下肢のしびれの鍼灸治験

カテゴリー: ヘイセイ鍼灸治療院 | 投稿日: | 投稿者:

下肢のしびれを訴える60歳代の女性が来院されました。症状は半年前から、当時はしびれと電気が走るような痛みで歩けなくなりました。整形外科で撮ったレントゲン、MRIなどには異常はなく、整 骨院で施術を受けて痛みは落ち着き歩けるようになりましたが、下肢のしびれは残りました。歩いていても座っていてもチクチク刺すようなしびれがあり、最近では寝ていてもしびれ出すので、ゆっくり休むこともできないという状態でした。

体質判断の情報として、腰臀部に筋緊張、腹部と下肢は冷えがあり、舌は大きく舌色は青く白苔があることから『寒湿停滞』の体質であると判断しました。
下肢のしびれは腰部からの神経症状だと考えますが、この患者さんの場合は腰臀部の筋緊張で神経症状が現れ、さらに冷えと水分の停滞により腰下肢の血行不良が起こり症状の悪化を招いていると考えました。

治療は、腰部の血行改善を目的に腰陽関(こしようかん)、腎兪、次髎、委中、飛陽、陽陵泉、絶骨(ぜっこつ)などのツボを使い、冷えの改善に陰交、関元、三陰交、水湿の改善に水分、天枢、復溜(ふくりゅう)、陰陵泉などのツボに鍼と温灸をしました。

症状の変化はゆっくりでしたが、治療を始めて数回で、夜が眠りやすくなったと教えてくれました。姿勢によって症状は現れますが以前よりもしびれの強さも軽減していき、5か月後には安定し、発症してからは諦めていた旅行にも行けるようになったと喜んでくれました。

 

鍼灸院 MK