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温故知新

カテゴリー: 薬剤部 | 投稿日: | 投稿者:

「子曰、温故而知新、可以為師矣(子曰く、故きを温ねて新しきを知る、以って師と為るべし)」
中国の思想家孔子が述べた言葉です。
この言葉から生まれた四文字熟語に「温故知新」という言葉があります。
昔のことを研究し、そこから新しい考え方や知識を得るということを意味します。

薬の世界にも、温故知新の精神から生まれた概念があります。
それがドラッグリポジショニング(Drug Repositioning)です。

ドラッグリポジショニングとは、ヒトでの安全性と薬物動態(=薬が体の中でどのような動きをして、変化していくかの過程)が既に確認されている既存の医薬品、あるいは、世の中に出回る前に開発が中止となってしまった薬剤から、新たな薬効を見つけ出し、実用化につなげていこうという研究手法のことを言います。

以前のブログ(2019年7月13日)でも紹介しましたが、創薬(=新しい薬をつくる)の成功確率は3万分の1です。そして、このたった1つの薬の誕生には9~17年といった膨大な時間と、200~300億円といった膨大な費用がかかると言われています。

世界経済の見通しの暗さや医薬品の承認審査(=新薬の有効性や安全性を確認する過程)の厳格化などが影響し、近年、承認される新薬の数が年々減少しています。
そんな中、創薬に求められていることは、「低コスト」と「安全性」なのです。

そこで、近年注目されるようになったのがドラッグリポジショニングです。
ドラックリポジショニングでは、基本的な安全性が既に確認されている医薬品を用いるため、一部の非臨床試験を行わずに臨床試験へと進むことができます。また、新しい医薬品をゼロから開発する必要がないため、開発費用を大幅に抑制することができます。
つまり、「低コスト」で「安全」な手法なのです。
既に、多数の薬剤がドラッグリポジショニングによって誕生しており、最近では、新型コロナウイルス感染症治療薬開発においても、ドラッグリポジショニングが注目されています。

薬剤部 H.N

季節の壁紙

早いものでもう6月。月日の流れの早いこと。
ショートステイでは、4月、5月と大忙しの日々が続き、6月に入り、少し落ち着きを取り戻して来た感じです。

職員、ご利用の方とかかわりが持てない日が続き、お互いがストレスを抱える思いをしていました。
楽しい行事会や、レクリエーションも中止になり、楽しみも減少し、ご利用の方々の笑顔を見ることも減ってきました。
そんな中、壁紙の飾りを作り、季節の変化を感じてもらおうと月ごとに作成しています。
先月は、藤の花の壁紙、今月は紫陽花とカエルの合唱の壁紙を作りました。
ご利用の方々から「いいねぇ」「かわいいよ」「気分が変わるね」と喜ばれました。

また、脳トレで日本地図を利用し、47都道府県名を言う事なども行っています。
今後も出来る事を工夫していこうと思っています。

ケアセンターショートステイ K

低血糖

カテゴリー: 糖尿病療養指導士 | 投稿日: | 投稿者:

糖尿病の治療の基本は食事療法・運動療法ですが、2~3ヵ月しても血糖値のコントロールが不十分な場合、薬物療法が開始されます。

糖尿病の薬物療法中に、最も高頻度でみられる急性合併症が低血糖です。
一般に、血糖値が70mg/dL未満になると、人のからだはグルカゴンやコルチゾールといったホルモンの分泌を増やすことで血糖値を上げようとします。また、血糖値が50mg/dL未満になると、脳などの中枢神経がエネルギー(糖)不足の状態になります。その時にでる特有の症状を低血糖症状と言います。

普段の血糖値がかなり高い人では、血糖値が70mg/dLより高くても低血糖症状がでることがあります。逆に、普段から低血糖気味の人では、血糖値が50mg/dLより低くても低血糖症状がでないことがあります(無自覚性低血糖)。
血糖値が30mg/dL以下(重症低血糖)になると、痙攣発作・低血糖昏睡に至り、命に危険が及ぶことがあるため、低血糖になったときは、できるだけ早い段階ですみやかに対応しなければなりません。

意識がある場合はブドウ糖10g(砂糖の場合20g)やブドウ糖を含む飲料水(ジュースなど)を摂るようにしますが、意識がなくなるような重症低血糖の場合、無理にブドウ糖やジュースを飲ませることで誤嚥や窒息を起こす可能性があるため、医療機関に到着するまでの緊急処置として、家族がグルカゴンという注射を行う場合もあります。
しかし、注射をする前に、溶解液で薬剤を溶解させたり、溶解させた液を注射器で吸引したりするなど、投与を完了するまでに数分程度かかる可能性があります。
そこで昨年発売されたのがバクスミー点鼻粉末剤です。

バクスミー点鼻粉末剤は、重症低血糖の救急処置に用いるグルカゴン製剤です。ケースから点鼻容器を取り出した後、点鼻容器を手に持ち、先端を鼻に入れ、注入ボタンを押すという非常に簡単なステップで投与が可能です(20~30秒あれば投与を完了できます)。一方で、効果は注射剤と同等、効き目の早さはほとんど同じです。また、感冒症状(鼻水・鼻づまり)があっても問題なく使用できます。

今回はバクスミー点鼻粉末剤という低血糖の救急処置薬について紹介しましたが、最も大切なことは低血糖にならないということです。薬は医師の指示通り内服し、規則正しい食生活を心がける、空腹時の運動は避けるなど、低血糖を起こさないような生活をこころがけましょう。

糖尿病療養指導士 薬剤師 H.N

デイサービス 開設11周年記念

カテゴリー: デイサービスドリーム | 投稿日: | 投稿者:

いつになく早い梅雨入りとなりましたが、皆様はいかがお過ごしでしょうか?

6月1日デイサービスドリームは11回目の開設記念日を迎えることが出来ました。
ご利用の皆様・関係各署の皆様の支えあっての事であり、この場を借りて御礼を申し上げます。
デイサービスドリームは、「良くなる、感動する、楽しい、キラキラ輝く」をモットーにしています。

以前は屋外機能訓練として様々なところへ皆で出かけたり、歌を楽しむ時間や皆で育てた野菜を使ってクッキングをしたり…と多種多様なプログラムを楽しんで頂いていましたが、プログラム内容も変更せざるを得ない状況となりました。
制限ある中で、いかに楽しんで頂くか、感動して頂くか…
身体機能を維持して、キラキラした日常が送れるか…
職員一同、色々なアイデアを出し合い、

・どうすれば提供可能か?
・どうすれば季節を感じて頂けるか?
・どうすれば外出した様な気分転換を図れるか?
など、試行錯誤し、工夫を重ね、新たなプログラムを考えています。

皆様にとって食事は大切な楽しみの一つでもありますが、最近は外出できないこともあり、お祝い御膳をとても喜んでくださいました。

また外出出来る様になった時のため、今は心身共に健康でいられる様に、一緒に頑張りましょう!そして、また必ず皆で屋外機能訓練に出かけましょう♪とお伝えしました。
色んな事に制約のある日々ですが、こんな時だからこそ、今できる精一杯のおもてなしを、スタッフ一同心がけていきたいと思います。

デイサービス ドリーム 職員一同

 

今できる!お口の機能低下を予防しましょう!

カテゴリー: 予防リハビリテーション | 投稿日: | 投稿者:

今できる!お口の機能低下を予防しましょう!
みなさんこんにちは。2021年もあっという間に半分が過ぎようかとしていますね。
昨月は岡山県にも緊急事態宣言が出され、感染対策にもより一層緊張が高まったことと思いますが、皆様お変わりなくお過ごしでしょうか。
さて、予防リハビリでは飲み込みにくさや喋りにくさなどの症状がある方に対して、口腔や飲み込みの機能の確認とそれに関わる情報提供、お家でできる自主トレーニングの指導等を実施しています

お口の機能低下を予防することで飲み込みの力を保つことができ、安全に食事をすることや誤嚥性肺炎の予防に繋がります。健康でイキイキとした生活を送る上でお口の機能を維持する事はとても重要なことです。先日、ご利用者様に指導をしていた際に「今はコロナで友人ともなかなか会えないから普段の生活でしゃべることはほとんどない」と話される方がいらっしゃいました。新型コロナウイルス感染症の影響から、外出や家族・友人と会って話す機会が減少し、これまで以上に口を動かす機会が少なくなってしまった方が多くいらっしゃいます。口を動かす機会が減少すると、飲み込みや喋る機能が低下しやすくなります。そこで本日は、自宅でとても簡単にできるお口の運動をご紹介します。

☆ブクブクうがい
<方法>口の中に水を含み、頬を膨らませて10秒程度ブクブクとうがいをして吐き出す。

☆パタカラ体操
<方法>
①「パパパパパ」「タタタタタ」・・・とそれぞれの音を5回くらい繰り返し発音する。
②「パ・タ・カ・ラ」 としっかり唇や舌に力を入れて発音しましょう!これを何度か繰り返して行いましょう。
・「パ」 ⇒ 唇に力を入れ、しっかり唇を閉じて発音
・「タ」 ⇒ 口の天井に舌を押し付けて発音
・「カ」 ⇒ 口の天井に舌の付け根を押し付けて発音
・「ラ」 ⇒ 巻き舌にして口の天井に舌を押し付けながら発音
これらの運動を継続する事がお口の機能を保つことに繋がります。
食事前や洗面台の前に立った際などに是非実施してみてください。この他にも、舌を動かす運動や早口言葉などもお口の機能低下予防にはとても有効です。コロナ禍では口を動かす機会が減っているということを頭の片隅に置いていただき、少しでも多く口を動かす時間を普段の生活の中に作っていただければと思います。

予防リハビリ 言語聴覚士 N

◎ お問合せ◎社会医療法人 全仁会 倉敷平成病院通所リハビリテーション(予防リハビリ)
☎:086-427-1128(相談担当 大段) ※営業時間9:00 ~ 17:00

栄養科通信vol.166「朝食を食べましょう」

カテゴリー: 栄養科 | 投稿日: | 投稿者:

令和元年の国民健康栄養調査では朝食を食べていない人の割合は成人男性で15.5%、
成人女性で9.1%でした。忙しくて食べる時間がない、食欲が湧かないなど、つい朝食を抜いてしまっていませんか?
朝食には大切な働きがたくさんあります。

☆朝食は1日をはじめる大事なスイッチ
私たちの脳は“ブドウ糖”をエネルギー源として使っています。
朝起きたときに頭がボーッとしてしまうのは、
寝ている間にブドウ糖が使われて足りなくなってしまうためです。
朝食を食べないと、午前中体は動いても頭はボンヤリということになりがちです。
脳のエネルギー源のブドウ糖を朝食でしっかり補給し、脳と体を目覚めさせましょう。

☆リズムよく生活して健やかに!「体内リズム」と「生活リズム」
人間の体には体内時計と呼ばれるものがあるのを知っていますか?
体内時計は25時間の周期で体内リズムを刻んでいますが、1日は24時間なのでこのズレを修正する必要があります。朝日を浴び、朝食を摂ることで体内時計がリセットされますが、朝食を食べず体内リズムがズレたままだと体と心のバランスが保てなくなるためしっかり活動することができなくなり、感情が不安定になってしまうことさえあるのです。「体内リズム」と「生活リズム」のズレをなくすには、まず朝食をしっかりとることがとても大切です。

朝食で気をつけたいポイント!
主食、主菜、副菜が揃ったバランスの良い食事を心がけましょう。
主食・・・米・パン・麺類などの穀類で、糖質からのエネルギーをとりましょう。
主菜・・・魚、肉、卵、豆腐などのおかず。たんぱく質を十分とりましょう。
副菜・・・野菜を中心にビタミン、ミネラル、食物繊維を十分にとりましょう。

 

参考:農林水産省HP

管理栄養士Y.N

身近なカビにご用心

カテゴリー: 臨床検査部 | 投稿日: | 投稿者:

まだ5月のような気持ちでいたらいつの間にか梅雨入りし6月になっていました。皆様いかがお過ごしでしょうか。
梅雨など湿気の多い時期に現れる厄介者といえばカビです。カビは食品を腐敗させるだけでなく、病気を引き起こすこともあります。最近では、こういったカビによる病気が増えているといわれています。
カビは専門用語では真菌(または菌類)といいます。そのうちの一種「アスペルギルス・フミガーツス」は病気を引き起こすため、気をつけなければいけない真菌です。
土の中や空気中など私たちの周りに広く生息しているのですが、免疫力が低下した状態で空中に漂っている胞子を吸い込んで感染してしまうと、肺や気管支に異常をきたす肺アスペルギルス症などになる恐れがあります。主な症状はせきや喀痰、胸痛、呼吸困難などです。また、肺の病気だけでなく、副鼻腔炎や外耳道炎を起こしたりする場合もあるとされています。
高齢化が進む現在、加齢や治療により免疫力が低下している人が増えており、このアスペルギルス・フミガーツスによる病気にかかる人も増加しています。ただし、治療法もかなり確立されているため、早めの治療を行えばほとんどの場合、治ります。
この真菌は、エアコン内部で繁殖するケースがあることが報告されていますので、室内に胞子をまき散らさないように、エアコンのカビ対策を欠かさないようにしましょう。
カビ対策と言われると除湿機能を思い浮かべがちですが、エアコン本体の湿度を下げるには暖房または送風機能がよいとされています。冷房の使用後30分~1時間程度暖房または送風機能を使うことでエアコン内部の湿度を下げる、窓を開けたり換気扇を回したりして室内の換気をして部屋の汚れを外へ追い出す・部屋の温度を下げるなど、ちょっとした工夫でカビを防ぐことが出来ます。
たかがカビといえど油断は出来ませんね。今日は帰ったら部屋の換気をしようと思います。

カビが引き起こす怖い病気 | オムロン ヘルスケア
真菌が体の深部に入り込む 深在性真菌症は要注意
エアコンをよく使う夏場、カビ対策はどうしたらいいの?原因、対策方法まとめ より引用

臨床検査部 A.M

はじめまして

カテゴリー: 認知症疾患医療センター | 投稿日: | 投稿者:

R3年3月より、認知症疾患医療センターの新しい一員として、異動して参りました、精神保健福祉士(PSW)のKと申します。
簡単ではありますが、自己紹介をさせていただきます。

このたび異動してきたとお伝えしましたが、元々は同グループである介護保険施設にて、社会福祉士として相談員を務めておりました。
介護保険サービスの一つとして、ご利用の方に安心し、信頼してご利用いただけるように、ご家族様やケアマネージャー、施設職員の方々と、密に連携を図りサービス提供をさせていただきました。

当センターの精神保健福祉士の役割の一つとして、もの忘れ外来の初診の患者さんに対して、ご連絡にて事前問診をさせていただいております。診察当日、検査から先生の診察終了まで、約3時間のお時間を要します。その為、診察がスムーズに進行するように、事前に困っていることやご本人様の最近の様子などお伺いをさせていただいております。

実際に事前問診をさせていただく中で、様々な症状でお困りなケースを伺います。
出来る限り事細かく、患者さんについて伺うことで、その方の人間像を把握し、今抱えている問題に寄り添い対応していきたいと私自身思っております。
お話の聞き取り方や伺い方に不慣れで至らぬこともあるかと思いますが、お答えいただければ幸いです。

今回異動し、改めて入職してきた当時の初々しい気持ちを思い出しました。
その気持ちを忘れず、身を引き締め今後とも日々の業務に務めていきたいと思います。

ほんの些細なお困り事でも、お気軽に認知症疾患センターまでご連絡いただければと思います。
よろしくお願いいたします。

認知症疾患センター 精神保健福祉士 K

老松・中洲高齢者支援センター通信を発刊します

カテゴリー: 地域包括支援センター | 投稿日: | 投稿者:

梅雨に入り、雨の日が続きますがきれいに咲く紫陽花を見ると心が癒されますね。
新型コロナウイルス感染症の収束も未だ見えない中、以前と同じように思うような行動が出来ない我慢の日々が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。
ワクチン接種が進み、以前のように不安なく日常生活が送れるようになるまで、もうしばらく頑張っていきましょう!

高齢者支援センターは、老松・中洲学区にお住まいの65歳以上の方の介護、医療、福祉、保健などの総合支援窓口です。本来であれば、地区での教室開催や各家庭を訪問し困りごとがないか等の確認も行っているのですが、新型コロナウイルス感染予防を考慮し、現在そのような活動は積極的に行っていません。

毎月教室に参加し、人との交流を楽しみにされていた方から「一人暮らしで誰にも会わない生活になり寂しい」「外に出る機会が減って気持ちも体力も落ちてきた・・」等の声が多く聞かれるようになりました。
このような状況の中、「一人じゃない!地域の方々との繋がりを感じてほしい」「健康維持に役立つ情報を共有したい」「何かあれば気軽に相談してほしい」との思いで『老松・中洲高齢者支援センター通信』を発刊する事になりました。
今後、年2~3回発刊予定の新聞には、支援センターの紹介だけでなく、皆さんに元気に過ごしていただく為の健康・運動・栄養等の情報や、正しく認知症を理解し認知症になっても安心して過ごせる町づくりの為の情報なども掲載していきます。
新聞は老松・中洲学区に配布予定ですが、ホームページにも掲載されますので、ぜひご覧になって下さいね。

              老松・中洲高齢者支援センター ケアマネージャーN