日別アーカイブ: 2017年9月8日(金曜日)

栄養科通信vol.121「腸内フローラ」

カテゴリー: 栄養科 | 投稿日: | 投稿者:

最近の健康ブームで注目されているのが「腸」ですが、その中でも「腸内フローラ」という言葉を聞いたことがあると思います。
成人の腸の内面を広げるとテニスコート1面分に相当し、腸内細菌が100兆個以上、花畑のように生息していることから「腸内フローラ(=花畑)」と呼ばれます。膨大な細菌が腸に集中しているのは、腸内細菌は酸素を嫌う性質をもち、腸がこの菌の生きやすい環境だからです。

腸内フローラを構成する細菌には、善玉菌、悪玉菌、日和見菌の三種類の菌があります。理想的なバランスが、善玉菌2:悪玉菌1:日和見菌:7という割合です。
これらのバランスは、普段の食生活、運動などの生活習慣、ストレスなどにも大きく左右されます。
●善玉菌
人の体に有用な働きをする菌で、悪玉菌の侵入や増殖を防ぎます。腸の蠕動運動を活発にさせ、便や有害物質を排出してくれます。
代表的な善玉菌:ビフィズス菌、乳酸桿菌、フェカリス菌、アシドフィルス菌など

●悪玉菌
腸内の中を腐らせたり有毒物質を作る菌で、増えると便秘や下痢、病気の原因となります。進行すると肝臓や心臓、腎臓などにも負担をかけてしまうこともあります。
代表的な悪玉菌:クロストリジウム(ウェルシュ菌など)、ブドウ球菌、ベイヨネラ

●日和見菌
善玉菌か悪玉菌、どちらか優勢な菌と同じ働きをします。体調が崩れたときは悪玉菌として働き、体調が良いときは善玉菌として働く菌になります。
代表的な細菌:大腸菌、バクテロイデス

常に善玉菌を優勢に働かせておくことが重要であり、腸内フローラは私たちの健康や寿命に関わるとても重要な細菌といえます。

■腸内フローラが良い(善玉菌が優勢に働いている)
① 病原体の侵入を防いで排除する
② 食物繊維を消化する
③ 免疫を作る

■腸内フローラが悪い(悪玉菌が優勢に働いている)
① 下痢や便秘などが起こる
② 生活習慣病、肌荒れ、老化が進む
③ 体臭がキツくなる

【腸内フローラを改善する食べ物】
1. 善玉菌を含む食べ物(ビフィズス菌、乳酸菌など)
味噌、醤油、漬物、納豆、キムチ、酢、ヨーグルト、チーズなど
2.善玉菌のエサになる食べ物
・オリゴ糖を含む食品…大豆、ごぼう、アスパラガス、玉ねぎ、ハチミツ、牛乳、バナナなど
・食物繊維を含む食品…芋類、豆類、野菜、果物、海藻類、穀物類など

腸内フローラの状態は便の状態で分かります。「バナナ便」が健康的な便と言われているので、自分の腸内環境を知りたい場合は便を確認してみて下さい。ストレスをなくしたり適度な運動習慣も大切ですが、上記の点を取り入れ食事を少し気をつけるだけでも腸内フローラは改善されます。

みなさんも「腸」から元気になってみてはいかがでしょうか。

栄養科 M.S