日別アーカイブ: 2018年4月11日(水曜日)

糖尿病のお薬…いつ飲めばいいの?

カテゴリー: 糖尿病療養指導士 | 投稿日: | 投稿者:

糖尿病の患者さんで「食前の飲み薬を飲み忘れたのですが、今飲んでも大丈夫ですか?」と質問を受けることがあります。 糖尿病のお薬の中には、食直前に飲まないと、低血糖を起こしてしまう薬や、効果がでないお薬がありますので、服用のタイミングには注意が必要です。今回は、「食直前」と「食前」の違いや、飲み忘れた場合の対処法について説明します。
○「食直前」「食前」の違いについて
普段服用しているお薬のほとんどが「食後」だと思いますが、中には「食直前」や「食前」といった、飲むタイミングをしっかり区別する必要があるお薬があります。

 「食後」…食事を終えて約30分以内に服用
 「食直前」…食事のすぐ前に服用
 「食前」…食事を始める約30分前に服用

○糖尿病のお薬を飲み忘れてしまった場合の対処法。
※前回飲み忘れても、決して2回分を一度に飲まないでください。

 「食直前」に服用する薬
・α-グルコシダーゼ阻害薬…食事中に飲み忘れに気づいたら、すぐに服用してください。
食後に気づいた場合は、その回の服用は避けましょう。
・速効型インスリン分泌促進薬…食事開始後に気づいたら、その回の服用は避けましょう。

 「食前」または「食後」に服用する薬
・SU剤・ビグアナイド系薬剤…食前、食後の服用で効果に差がないので、医師の指示に従って決められた通り服用してください。飲み忘れた場合は、1回とばして次の時間に1回分を服用してください。

 「朝食前」または「朝食後」に服用する薬
・チアゾリン系薬剤・SGLT2阻害剤…お昼までに飲み忘れに気づいた場合は、気づいたときに飲みましょう。それ以降は、次の日に服用するようにしましょう。

 食事に関係ない薬
・DPP-4阻害薬…飲み忘れに気づいたときは、すぐに飲みましょう。ただし、次の服用のタイミングが近い場合は、その回の服用は避けましょう。

□■薬は正しく服用しましょう■■
どんなお薬も、その人に合った薬の量と飲む時間が主治医から指示されています。指示されたとおりに飲まないと効果が十分に得られなかったり、副作用がおきやすくなります。自分の判断で薬の量を増減したり勝手にやめないようにしてくださいね。何かあれば必ず医師や薬剤師に相談するようにしましょう。

糖尿病療養指導士(薬剤師) S・N