梅雨に入り、ジメジメした気候が続いています。
訪問看護ステーションで働きだして、3年目が過ぎようとしています。雨の日に車で運転して利用者さまのご自宅に訪問すると、庭先に紫陽花が咲いているお宅もあり、季節の移ろいを感じています。
私は在宅で療養されている利用者さまのご自宅に伺って、リハビリを提供させていただいています。訪問先で利用者さまやその家族と話をする機会も大切にしています。体の調子や睡眠や食欲、痛みの具合など、病気と共に在宅でできるだけ長く生活するために、必要な情報収集としてお話をさせていただく時間は長くなりがちです。
先日、いつものように訪問させていただいているお宅で、何かの拍子に利用者さまが若かりし日々に熱中していたスポーツや、仲間と過ごした日々の思い出についてお話を聞かせていただく機会がありました。その利用者さまは、普段はベッドの上で過ごされているのですが、昔を懐かしそうに思い出しながら、はっきりとした口調でお話されました。帰り際、ご家族の方から「普段はあまり話す機会がないから...今日は本当によくしゃべってくれました。聞いてくれてありがとうございました」とお礼を言われました。
日々私が病状について話しをしていた方たちの中には、もっと自分自身のことを話すことが必要たったり、それが日々の活力につながったりすることもあるのではないか、と気付かされる出来事でした。
利用者さまの中には経験が豊かで、戦後にどのように生きてきたかであるとか、重い責任を背負って仕事をされていた時代のことであるとか、本当に貴重なお話を聞かせていただくことがあります。人生の先輩である利用者さまから日々大切なことを学んでいる実感があります。
これからも利用者さまとのコミュニケーションの時間を大切にしながら、少しでも長く在宅で笑顔で過ごせるよう、リハビリテーションを提供していきたいと思います。
ヘイセイ訪問看護ステーション K