日別アーカイブ: 2018年3月8日(木曜日)

栄養科通信vol.127「健康的な食事を一日一膳」

カテゴリー: 栄養科 | 投稿日: | 投稿者:

皆さんは1日3食の中でバランスの良い食事は摂れていますか?
3食全てバランスの良い食事が摂れている人は少ないのではないでしょうか。

武庫川女子大学国際健康開発研究所では、世界中の食生活を研究して導き出した「理想的な食事」を1食のお弁当に詰めこみ、ランチとして1日に1食だけ置き換える「1日1膳プロジェクト」(朝夕は通常通りの食事)に2003年から取り組んでおり、その結果サラリーマンや女子中高生、女子大生といった様々な世代で、体脂肪の減少や血圧の低下など様々な健康効果が期待できることがわかったそうです。

プロジェクトでは、
(1)主菜を肉ハンバーグなど肉料理にするグループ、
(2)主菜を大豆ハンバーグなど大豆料理にするグループ、
(3)主菜を魚ハンバーグなど魚料理にするグループに分け、
5週間後で変化があるかを調べた結果、(2)(3)のグループでは中性脂肪が有意に改善され、体脂肪が高い集団は体脂肪が有意に減少したそうです

また、(1)適塩で栄養バランスの考えられたお弁当を食べるグループ、
(2)適塩で栄養バランスの考えられ、さらに大豆と魚を強化したお弁当を食べるグループに分け、
4週間後の変化を確認した結果では、(2)の強化弁当を食べるグループは、動脈硬化指数が減少、両グループとも体格指数・拡張期血圧の低下が見られたそうです。
対象者や期間、内容を変えて行っても何らかの健康効果が見られたことから、一日一膳でも、栄養のバランスを配慮した食事をとることで、体は変化することが可能であり、肥満や生活習慣病の予防に役立つと考えられます。

バランスの良い食事とは基本的に主食、主菜、副菜を揃えた食事ですが、その他のポイントは以下の6つです。

1.魚や肉をバランスよく食べる
2.大豆や種子類は十分に(種子類は脂質量に注意)
3.野菜や果物もたっぷりと(野菜:1日350g目標)
4.牛乳や乳製品も積極的に
5.動物性脂肪はほどほどに(脂肪エネルギー比25%未満)
6.過剰な塩分は取らない(1日6g未満目標)

日本人が伝統的に食べてきた食材や食べ合わせのよさを見直した上で、塩分の摂りすぎに気をつけ、食事バランスガイドにもあるように乳製品や果物なども取り入れることが勧められています。幅広い食品から様々な栄養素をとることが大切です。

もちろん健康というのは食事だけでなく、運動や休息、ストレスなど様々な要因が絡み合っているため「これさえ摂れば」「これさえすれば」という決まりはありませんが、食事は私たちの体をつくるものであるため、栄養バランスのとれた健康的な食事を毎食摂ることが理想的です。
しかし、仕事や環境のため毎食毎食バランスの良い食事を作ることはなかなか難しいのも現実だと思います。毎食は難しいという人は、まずは「一日一膳」朝昼夕のどこか1食から実践してみて下さい。

管理栄養士 M.S