ニューロモデュレーションセンターでの甘いもの事情

ニューロモデュレーション回診で患者様の病室を回ると、ベットサイドにお菓子が多く目につきます。「受診のたびに体重が減って、先生に「ちゃんと食べてる?」って聞かれるから、何でもどんどん食べています。」と、わざと間食をされている方が多いようです。

パーキンソン病の方は、確かに痩せている方が多い印象です。なぜ痩せるのかというと、振戦や筋固縮、自律神経障害からの代謝亢進、発汗、不眠、頻尿などで消費エネルギーが高まること、また、薬の副作用や嚥下機能低下による食事摂取量の減少なども考えられると思います。
何もしないでも痩せるなんてうらやましい、とはいかないのがパーキンソン病の患者さんの声です。痩せる→疲れやすい→運動量が減る→筋肉が減る→動きにくい→外出・運動しない→食欲が落ちる→摂取量が減る→痩せる→→・・・と、負のスパイラルに陥ってしまうと大変なのです。
病院に入院中は、ST(言語聴覚士)と相談しながら患者様の嚥下機能に合った食事を提供します。食欲が落ちている方には高カロリーの補食を追加したり、NST(栄養サポートチーム)とも連携しながら栄養補給について検討します。嗜好面にも可能な限り配慮したり、お菓子が好きな方は間食もいいでしょう。

しかし、一方で太っている方もおられます。パーキンソン病になったことで甘いものが病的に好きになり、過剰摂取から体重が増加したり、血糖値が上がることもあるようです。甘いものを食べると一時的スカっとしますが、急激な血糖上昇に対するインスリン分泌により血糖が低下し、眠気、イライラ、疲労感、集中力が落ちることもあります。
というわけで、甘いものに偏った食事というのもよくありません。基本は3食ともバランスよく、主食、たんぱく質、野菜を揃えて食べることが大切です。
しっかり食べて消化管を動かすことは、栄養や薬の吸収をよくしたり便秘解消にもつながります。(便秘対策に関しては前回のブログ参照)
食事面からニューロモデュレーションセンターのサポートができるよう、管理栄養士も頑張っていきます。

管理栄養士 A子