カテゴリー別アーカイブ: 栄養科

歩いて学ぶ糖尿病 おかやま後楽園ウォークラリー

岡山の後楽園内を歩く「第16回歩いて学ぶ糖尿病 おかやま後楽園ウォークラリー」が4月9日(日)に開催されました。倉敷平成病院からは5名の患者さんと、スタッフとして7名の職員が参加しました。
ここ数年間はあいにくのお天気で中止となっていたウォークラリーですが、なんと4年ぶりの開催!さらに後楽園の桜も満開と絶好のウォークラリー日和でした。
参加者の皆さんは元気いっぱいで、チェックポイントにあるクイズや輪投げなども楽しみながら、けがや低血糖で倒れることもなく無事に完歩することが出来ました。このウォークラリーではゴールの速さではなく、あらかじめ設定され隠されていた目標時間に近いチームが多くの得点をもらえ、そこにクイズや輪投げの得点が加算され順位が決められました。倉敷平成病院は3kmコースを歩いたのですが、同じコースの参加9チーム中、見事1位に!糖尿病にまつわるクイズも全問正解でした。

 

そしてウォークラリーの後は、毎年恒例の食事会を岡山プラザホテルで開催しました。事前にシェフと当院の管理栄養士で打ち合わせを重ね、献立内容や塩分量などの調整を行ったヘルシー献立を頂きました。ウォークラリーでお腹もペコペコでしたが、季節の食材をふんだんに使った美味しいランチにお腹もいっぱい大満足。食事の後には当院の倉敷生活習慣病センター診療部長の青山医師より運動と食事の大切さについてのお話もありました。

糖尿病ウォークラリーは毎年この時期に開催されるので、今回参加されなかった方でも興味のある方は是非、倉敷生活習慣病センタースタッフまでお声かけ下さい。皆様の参加をお待ちしております。

栄養科 管理栄養士 MS

第89回糖尿病料理教室

カテゴリー: 栄養科, 糖尿病療養指導士 | 投稿日: | 投稿者:


4月1日(土)倉敷生活習慣病センターにおいて「第89回糖尿病料理教室」を開催しました。

前年度から続いている世界旅行シリーズはいったんひと休みして、今回はお花見弁当を作りました。桜満開になるかと思いきや…今年の開花は遅めだったためお花見はおあずけ。しかし、花形の大根や蓮根挟み焼、八ッ橋をはじめ、たけのこやふき、菜の花など春野菜をふんだんに使い、お弁当箱の中身は色鮮やかな食材で春満開になりました♪

次回は6月10日(土)開催予定です。初夏らしいメニューをそろえて、皆様の参加をお待ちしております。

💛デザートタイム💛

シナモンを効かせたおなじみの八ッ橋
生地でいちごとマービーのあんこを包みました。
中の具をいろいろ変えて、アレンジも出来そうですね♪

◎本日のメニュー◎

○ 2色おにぎり:刻んだ小梅と菜の花を混ぜ込んだ2色おにぎりを作りました。
○ 鮭のねきチーズあん:ねぎと2種のチーズを使った濃厚なあんを焼いた鮭に塗りました。
○ エビの蓮根挟み焼き:エビと豆腐をよく混ぜ合わせて、レンコンで挟んで焼いています。低カロリーでのボリュームあり!
○ 大根梅酢漬:桜型で抜いた大根を梅酢で漬けて、ほんのりピンク色に仕上げました。
○ 煮物盛り:にんじん、こんにゃく、いんげんを入れた信田巻きとふき、たけのこの煮物で春らしい一品に。
○ 和風ナムル:薄口しょうゆ、みりん、白ゴマで和風に仕上げました。
○ すまし汁:とろろ昆布のすまし汁に手まり麩と結び三つ葉を飾り、上品に。
○ 八ッ橋:電子レンジを使用して簡単に作れます。生地は薄く伸ばすとおいしいですよ。

計504kcal
たんぱく質30.5g、脂質9.5g、炭水化物80.1g(糖質74.0g、食物繊維6.1g)、塩分2.4g
※メニューご希望の方は倉敷生活習慣病センター受付にてお訊ね下さい。

糖尿病療養指導士 S.H.

栄養科通信vol.116 『新型栄養失調になっていませんか?』

カテゴリー: 栄養科 | 投稿日: | 投稿者:

 

先日、ここ数年栄養失調になる人が増えているというニュースを見て驚きました。

その内容とは…3食しっかり食べているのに、必要な栄養が足りず低栄養の状態に陥ることを『新型栄養失調』と言い、厚生労働省の調べでは、70歳以上の5人に1人が該当するとされています。

この飽食の時代に栄養失調になる理由のひとつは、食事バランスの悪さ。

高齢者は健康を気にしたり、食が細くなったりして、肉や卵を控える傾向にあります。それが過ぎると体に必要なタンパク質が十分に取れなくなり、結果的に栄養が不足してしまうのです。さらに、消化吸収能力が落ちることで、食べ物を効率的にエネルギーに変えることができず、“年寄りだからあまり食べなくていい”という考えがさらに拍車をかけてしまいます。

新型栄養失調は高齢者だけの問題ではありません。

近ごろは40代や50代の働き盛りにも増えており、高齢者とは違って、タンパク質はしっかり取っているけれど、ビタミンやミネラルが含まれる野菜や果物などが足りないことで隠れた栄養失調を起こしているとされています。

 

《 新型栄養失調を防ぐ方法 》

  • 同じものを食べ続けない

毎日同じものを食べていると必然的に栄養が偏ってしまいます。ランチは毎日違うメニューを選びましょう。

  • 早食いをやめる

ゆっくり食べて咀嚼を増やせば、食べ物から栄養を吸収しやすくなります。血糖値の上昇を抑え、肥満防止にも役立ちます。

  • タンパク質を食べ分ける

同じタンパク質でも、肉ばっかりに偏らないように、“食べ分け”がおすすめ。魚や大豆、卵、乳製品などを利用しながらいろんな食材を摂取しましょう。

  • 毎食1品は野菜メニューを摂る

毎食1品は野菜を摂りましょう。麺類を食べる場合でもチャーシュー麺を野菜たっぷりのチャンポン麺にするだけで摂取量UP。

 

働き盛りの方々は、毎日焼き肉、ラーメン、牛丼など偏った食事になりがち。加えて、たばこやストレスも体内のビタミンを壊してしまいます。必要な栄養素を十分補給するために、毎食バランスを意識したメニュー選びを心がけましょう。

S.H

栄養科通信vol.115「春にオススメの飲み物」

カテゴリー: 栄養科 | 投稿日: | 投稿者:

次第に春の気配を感じる季節になってきましたね。暖かな春の訪れは、心をワクワクさせますが、身体は冬に溜まったものを排出しようとして不調が現れやすく、環境や社会での変化も多く、心も不安定になりやすい時期です。体調を崩しがちなこの季節に心身ともに養生し、新しいスタートを気持ちよく過ごすためのオススメの飲み物を紹介します。
心を落ち着かせる効果のあるジャスミン茶、菊花茶、カモミールティー、ラベンダーティーの4つが春にオススメの飲み物です。

・ジャスミン茶
「茉莉花(まつりか)」という生薬名があるほど、漢方食材としても有名です。緑茶やウーロン茶などのベースとなるお茶に花の香りをつけたお茶で人気が高く、かつてはウーロン茶よりも多く日本に輸出されていたお茶です。沖縄では「さんぴん茶」とも呼ばれ、独特の上品な甘い香りがあり、気持ちを鎮めてくれる効果があります。
・菊花茶
食用菊の花を乾燥させてお茶にしたものです。苦味と酸味を少し感じますが、菊の花の香りが豊かであり、ノンカフェインで癒し効果やリラックス効果があります。
・カモミールティー
カモミール(カミツレ)の花を乾燥したものを使うハーブティーです。ハーブやアロマの世界ではカモミールといえば、「リラックス効果を与える薬草」として有名です。4千年以上前から使われているとも言われています。甘く優しい味でノンカフェインですが、子宮の収縮を促す効果があるので、妊婦さんは飲み過ぎには注意が必要です。
 ・ラベンダーティー
ラベンダーの生花や乾燥したものを使うハーブティーです。リラックス効果が高く、心を落ち着かせてくれます。華やかな花の香りと味わいがありますが、香りが強すぎると感じる場合は、はちみつなどを入れて飲むのがオススメです。こちらもノンカフェインですが、子宮の収縮を促す効果があるので、妊娠中は大量摂取を控えましょう。

暖かいお茶を飲んで、心も体も温まって良い春を迎えましょう。

管理栄養士 MS

第88回糖尿病料理教室開催報告

2月4日(土)倉敷生活習慣病センターにおいて「第88回糖尿病料理教室」を開催しました。世界旅行をテーマに行っている料理教室の第6回目はドイツ料理です!

ウインナー、ジャーマンポテト、ザワークラウトなどのドイツを代表する料理をバランスのよいランチにしました。デザートのヨーグルトムースにかけるローテ・グリュッツェは、マービーを使うことで、カロリーは抑えつつ美味しく仕上がりました。

次回は4月1日開催、テーマは「お花見弁当」です。桜を見ながらのお弁当はいかがですか。皆さまお誘いあわせの上、是非ご参加ください。

💛デザートタイム💛
牛乳にマシュマロを溶かし、水切りヨーグルトを加えるだけで簡単ムースに!
ドイツで人気のデザート、「ローテ・グリュッツェ(ベリー等を粥状にしたもの)」をかけていただきました。

◎本日のメニュー◎
●シュペッツレ:ドイツの有名なショートパスタであるシュペッツレを手作りしました。
柔らかい生地を沸騰した鍋の上で切り落としながら茹でます。苦労した分おいしく仕上がりました。
●ウインナー:豆腐や玉ねぎ、エリンギを混ぜてボリュームアップした、ラップで簡単に作れる手作りウインナーです。
●ジャーマンポテト:アンチョビとブロッコリーで作ったソースで和えた、少し変わったジャーマンポテトです。
●ザワークラウト風:キャベツ、赤たまねぎ、大根のザワークラウトを3層に重ねて彩り良く仕上げました。
●オニオングラタンスープ:じっくり炒めてあめ色になった玉ねぎのうまみで減塩でも満足!
●ヨーグルトムース:チョコペンで描いたバラをムースに飾って可愛く仕上げました。

計616kcal
たんぱく質25.7g 脂質19.8g 炭水化物(糖質77.4g 食物繊維9.4g) 塩分2.6g
※メニューご希望の方は倉敷生活習慣病センター受付にてお訊ね下さい。

栄養科 管理栄養士 A.T.

栄養科通信114~野菜ジュースの栄養って・・・?~

カテゴリー: 栄養科 | 投稿日: | 投稿者:

image001栄養指導をしていると、野菜不足の人が多いことに気がつきます。朝はパンとコーヒー、昼はうどん、夕はご飯と唐揚げと野菜サラダ、なんてよくある1日の食事内容ですよね。夕食にサラダを食べているので自分では野菜を食べたつもりになっていますが、よく考えると朝食にまったく野菜が含まれておらず、昼食も申し訳程度のねぎがうどんに乗っているだけ。と言うことになり野菜不足と言えます。そこで話に登場するのが野菜ジュース。「1本で○g分の野菜が摂れる」、「1日分の野菜がこれ1本でOK」などといったキャッチコピーで多くの種類が販売されていますが、果たして野菜ジュースを飲めば野菜を食べるのと同じ効果があるのでしょうか?
まず、“野菜ジュース”と名乗れるのは野菜汁が100%のものだけです。(食塩の添加はOK)

野菜汁100%・・・野菜ジュース
果汁50%+野菜汁50%のもの・・・ミックスジュース
野菜汁(果汁)が10%〜100%未満のもの・・・○○%○○果汁入り飲料
野菜汁(果汁)が0〜10%未満のもの・・・清涼飲料水や炭酸飲料

市販の野菜ジュースの多くは、「濃縮還元」という製法によって作られています。「濃縮還元」とは、搾った野菜汁に加熱などの方法で水分を飛ばして4~6倍程度まで濃縮後冷凍し、使用時に水を加えて元の濃度に戻すという製法です。保存がきき、かさが減るため運搬費が安く済むというメリットがあり、広く用いられています。なので、野菜汁100%といっても完全に野菜だけでできているわけではなく、水が加えられています。このような濃縮をせずに、野菜汁だけでできている商品は「ストレートジュース」と表示されています。味や風味は断然こちらのほうが上ですが、商品ですから殺菌のためには加熱処理をしなくてはなりません。
このように野菜ジュースができるまでには、濃縮や殺菌のために加熱されています。すると熱に弱い酵素は失活し、ビタミンCは激減してしまいます。つまり、野菜ジュースや果汁のジュースでは酵素とビタミンCは期待できません。ただし、ビタミンC入りと書かれているものはビタミンCを添加しているものもありますので、もしジュースからビタミンCを取りたい場合は表示をよく見て選んでください。生野菜や生の果物で作られたジューススタンドのフレッシュジュースや、自宅でミキサーで作ったスムージーなどは加熱処理していないのでビタミンCは残ります。反対に熱に強いリコピンやβカロテンは野菜ジュースにしてもしっかり残っているようです。
そしてもう一つ、本物の野菜とは決定的に異なるのが食物繊維です。食物繊維には「不溶性」と「水溶性」の2種がありますが、野菜を絞ってジュースになる段階で、飲みやすくするために搾りかすである「不溶性食物繊維」を取り除いてしまします。一方、水に溶ける性質を持つ「水溶性食物繊維」は、野菜の水分にも溶けているため、ジュースになってもある程度は残っていると思われます。しかしながら、国民生活センターの調べによると、「1本で1日分の野菜を使用」などと表示された野菜ジュース類の多くは、厚生労働省が推奨する1日の野菜摂取量350gを下回る量の栄養素しか含んでいないことが成分分析でわかっています。これは、野菜350gを「原料」としているだけであって、栄養素もそのままという訳ではないのです。

このように野菜ジュースは野菜そのものとは違いますから、あくまでも補助的なものと位置づけましょう。野菜ジュースを飲んだからと安心せずに、例えば野菜ジュースは野菜のおかずの小鉢 1 皿程度と考えるなどして、食事に上手にとり入れていくのが賢い利用方法です。そしてジュースを飲むのと本物の野菜を食べるのとでは、咀嚼の面でも当然まったく違います。野菜をよく噛んで食べることにより消化・吸収が良くなりますし、食欲を抑えたり、満腹感が得られる効果もあります。よく噛むほどダイエット効果も高まります。上手に野菜ジュースを利用しましょう。

管理栄養士  A子

栄養科通信vol.113「ノロウイルスに注意」

カテゴリー: 栄養科 | 投稿日: | 投稿者:

冬場になると流行するノロウイルス。感染すると、激しい下痢や嘔吐、発熱などの症状が表れます。感染する主な経路として

①感染者の糞便や吐物からの二次感染

②カキなどの2枚貝を生または加熱不十分で食べること

などが挙げられます。「ノロウイルスといえばカキ」というイメージをもたれている方も多いのではないでしょうか。しかし実際の感染はほとんどがヒトからヒトへの感染のようです。ノロウイルスに感染した人の糞便や吐物の処理をするときは、必ず使い捨て手袋やマスクを着用し、処理後は石鹸で念入りに手洗いをして二次感染を防ぎましょう。ノロウイルスは乾燥すると、空気中に舞い上がり、口に入って感染することがあるため乾燥する前に処理してしまうことが大切です。通常のアルコール消毒では効果がないため、便、吐物の処理後は市販されている塩素系消毒剤(ハイター、ブリーチなど)を0.1%の濃度に薄めて消毒します。

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また、ノロウイルスはカキやその他の2枚貝の中腸線という黒っぽく見える器官に取り込まれています。そもそも、なぜ2枚貝がノロウイルスを体内に取り込んでしまうのでしょうか。

①ノロウイルスに感染している人間の糞便や吐物がトイレから下水処理場へ流れる。

②下水処理場で完全に除去しきれなかったノロウイルスが海に流れ出る。

③2枚貝が餌のプランクトンと一緒に、ノロウイルスも吸い込んでしまう。

そしてその汚染された2枚貝を加熱不十分で食べると感染する恐れがあります。サザエなどの巻貝やアワビなどの1枚貝の生食で感染がほとんど起きないのは、プランクトンではなく海藻を餌としているため、海水を大量に吸い込むことがないためです。

ノロウイルスは熱に弱いので、食べる際は中心温度が85~90℃90秒以上で加熱すれば死滅すると言われています。生食用のカキは、保健所の指定したきれいな海域で育てられていますが、ノロウイルスが全くいないということではありませんのでご注意を。海のミルクと呼ばれるカキにはビタミン、ミネラル、アミノ酸が多く含まれています。十分加熱して冬の味覚を楽しみましょう。気温の低い日が続きますので、こまめに手洗いうがいをして、ノロウイルスや風邪から身を守りましょう。万が一症状が出た場合には、すぐに医療機関を受診しましょう。

栄養科 A.T

第87回糖尿病料理教室開催報告

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12月3日(土)、倉敷生活習慣病センターにおいて『第87回糖尿病料理教室』を開催しました。世界旅行をテーマに行っている料理教室の第5回目は寒い冬にピッタリなロシアです!ロシアの代表的な家庭料理であるボルシチや保存に適するピクルス。ピロシキは食パンを三角に折って肉をはさんで焼き目を付け、揚げずに作りました。
クリスマスらしくピンクグレープフルーツとゼロカロリーのサイダーを使ったカクテルで乾杯!し、楽しく今年最後の料理教室を終えることができました。
次回は来年2月4日開催です。世界旅行はドイツに向かいます。来年も『美味しく、楽しく、安心』な糖尿病料理教室が開催できるよう計画していますので、皆様お誘いあわせの上、是非ご参加下さい。

❤デザートタイム❤
ブリヌイとはロシア版のクレープのようなものです。ツナやチーズ、生ハムなどを巻いて食事として食べることもあります。今回は旬のりんごをコンポートしてデザートとして頂きました。

◎本日のメニュー◎
●ピロシキ風:炒めたミンチ肉が飛び出ないように食パンの端をフォークでギュっととじるのがポイントです。
●ボルシチ:ビーツを使う事で綺麗な赤いスープになります。サワークリームを添えてさっぱりとした味わいに。
●クリスマスサラダ:はちみつの代わりにマービーを使ったドレッシングでカロリーダウン。
●ピクルス:彩り良く盛り付けたピクルスは保存がきくので寒い冬にもおすすめ。箸休めにどうぞ。
●カクテル:砕いたマービー飴でコップのふちをキラキラ★とデコレーションしてクリスマス気分up。
●ブリヌイ:少しモチモチした生地で水切りヨーグルトとりんごのコンポートを巻いてメープルシロップと共に。

計584kcal、タンパク質23.4g、脂質20.5g、炭水化物80.2g(糖質72.9g、食物繊維7.3g)塩分2.6g
※メニューご希望の方は倉敷生活習慣病センター受付にてお訊ね下さい。

栄養科 管理栄養士(糖尿病療養指導士) A子

栄養科通信vol.112 『食事はまず心を整えて』

カテゴリー: 栄養科 | 投稿日: | 投稿者:

syokuji 忘年会やクリスマス、年末年始と何かと気ぜわしい12月。食べ過ぎ、飲みすぎに注意したい時期でもあります。
フィンランドの研究ですが、糖分の多い清涼飲料、デザート、ポテトチップス類、加工肉などを多量に摂取している中高年男性はうつ病の発症が増える傾向にあったとういう結果が出ています。食事の内容は体だけではなく心にも影響してしまいます。
場の雰囲気が楽しくてお酒が進む、美味しい料理についつい手が伸びる…といった時もあれば、イライラして甘いものをむさぼり食べる、嫌なことがあったから気分を紛らわすためにお酒を飲む…といったマイナスな気持ちに流される事もあると思います。
心と食事は密接に関係しており、健康な心があるからこそ楽しく食事ができると言っても過言ではありません。
では、心を健康な状態にするにはどうすればいいのでしょうか?それは現代社会を生きる人々の1番の悩みかもしれませんが、そのヒントをくれる本を今回は紹介したいと思います。

『反応しない練習』著者:草薙龍瞬 KADOKAWA出版 です。
僧侶である著者がブッダの教えを引用しながら悩みを消す方法を指南しています。
ブッダの教えとは『心のムダな反応を止めることで、いっさいの悩み・苦しみを抜ける方法』のことです。これはヨガや瞑想に通ずるものでもあります。
生きていると悩みはつきものです。悩みを消そうとするからまた新しい悩みが出てきてしまいます。
悩みを消そうとするのではなく、「理解」する。そして合理的に考える。
そして、
・余計なことを判断しない。どんなときとも、自分を否定しない。
・不満やストレスといった「マイナス感情」で苦しまない。
・他人の視線を気にせずに、自分らしく生きる。
・勝ち負けや優劣にこだわってしまう性格を、もうやめる。
・心から納得いく人生を、ここから目指す。
といった内容がわかりやすく書かれています。
私たちは日々、誰かの言った言葉やSNS、メディアの情報などの自分の外側の事や、とりとめのない妄想などに反応して一喜一憂してしまいます。まずはその反応を受け止め理解する。それだけの行為でも気持ちの持ちようが変わってくると思います。
心身ともに健やかに、美味しい食事を楽しくいただき素敵な2017年を迎えましょう。

P.N S.N

栄養科通信vol.111「ユニバーサルデザインフードを上手に活用しましょう」

カテゴリー: 栄養科 | 投稿日: | 投稿者:

ある日、高齢の患者さんのご家族から、「食べ物を噛むことや飲み込むことが難しく、食事が進みにくいため、在宅で食事をさせるのが不安です。」という相談を受けました。このような在宅で介護をされる方はまず、かかりつけの病院を受診して、嚥下の状態を診察してもらい、適した食事の形態を知ることが一番重要となります。しかし、嚥下しやすい食材の調理方法や介護食の作り方などがインターネットで簡単に手に入るようになったとはいえ、毎日手作りで適した固さや形状の介護食を作るのは大変だと思われる方も多いのではないでしょうか。そういった方が手軽に利用できる市販品の介護食として「ユニバーサルデザインフード」があります。ドラッグストアやスーパーマーケットで購入でき、高齢者や病気療養中の患者さんなど「噛む力」「飲み込む力」が弱っている方に向けた調理済み食品です。「硬さ」や「粘度」の規格により4区分に分け表示し、食べやすさに配慮しています。
そもそもユニバーサルデザインとは、文化・言語・国籍の違いや老若男女といった差異、障害の有無を超えて多くの人にとって使いやすい施設・製品・情報の設計のことをいいます。食事の分野でも、介護用加工食品として、日本介護食品協会が「ユニバーサルデザインフード」を作成しました。
規格は、軟らかさや滑らかさによって「区分1:容易に噛める」「区分2:歯ぐきでつぶせる」「区分3:舌でつぶせる」「区分4:噛まなくてよい」の4つに区分され、数字が大きいほど軟らかくなります。各商品のパッケージには、ユニバーサルデザインフードのロゴマークと区分数値、区分形状が表示されています。この他にも飲み物や食べ物に加え混ぜるだけで簡単に適度なとろみをつけることが出来る、とろみ調整食品もあります。

●区分1 容易に噛める
噛む力の目安:かたいものや大きいものはやや食べづらい
飲み込む力の目安:普通に飲み込める

●区分2 歯ぐきでつぶせる
噛む力の目安:かたいものや大きいものは食べづらい
飲み込む力の目安:ものによっては飲み込みづらいことがある

●区分3 舌でつぶせる
噛む力の目安は:細かくてやわらかければ食べられる
飲み込む力の目安:水やお茶が飲み込みづらいことがある

●区分4 噛まなくてよい
噛む力の目安:固形物は小さくても食べづらい
飲み込む力の目安:水やお茶が飲み込みづらい

このように噛む力や飲み込む力によって区分されており、形状が分かりやすくなっています。咀しゃくや嚥下状態にあったユニバーサルデザインフードをみつけて、毎日の食事が楽しくなるように活用してみるのもいいですね。何を選んだらよいかわかりにくい、低栄養や食事が進まないなど、お困りの際は当院管理栄養士までお気軽にご相談ください。

栄養科 管理栄養士 K.M