日別アーカイブ: 2020年11月24日(火曜日)

胃の不快感の鍼灸治験

カテゴリー: ヘイセイ鍼灸治療院 | 投稿日: | 投稿者:

胃の不快感を訴える患者に鍼灸治療で症状が改善されました。

患者さんは40歳代の女性で、以前から疲労が溜まると胃のムカムカ感や体がふわふわする感があり、さらに症状が悪化すると食欲もなくなり、時には腹満、下痢になることもあったそうです。

この患者さんの舌は淡白色で大きく舌周囲には歯痕があり、腹部の触診では胃のあたりに冷たくて、打診では高音調のガス音があり、腹部全体にガスが張っているようです。

漢方医学の理論では、脾は消化器の機能を管理する臓器であり、脾の働きが正常であれば、飲食物の消化吸収がうまくできますが、脾が弱ければ消化吸収はうまく働かなくなります。腹部の張り感、軟便などの症状が現れます。さらに水分代謝の異常で、水湿停滞を招きむくみや冷えなどを引き起こすこともあります。以上のことを踏まえて分析してみれば、この患者さんの場合は脾の機能低下による水湿停滞が考えられます。

これに対して、治療は、脾経の「陰陵泉」「三陰交」「公孫」などのツボを中心に、胃腸を整える「足三里」「曲池」「内関」「中脘」「天枢」、冷えに対して「陰交」などのツボを合わして鍼と灸を施しました。

治療直後から胃のムカムカ感は軽減し、腹部の張り感も緩和されました。しかし、日にちが経てば、また症状が現れます。週一回治療しているうちに、胃の症状は現れにくくなり、延べ5-6回治療した後、症状は再現しなくなり、毎日胃がすっきりしていて日常生活が過ごしやすくなったと喜んでくれました。

慢性の胃腸症状で悩まれている方が多くいると思いますが、薬などの治療法以外に、鍼灸治療も選択肢の一つであるかもしれません。

ヘイセイ鍼灸治療院 MK