2型糖尿病治療薬のGLP-1受容体作動薬について

カテゴリー: 糖尿病療養指導士 | 投稿日: | 投稿者:

11月に突入し、秋も深まり肌寒くなってきました。

今回は、2型糖尿病治療薬のGLP-1受容体作動薬について紹介します。
GLP-1は、もともと私たちのからだにあるホルモンで、食事を摂ると小腸から分泌されます。
GLP-1受容体作動薬は主に膵臓に働きかけ、血糖が高くなるとインスリンの分泌を促して血糖値を下げます。血糖値が高くなるときに作用するため、単剤で使用する場合は低血糖を起こしにくく、また、中枢神経に働きかけ食欲を抑える作用もあるため、体重が増えにくいといった特徴のある薬です。
これまでは注射薬のみでしたが、2021年2月、世界初の経口GLP-1受容体作動薬である「リベルサス錠」が登場しました。GLP-1受容体作動薬は分子量が大きいため消化管での浸透が低く、また、胃の分解酵素により分解されてしまうため、経口投与に適さないと考えられていました。しかし、サルカプロザートナトリウム(SNAC)と呼ばれる吸収促進剤を添加することで分解されにくくなり、胃からの吸収を促進することで経口投与が可能になりました。

リベルサス錠の飲み方には、次のような注意点があります。
①起床時(空腹時)に服用する
②コップ約半分の水(約120ml以下)と服用する
③服用後少なくとも30分間は、飲食および他の薬の服用を行わない

近年、GLP-1受容体作動薬を「痩せるホルモン」、「ダイエット注射」などと称して、美容・痩身・ダイエット等を目的とした適応外の使用を推奨していると受け取れる広告等がインターネット上の一部ホームページに掲載されています。
現時点で日本におけるGLP-1受容体作動薬は、2型糖尿病のみを効能・効果として承認を取得しており、それ以外の目的で使用された場合の安全性および有効性については確認されていません。広告に惑わされず、正しい理解、使用をお願いします。

 

参考文献 一般社団法人 日本糖尿病学会「GLP-1 受容体作動薬適応外使用に関する日本糖尿病学会の見解」
ノボ ノルディスクファーマ 患者向け資材「リベルサス錠を服用される方へ」

糖尿病療養指導士 薬剤師 KF

老健での秋

カテゴリー: 倉敷老健 | 投稿日: | 投稿者:

日に日に寒さが増し、少しずつ紅葉も始まった頃でしょうか。秋といえば「読書の秋」「食欲の秋」「運動の秋」など「○○の秋」と称して様々な事が取り上げられています。
本日は、その「○○の秋」と題しまして、倉敷老健での様々な活動をご紹介します。

倉敷老健では、感染対策に配慮しながらも日々、ご入所の方と様々な活動に取り組んでいます。
まずは、倉敷老健にとって欠かせない、「運動の秋」
多種多様な機械や道具を使ってリハビリを行っています。中でも、自転車を漕ぐトレーニングは順番を待つことがあるほど人気です。皆さん真剣な表情で、しっかりとペダルを漕いでいます。

次に紹介するのは、「創作の秋」
壁にある大きなボードをご入所の方の作品が華やかに飾っています。「私にはできんわ~」と言いながらも、しっかりと細かい作業で綺麗な貼り絵や立体的な飾りまで、あっという間に完成させています。

そして、最後は「旅の秋」
老健では、毎月1回、動画配信サービス「旅すけ」を観覧しています。旅すけでは、生中継で全国の観光名所や、歴史にゆかりのある場所を芸人さんが散策しながら案内してくれます。ご入所の方にも好評で、「あ~行ったことある所だわ~。懐かしい」と言う声や、「こんな所もあるのね~。おもしろいわ」等の感想をいただいています。また、随所に歌体操が盛り込まれており、ご入所の方も笑顔で体を動かしています。

最後に、まだまだコロナ禍ではありますが、十分な感染対策を行った上で、少しずつ出来る活動も増えてきています。これからインフルエンザやノロウイルスといった、様々な感染症が増える時期になりますが、感染対策に配慮しつつより一層、余暇活動の充実を目指していきたいと思います。

倉敷老健 介護士 S・A

脳神経内科部長菱川望先生が実践する「認知症予防ヨガ」の動画ができました。是非ご覧ください。

このたび、倉敷平成病院YouTubeチャンネルに新動画「ドクターのぞみの認知症予防ヨガ」(6本シリーズ 1本2~3分)がアップされたので、ご紹介します。

1)準備体操
2)体を伸ばすポーズ
3)猫のポーズ
4)ねじりのポーズ
5)スーパーブレインヨガ
6)呼吸法


菱川先生は、数年前からヨガをご自身の健康法として実践しておられます。
このたび、ご高齢の方でも簡単に取り入れることができ、認知症予防につながるであろうヨガの紹介動画の制作依頼を受け、今回の公開となりました。

リハビリテーションスタッフの協力を得、座ったままできる姿勢のバージョンも紹介しています。

是非、生活に取り入れてみてください。

認知症疾患医療センター

停電のお知らせ

カテゴリー: お知らせ | 投稿日: | 投稿者:

 

電気事業法に基づく電気設備の点検整備および、電気室内設備の
更新工事のため、以下の日程で院内全館が停電となります。

日時:令和4年11月5日(土)
     21:30~翌5:00 (約7時間30分)

その間、救急受け入れ(救急車・ウォークイン)が出来ません。
ご迷惑をおかけしますが、ご協力よろしくお願いします。

221102停電のお知らせ

11月8日は「いい歯」の日

カテゴリー: 歯科 | 投稿日: | 投稿者:

11月ですね。今年も残すところあと2か月となりましたが、ブログをご覧の皆様はいかがお過ごしでしょうか。11月8日は「いい歯の日」として設定されています。みなさん、「8020運動」というのは聞かれたことがありますか?80歳になっても自分の歯を20本以上保ちましょうという日本歯科医師会が推奨している運動ですが、いい歯の日はこの8020運動一環として設定されています。
そこで本日は自分の歯を守ること、歯を失った場合にかみ合わせを作るための治療をすることがいかに重要であるかをお話ししたいと思います。
歯が多く残っている人や、歯が少なくても入れ歯等を入れている人では、歯が少なく義歯を入れていない人と比較して、年齢、治療中の病気や生活習慣などの影響を取り除いても、その後に認知症発症や転倒する危険性が低いということがわかってきています。
これまでの研究報告の中に、歯を失い、入れ歯を使用していない場合、歯が20本以上残っている人や歯がほとんどなくても入れ歯によりかみ合わせが回復している人と比較して、認知症の発症リスクが最大1.9倍になるという報告(1)や、歯が19本以下で入れ歯を使用していない人は、20本以上保有している人と比較し、転倒するリスクが2.5倍になるという報告(2)があります。
また、保有する歯が19本以下の人は、20本以上の人と比較して1.2倍要介護認定を受けやすいという結果が出ています。(3)このことから要介護状態になる危険性は歯が多い人ほど少ないことがわかります。

以上のように、歯の多い人ほど、またはすでに自分の歯を喪失しても入れ歯等で口腔機能を回復できている高齢者は認知症になりにくく、転倒も少ないということが疫学研究からわかってきています。口腔機能を維持することは要介護になりやすい疾患を予防し、健康寿命の延伸につながる可能性があります。
もし、しばらく歯科の治療を受けていなかったり、気になるところがあるのに受診できていない方がいらっしゃったら健康な高齢者になれるよう、ぜひ歯科受診をしてみてください。
参考文献
(1)yamamoto et al., Psychosomatic Medicine, 2012
(2)yamamoto et al., BMJ Open : e001262, 2012
(3)Aida et al., Journal of Amerikan Geriatric Society 60 (2):338-348, 2012
歯科医師 F

第57回のぞみの会YouTube動画 第一弾を配信開始

令和4年度、『第57回のぞみの会』の動画、第一弾が本日11月1日(火)9時から配信開始となりました。
第一弾では倉敷平成病院 理事長 高尾聡一郎 先生による「開会のご挨拶」と倉敷平成病院認知症疾患医療センター 涌谷陽介 先生による勉強会「もの忘れ外来ってどんなところ?」を公開しております。


ぜひご覧ください。

今年のテーマは「こんな時こそ、救急から在宅まで、一貫した医療、介護を~共に歩む全仁会~」と定めて、職員一丸となり、冊子と動画の準備を進めてまいりました。11月より毎週火曜日9時頃から随時配信予定です。お楽しみに!

また、冊子も外来に設置しております。ご希望の方は発送もいたしますので、申し込みフォームよりご連絡ください。
詳細・お申込みフォームはこちら

次回動画は11月8日(火)「どうすればいいの?救急車」を公開予定です。

第57回のぞみの会実行委員

飲み込む力の低下を予防しましょう!

カテゴリー: 通所リハビリテーション | 投稿日: | 投稿者:

皆さんこんにちは。
季節はだんだんと冬に近づき、朝晩は肌寒いことが増えてきましたが、体調お変わりなくお過ごしでしょうか?

さて、現在も新型コロナウイルス感染の影響もあり外出や人との会話の機会が以前より減ってしまっている方も多いかと思います。これらの機会が減ってしまうと、口腔機能や飲み込みの力の低下などに繋がってしまう可能性があります。
秋は、お芋や柿、秋刀魚などおいしい食べ物もたくさんありますね。今回は、安全にそして楽しく食事が行えるよう「オーラルフレイルのチェック」や「口腔機能・嚥下機能の低下を予防する方法」についてご紹介したいと思います。

まず「オーラルフレイル」とは、ちょっとした口の衰えのことであり、主に加齢やからだの病気、薬の副作用や低栄養、廃用などによって起こり、複数の口の機能が低下することを言います。当てはまるものがあるか、チェックしてみましょう。

➀かたい物が食べにくい、
②汁物でむせる、
③口の乾燥が気になる、
④薬が飲みにくい、
⑤話すときに舌が引っかかる、
⑥口臭が気になる、
⑦食事に時間がかかる、
⑧薄味が分かりにくくなった、
⑨食べこぼしがある、
⑩食後に口の中に食べ物が残りやすい、
⑪左右の奥歯がしっかりかみしめられない。
みなさん、この中で当てはまるものはありましたか?当てはまる数が少なくなるように、低下を予防していきましょう!

そして、低下を予防する取り組みとして、「パタカラ体操」や「早口言葉」、「嚥下体操」などがあります。今回はこの中の「パタカラ体操」についてご紹介したいと思います。

「パタカラ体操」は口の代表的な体操の1つで、食べ物を上手にのどの奥まで運ぶ一連の動作を鍛えるための運動となります。効果として、
➀噛む力や飲み込む力の維持・向上、
②唾液の分泌を促し口の乾燥を防ぐ、
③発音がはっきりする、
④表情が豊かになる、などの効果があります。

「パ」:唇を閉じて食べこぼさない  「タ」:食べ物を押しつぶす、飲み込む
「カ」:食べ物を食道へ運ぶ     「ラ」:食べ物を口腔内に運び飲み込みやすくなる
*タイミングはお食事の前に行うことがおすすめです♪

当通所リハビリには2名の言語聴覚士が在籍しており、ご利用の方へリハビリを提供しています。
最近では、個別リハビリ以外に口腔機能・嚥下機能の低下の疑いがある方に対し、定期的な嚥下機能の評価等も行っています。
自宅での生活で気になることや飲み込みのことで困っていることがあれば、お気軽にご相談ください。

倉敷老健通所リハビリテーション 言語聴覚士 S.H

第57回のぞみの会だよりー8ー

カテゴリー: のぞみの会 | 投稿日: | 投稿者:

今日は10月最後の日、明日から11月ですね。今年の11月は何かが違う。

そう、「第57回のぞみの会」の動画配信がいよいよスタートします。
明日の午前9時から 毎週火曜日 下記ポスターの予定になります。

明日は、高尾理事長による開会挨拶と 認知症疾患センター 涌谷センター長による勉強会「もの忘れ外来ってどんなところ?」の

配信開始を予定しています。是非ご視聴ください。YouTubeチャンネルへのリンクはこちら
また、冊子も併せて発行されています。実物の冊子は、病院外来に設置しております。
PDFでもご覧いただけます。動画と冊子と合わせて、より深く 「のぞみの会」をご体感いただけると思います。

冊子のPDFはこちら

12月20日までの動画配信に向けて、院内のあちこちで撮影風景が垣間見られています。

約半年準備を進めてまいりました。冊子と動画を是非ご覧いただければと思います。

第57回のぞみの会 実行委員 事務長

野菜の栽培始めました

カテゴリー: ケアハウス | 投稿日: | 投稿者:

ケアハウスドリームガーデン倉敷の畑では、農作業経験のあるご入居の方々にアドバイスをいただきながら、じゃがいも、春菊、さやえんどう、スナップエンドウの栽培を始めました。秋のじゃがいもは種芋を切らずに植えることや畝の作り方などを教えてもらい、試行錯誤しながらですが9月に植えた野菜たちは土から芽を出しはじめています。


こまめに雑草を抜き、虫はいないか、病気になっていないかなど気にかけながら、野菜たちの成長を見守っているところです。

野菜作りは、言うは易く行うは難しで、、種を蒔く、苗を植える、水をやるといった作業だけでなく、土に石灰を混ぜるなどの土壌作りから始まり、新芽を間引く、支柱を立てる、ネットをかける、防寒対策で藁を敷くなど、重労働や立ったり座ったりも多く、大変な仕事です。

しかし、やっと顔をのぞかせた芽を見ると本当に嬉しいですし、新鮮な野菜を食べられることは何よりのごちそうであると思います。

もちろんこの野菜たちが無事に収穫できた際は、ご入居の皆さまの食卓に並ぶ予定です。

令和4年も残すところあと2ヶ月弱となりました。日中と朝晩との寒暖の差が大きく身体に負担がかかりがちですが、皆さま体調には気を付けてお過ごしください。

ケアハウスドリームガーデン倉敷 管理栄養士 T

グループホームのぞみ 気分転換

こんにちは
グループホームのぞみです。
秋空が気持ちよく澄みわたる季節となりました。

新型コロナウイルス感染対策の為、ふれあいが減り、お部屋でテレビを視聴されることや居室ですごされる時間が増えています。

そこで、秋空の下、気分転換をしていただければと思い、屋上庭園でシャンボン玉をすることにしました。
職員がシャンボン玉を作って飛ばすと、追いかけられて手で割ってみたり、「シャンボン玉」の歌を一緒に歌ったりして、童心に戻り、楽しくに過ごされました。

また、普段から天気のいい日には、屋上庭園に出て、屋外の景色を眺めたり、草むしりをするなどして、気分転換をしていただいています。

外出は、四季のうつろい、風や香り、音や歩く感触など五感を刺激され、認知症の進行を遅らせる効果もあるので積極的に実施しています。

屋上庭園に出られた方からは「気持ちがいいわ」「また一緒に行きましょうね」とたくさんの笑顔を見せていただけました。

コロナ禍の為、満足のいく生活ができなかったり、ご家族と面会できない寂しさがありますが、少しでも楽しい時間が増え、のぞみでの生活が、楽しく、笑顔が溢れるように今後も支援してまいります。

ピースガーデン倉敷 4階 グループホームのぞみ 介護福祉士 Y