栄養科通信Vol.170「フードファディズム」

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フードファディズムという言葉をご存知ですか?
フードファディズムとは、食べものや栄養が健康に与える影響を過大に信じたり評価することを指します。テレビやマスコミ・書籍・雑誌に書かれている「この食品を摂取すると健康になる」「この食品を口にすると病気になる」などの情報が過大に宣伝され、その結果バランスを欠いた偏執的で異常な食行動をとることで様々な弊害を引き起こすようになり、問題視されるようになりました。

特に現代では、食べものが「おいしさ」や「価格」だけでなく、「健康的かどうか」という点からも評価されるようになり、特定の食べもののブームが定期的に発生するなど、フードファディズムは社会的に影響を持つようになっています。

最近では、2020年に「納豆が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に有効」という噂から、納豆の買い占めが発生し、一時品薄になりました。(※納豆が新型コロナウイルス感染症に直接有効であるという根拠はないとされています。)このように、特定の食品ブームに対応するため増産に追われたメーカーや農家は、翌年は一層の需要増加に対応するため、その食品を増産しますがブームが終わって売れなくなると、最悪の場合経営難にも繋がる場合があるそうです。それだけでなく、大量生産された野菜は廃棄野菜となる可能性が高く、食品メーカーが製造した食品は在庫過多となり廃棄され、フードロス(食品ロス)に繋がります。

健康に良いからという情報だけで、偏食的に同じ食品を摂り続けるのはやめましょう。本当に自分が必要とする情報を取捨選択し、生活に活かすことが大切です。気になることや分からないことがあれば、当院の管理栄養士が相談にのります。情報を上手く活用して賢い消費者になりましょう。

管理栄養士 MS