「身体活動量」、食べ物の消化や吸収で消費される「食事誘発性熱産生」があります。よく噛むことで消化活動が活発になって食事誘発性熱産生が高まり、エネルギー消費量を増やすことができます。

東京工業大学大学院では、食事(パスタ、ヨーグルト、オレンジジュース)を食べる時間の差での食事誘発性熱産生の違いについて調査しており、早く食べた時のエネルギー消費量は15kcalでしたが、ゆっくりよく噛んで食べた場合は30kcalで、咀嚼回数を増やすとエネルギー消費量に2倍の差が出ることが明らかになったそうです。

食事はゆっくりよく噛んで味わって食べましょう。

☆ゆっくり食べるコツ
 ・噛みごたえのある食材を選ぶ
  ごぼうやれんこん、きのこなど、食物繊維の多い食品を取り入れましょう。
 ・食材を大きめに切る
  大きめに切ることで、飲み込むまでの噛む回数が自然と増えます。
 ・口に入れる量を減らす
  一口量を少なくしましょう。
 ・箸を置く
  一口食べるごとに箸を置き、食事を味わいましょう。

参照:東京工業大学ホームページ

https://www.titech.ac.jp/news/2015/031199

管理栄養士 Y.M

栄養科通信vol.166「朝食を食べましょう」

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令和元年の国民健康栄養調査では朝食を食べていない人の割合は成人男性で15.5%、
成人女性で9.1%でした。忙しくて食べる時間がない、食欲が湧かないなど、つい朝食を抜いてしまっていませんか?
朝食には大切な働きがたくさんあります。

☆朝食は1日をはじめる大事なスイッチ
私たちの脳は“ブドウ糖”をエネルギー源として使っています。
朝起きたときに頭がボーッとしてしまうのは、
寝ている間にブドウ糖が使われて足りなくなってしまうためです。
朝食を食べないと、午前中体は動いても頭はボンヤリということになりがちです。
脳のエネルギー源のブドウ糖を朝食でしっかり補給し、脳と体を目覚めさせましょう。

☆リズムよく生活して健やかに!「体内リズム」と「生活リズム」
人間の体には体内時計と呼ばれるものがあるのを知っていますか?
体内時計は25時間の周期で体内リズムを刻んでいますが、1日は24時間なのでこのズレを修正する必要があります。朝日を浴び、朝食を摂ることで体内時計がリセットされますが、朝食を食べず体内リズムがズレたままだと体と心のバランスが保てなくなるためしっかり活動することができなくなり、感情が不安定になってしまうことさえあるのです。「体内リズム」と「生活リズム」のズレをなくすには、まず朝食をしっかりとることがとても大切です。

朝食で気をつけたいポイント!
主食、主菜、副菜が揃ったバランスの良い食事を心がけましょう。
主食・・・米・パン・麺類などの穀類で、糖質からのエネルギーをとりましょう。
主菜・・・魚、肉、卵、豆腐などのおかず。たんぱく質を十分とりましょう。
副菜・・・野菜を中心にビタミン、ミネラル、食物繊維を十分にとりましょう。

 

参考:農林水産省HP

管理栄養士Y.N

栄養科通信vol.165「聴覚に影響される“味”」

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何かを食べて、美味しい・甘い・からい・酸っぱい・・・などの味は、そのときに聞いている音によって変化することをご存じですか?

☆音からの影響
例)ベーコンエッグ・・・鶏の鳴き声を聞きながら食べると、卵の味を強く感じる
豚の鳴き声を聞きながら食べると、ベーコンの味を強く感じる
シーフード  ・・・波の音を聞きながら食べると、塩味など海の風味を強く感じる
機内食が美味しくないと思う原因に、飛行機特有のガーッと言うノイズをずっと聞いているため、特に甘みを感じにくくなり全体的に薄味に感じてしまうよう。

☆音楽からの影響
高低 ・・・高い音を聞くと、苦味を強く感じやすくなる
低い音を聞くと、甘味を強く感じやすくなる
リズム・・・リズムが良くビートがわかりやすい音は、酸味や苦味を感じやすい
ピアノやフルートのような滑らかな音は、甘味や舌触りが良く感じる

味は、聴覚以外にも視覚や触覚など五感をフル活用した体験であるため、今までの人生経験に左右されます。そのため、幼児が同じことをやってもほとんど効果がないそうです。
いわば、連想ゲームに近いのかもしれませんね。
もしあなたのお近くに食事がすすまなくて困っているという方がいたら、その日のメニューに合わせた“音”を工夫してみてください。

栄養科 H.S