日別アーカイブ: 2019年6月10日(月曜日)

Fib4-indexで早期発見

カテゴリー: 臨床検査部 | 投稿日: | 投稿者:

脂肪肝とは、肝臓に中性脂肪が蓄積した状態をいいます。原因は一般的には食べ過ぎや飲み過ぎ、運動不足と言われています。脂肪肝の中でも肝硬変や肝がんを発症するリスクが高いものがあり、「非アルコール性脂肪肝炎(NASH)」といいます。肥満や加齢、高血圧などの場合にはNASHを発症しやすいと言われています。肝臓の病気では症状があらわれにくく、気づいたときには進行してしまっている場合もあります。NASHの診断には肝生検が必要です。この検査は肝臓の組織を採取するために特殊な針をお腹に刺すので、患者さんに負担の大きい検査です。もっと負担の少ない血液検査でもNASHの可能性を調べることはできます。Fib4-indexというもので、当臨床検査部でも今年の4月10日から導入しています。肝臓の働きを見るのに利用される血液検査項目のAST・ALT・血小板数の数値を使用して肝臓の線維化の程度を数値化します。次の式で計算します。

Fib4-index = ( 年齢 × AST ) / ( 血小板数 × ALT^1/2 )

この値が1.30未満であれば肝臓の線維化の可能性が低く、1.30以上で肝臓の線維化の可能性あり、2.67以上で肝臓の線維化の可能性が高いとされています。当検査部でも検討した結果、Fib4-indexが2.67以上の全ての症例において肝の線維化マーカーであるM2BPGiが陽性になっています。AST・ALT・血小板数の値が正常でもFib4-indexが高くなることがありますので注意が必要です。

自覚症状の現れにくいNASHを早期発見するために、血液検査をした際にはFib4-indexに注目してみて下さい。数値が気になる方は担当医とご相談下さい。

臨床検査部 N.K