食欲の秋には注意も必要!

カテゴリー: 臨床検査部 | 投稿日: | 投稿者:

夏の暑さも和らぎ、過ごしやすい季節となりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
この時期といえば「○○の秋」とよく言いますが、私は特に「食欲の秋」が最初に思い付きます。美味しい食べ物で溢れるこの季節だからこそ気をつけなければならないなのが「食中毒」です。
年間を通して発生している食中毒ですが、月別食中毒発生件数を令和2年〜令和6年までの5ヵ年平均でみても多い順に10月、3月、6月となります。

暑さや湿気で食べ物が傷みやすい印象の梅雨どきや夏場に比べて、比較的乾燥して気温が下がる10月の食中毒件数が多い原因として、①細菌②寄生虫③自然毒、があげられます。

① 細菌
秋は行楽シーズンなので、ハイキングや運動会など弁当の持参や屋外でのバーベキューといった機会も多くなります。その際食材に付着していた細菌が原因となる事があります。・ 予防秋は夏に比べて細菌への備えが疎かになりがちです。食材に触れる際には手をしっかりと洗い、食材の水気は切りましょう。肉類は加熱処理(中心部が1分間以上75℃を超える)をしっかりとしてください。食中毒菌を[つけない、増やさない、やっつける]の3原則が鍵となります!

② 寄生虫
アニサキスという寄生虫が寄生するサンマ、サバ、サケなどの魚介類が旬を迎える時期で口にする機会が増えます。
・ 予防目視で取り除くのは難しいので、加熱・冷凍で死滅させてください。
70℃なら瞬時、60℃で1分間くらい、-20℃以下なら24時間で死滅するといわれています。
生のままで食べるのではなくしっかりと処理しましょう

③ 自然毒
キノコや山菜、フグなど旬を迎える秋の味覚に含まれています。
正しく調理をせずに食べてしまった場合、これらの毒により食中毒を起こす可能性があります。
・ 予防正しい知識が無いままだと、とても危険で食用キノコによく似たキノコなどもあり判断は困難です。また、市販のキノコでも加熱不十分だったり食べ過ぎによる食中毒例も報告されています。

秋は夏を乗り越え疲れが知らず知らずのうちにたまり、免疫力も下がりがちの時期です。冬にかけてノロウイルスの繁殖も始まるですので今一度注意して、食欲の秋を楽しみましょう!

・ 厚生労働省ホームページ・ 農林水産省ホームページ・ ウェザーニュース食中毒発生は10月が最多 この時季に増える食中毒の3つのタイプとは より参照、引用 イラスト:イラストAC

臨床検査部A.Y